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【特集】「Live2D」を救ったのは『俺妹』!?誕生のきっかけや話題の「FaceRig」に迫る

2Dのイラストが自由自在に動く。それは、まさに魔法のような言葉です。イラストや漫画を描いた経験がある方ならば、自分のキャラクターがイキイキと動く様を見てみたいと思ったことがあっても何ら不思議ではありません。

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◆「Live2D」がもたらす、今と未来



──ここ最近の「Live2D」の活躍で、印象深いものがあれば教えてください。

中城氏:どれを挙げるべきか悩みますが、女性向けのアイドル育成ゲーム『あんさんぶるスターズ!』では、「こういう風に(Live2Dを)使うんだ」といった驚きがありましたね。男性キャラの魅力を大いに引き出していました。ちなみに、ウチに入る女性スタッフのほとんどが、『あんスタ』を見て興味を持ったそうです(笑)。



──採用面にも好影響が(笑)。

中城氏:今のグラフィックチームは、かなりの割合を女性陣が占めていまして、『あんスタ』効果恐るべしです(笑)。

──『あんスタ』チルドレンが今の「Live2D」を支えているわけですか(笑)。先日行われた渋谷MