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【インタビュー】『ストII』世代が全力で作った『ストリートファイターV』の“新たなコミュニティ像”とは

ソニー PS4

【インタビュー】『ストII』世代が全力で作った『ストリートファイターV』の“新たなコミュニティ像”とは
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昨年末のカプコンカップでは大規模な賞金をめぐってプロゲーマーたちが熱い闘いを繰り広げ、ひとつの終止符を迎えたと言える『ウルトラストリートファイターIV』。その続編であり、シリーズナンバリングの最新作として今週発売になる『ストリートファイターV』によって、新たな対戦格闘シーンが幕を開けようとしています。Game*Sparkとインサイドでは、同作のプロデューサーをつとめる杉山晃一氏にインタビューを実施。様々な質問をぶつけてみました。



――まずは簡単に自己紹介をお願いします。

杉山晃一氏(以下 杉山): 『ストリートファイターV』のプロデューサーをしている杉山晃一です。主にプロモーション・運営のための調整や、資金調達など裏方の仕事も含め、プロジェクト全体の指揮を執っています。実際に『ストリートファイターV』のクリエイティブの責任者は主にディレクターの裁量となりますが、プロモーションや運用においてもゲームの知識が必要とされるので、そこはしっかりと押さえています。

――『ストリートファイター』シリーズに関わられたのはいつからですか?

杉山: プロデューサーとしてシリーズに関わったのは前作の『ウルトラストリートファイターIV』からになります。かなり珍しいことだと思いますが、『ウルトラストリートファイターIV』に関わるまでは、経営企画や事業企画など、管理側の人間でした。

――『ストリートファイターV』の開発が始まったのはいつからですか?

杉山: 実際にプロジェクトとして開発が始まったのは2013年の夏です。アイディア自体は2011年頃にすでに出ていましたが、ひとまず『ウルトラストリートファイターIV』でストリートファイターコミュニティの土台をさらに盤石にしてから『ストリートファイターV』に取り掛かろう、という感じでした。

◆開発初期のウラ話―フォトリアルなスタイルだった?

――『ストリートファイターIV』から8年ほどの間が空いた中で、続編を作る難しさはありましたか?

杉山: グラフィックビジュアル面では苦労しました。『ストリートファイターIII』までドット絵だったシリーズが、『ストリートファイターIV』で3Dになった時のようなインパクトを与えるにはどうすればいいのか? かなりの試行錯誤を重ねましたね。今回はエンジンに「Unreal Engine 4」を使用しているのですが、フォトリアルな表現を得意とするこのエンジンで、いかにアニメチックな表現をするか、いろいろと試した結果が今回の「油絵風タッチ」になります。開発初期には、フォトリアルによったグラフィックでの開発も実はしていたのですが、やはりアニメチックで大胆な表現がないと『ストリートファイター』らしくない、ということでその案はお蔵入りになりました。

――フォトリアルな『ストリートファイターV』ですか。それは見てみたいですね。

杉山: 実は、『ストリートファイターV』のe-カプコン限定版のブックレットにこの時のスクリーンショットが一枚だけ掲載されています。この時のリュウは、山籠りから戻ったばかりで、ヒゲを生やし体も傷だらけなのですが、このイメージは「HOT!パッケージ」に同梱されているリュウのバトルコスチュームの元にもなっています。

――グラフィック面では「気跡(きせき)」エフェクトも特徴的ですが、どのような経緯で導入されたのですか?

杉山: 『ストリートファイター X 鉄拳』では水、『ストリートファイターIV』では墨汁をイメージしたエフェクトを使ってきて、じゃあ『ストリートファイターV』では何を使おうか考えました。粉とか光とか、いろいろ試したのですが、見づらかったり地味だったりとなかなかしっくりくるものが見つかりませんでした。それじゃあ一度どんな目的でエフェクトを出すのかというところまで立ち返ってみようと。結果、例えばレインボー・ミカなら名前にあるように虹色といった、キャラクターたちのイメージカラーを「格闘家のオーラ」として表現したいということになり、完成したのが「気跡」になります。ちなみにこれは本人が出すオーラなので、衣装のカラー変更をしても色は変わりません。

――Unreal Engine 4を使うというのは、最初から決まっていたのですか?

杉山: エンジンはいくつかの候補がありましたね。その中でもUnreal Engine 4は、当時まだ開発中で伸びしろがあり、さらにEpic Gamesとタッグを組んでお互い助け合えるのではないかということで決定しました。

◆リアルで集まってプレイできる環境を


――成熟した『ウルトラストリートファイターIV』と、ゼロからのスタートとなる『ストリートファイターV』がある中で、既存のプレイヤーは円滑に移行できるのでしょうか?

杉山: 8方向レバーと6ボタンを使うストリートファイターの根本的な部分は、『ストリートファイターII』で完成されているので、プレイフィールでいうとすんなり移行はできると思います。キャラに関しても「IVで使っていたキャラがいないからVはやらない」という声はあまりなく、『ストリートファイターV』でどのキャラを使おうか悩んでいる人が多いので、あまり心配はしていません。ただ、現時点ではアーケードでの展開予定がないので、そちらのユーザーのためにe-Sportsカフェなどとタイアップして、リアルで集まってプレイできる環境を用意できればと考えています。

――アーケード版の展開がないのはなにか理由があるのですか?

杉山: PS4/PC/アーケードのクロスプラットフォームは、技術的には可能です。しかし、100円払ってプレイしているアーケードのユーザーが、PS4やPCのユーザーとマッチングした際に、回線が切断されてしまったりして、ゲームが成立しなくなってしまった場合のユーザーのケアなど、いくつかの重要な問題を解決しないかぎりは難しいと思います。このような問題があるうちに出してしまうと、今回掲げている「コミュニティーの統一」というコンセプトから外れることになってしまうので、現状、アーケードでの展開は予定無しということになっています。ゆくゆくは、アーケード版も出せるといいのですが……。

――先日のベータテスト4で、なにか調整を加えた部分やわかったことはありますか?

杉山: ベータテスト1、2、3はキャラバランスチェックとサーバー負荷テストを兼ねたものでしたが、ベータ3の時点でバランスに関しては調整がほぼ終了。ベータ4ではサーバーテストがメインになっていました。

――では、Day Oneパッチ(発売初日のアップデート)もないのでしょうか。

杉山: Day Oneパッチはありますが、基本的には細かいバグ修正とちょっとしたコンテンツの追加のみになります。

――今後のバランス調整についてはどのようなタイミング・頻度で行っていくのですか?

杉山: プロツアーで頻繁に大会が開かれるので、バランス調整の頻度は高くないです。年に1回は必ず行いますが、どんなに多くても年に2、3回でしょうか。ただ、よほどのことが無い限りは年に1度で想定しています。

――EVO 2016の前にキャラクターの追加はありますか?

杉山: EVOに限らず、大きな大会に参加しない多くのプレイヤーのモチベーション維持のためにも、平均1ヶ月から2ヶ月に1回の間隔でキャラクターは追加していこうと考えています。そういう意味では、EVOの前に追加はありますね。キャラ追加が大会の前に入るような場合、レギュレーションについては大会の主催者側とよく相談して決めてもらうのがいいかなと考えています。

――先ほど「回線が切れた場合」の話が出ましたが、故意に途中抜けしたユーザーに対して何か対策やペナルティは考えていますか?

杉山: 任意のプレイヤーとマッチングしないようにする機能はアップデートで実装予定です。ただ、回線の不具合は意図的なものなのか事故で落ちてしまったのかが判別できないので、ペナルティをつけるのは難しいと思います。また、ネットワーク対戦の際は、マッチングする相手の回線速度を任意で設定できます。

――ゲーム内通貨について、ファイトマネーでしか買えないアイテムなどはあるのですか?

杉山: アレンジコスチュームは基本的にゼニー(有料のゲーム内通貨)でしか買えないのですが、キャラストーリーモードでキャラクターが使用しているアレンジコスチュームは、ファイトマネー(ゲーム内で手に入る通貨)でしか買えません。キャラクター自体のアンロックは、ゼニーでもファイトマネーでも可能です。

――ゼニーの仕様に関しては、PS4版とPC版で違いはあるのですか?

杉山: 購入先がPSNかSteamかの違いだけで、ほかは全く同じです。ただ、アカウントが別になってしまうので、ゼニーの共有はできません。

――世界的に見ると、ゲーム内通貨の購入に慣れてない人もまだまだ多いと思います。そういう人たちのための施策などはありますか?

杉山: 3月頃から無料通貨であるファイトマネーを使えるストアを実装して、まずはゲーム内通貨を使うことに慣れてもらい、その後、有料通貨であるゼニーを使えるストアを実装する、といったように、段階的に慣れていけるような展開を考えています。

◆ずばり、初心者のオススメのファイターは?


――世界中にプレイヤーがいる『ストリートファイター』シリーズには、様々なユーザーの意見があちこちから届くと思います。それをどう汲み取ってゲームに反映させていくのですか?

杉山: 開発内にユーザーからの意見をまとめてくれるチームがあり、Capcom Unityや公式ツイッター、公式ブログなどの声を拾っています。ただ、匿名での発言というのは誰がどれだけ発しているのかがわからないので、参考程度にとどめています。もちろん、「大会で活躍したキャラだから」といったような安易な理由で弱体化するなどもありません。『ストリートファイターV』は新作なので、まずはユーザーに触ってもらってゲームを理解してもらい、その上で、明らかにおかしい部分があればそこはしっかり修正していきたいと考えています。将来的にはリージョンごとに、匿名ではない形式で意見をまとめられる場所を作りたいですね。

――ベータテストでは使用できなかった新キャラ「ファン(F.A.N.G)」について教えてください。

杉山: ファンは毒を使うキャラクターで、毒を受けた相手は、一定時間経つか、ファンに攻撃を当てて毒を解除するまで、じわじわと体力が減っていきます。精神的に追い詰めてくるいやらしいキャラです。

――ファンに攻撃を当てることでも毒を解除できるのですね。

杉山: はい。そこで焦って接近して来る相手を、長いリーチやいやらしい飛び道具、背後に回る移動技を駆使して、徹底的に近づけさせないようなプレイができるファンは、とても厄介です。相手の行動に的確に対応できないと難しいキャラなので、初心者には難しいかもしれません。

――『ストリートファイターV』は初心者にも優しいゲームデザインになっているかと思いますが、初心者におすすめのキャラはいますか?

杉山: 難しいですね(笑)。今回は『ウルトラストリートファイターIV』にあったような「ずらし押し」や「目押しコンボ」が必要なくなっていたり、コマンドの簡略化がされているので、初心者でも比較的とっつきやすくなっていると思います。その中でも単純に使いやすさで言えば、リュウとネカリ、それにキャミィです。この3人は一通りの技がそろっているので、ちゃんと練習すれば強くなれると思います。とりあえずいろいろな技を出して楽しみたい方にはラシードでしょうか。このキャラはガチャプレイでも派手な技が出るので、テンションは上がると思います。

――では、先述のファン以外で初心者向けではないキャラはいますか?

杉山: かりん、バーディー、ダルシムはテクニカルで難しいかもしれません。ただ、やはり自分が愛せるようなキャラを見つけることがモチベーション維持には重要なので、いろいろ使ってみてぴったりなキャラクターを見つけてほしいです。

――『ストリートファイターV』の開発において一番苦労したところは?

杉山: やはりグラフィックやシステム面で「新作感」を出すための調整が難しかったです。グラフィックに関しては冒頭述べたとおりです。システム面では、煮詰まってしまった『ウルトラストリートファイターIV』から難易度を下げるにあたって、どういう設計をすれば前作とは違ったゲームの奥深さを出せるか、そこは本当に苦労しました。また、e-Sportsの競技ツールとして成立するようなゲーム作りのために、様々な調整を入れているのですが、そこもなかなか難しかったですね。

――次は読者からの質問です。背景にベガ親衛隊が数人見えますが、『スーパーストリートファイターIV』でS.I.Nの捕虜になった話はなかったことになっているのでしょうか。ホークのもとに戻ったユーリとか……。前作と話がつながっているのか知りたいです。

杉山: 今夏実装予定のゼネラルストーリーをご期待くださいとだけ言っておきます(笑)。

――こちらも読者からの質問で、フォトモードを追加する予定はありますか?

杉山: 技術的には可能ですが、今のところ実装予定はありません。ユーザーの声を聞いて、需要がありそうなら実装も検討します。

――では、最後にユーザーへのメッセージをお願いします。

杉山: 『ストリートファイターV』は、開発スタッフに『ストリートファイターII』世代が多く、ストリートファイター大好きなスタッフが全力で作っているので、シリーズに少しでも興味がある人なら絶対に楽しめると自信を持って言える出来になっています! これは主観ではなく、ベータテストユーザーやプロゲーマーの方からも言われているので、触っていただければわかると思います。また、今回はサバイバルモードやゼネラルストーリーのような、対戦が苦手な人でもソロでしっかり楽しめるようなコンテンツを多数用意しています。「格ゲーは対戦しかない」という概念を一度リセットしてもらって、自分なりの『ストリートファイターV』の楽しみ方を見つけてほしいです。『ストリートファイターII』世代のお父さんも、今回はすんなり入れると思いますので、お子さんとのコミュニケーションツールとしても活用できると思います。(笑)。店頭イベントなども開催するので、ぜひ手にとってみてください。

――わかりました。本日はありがとうございました。



記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》

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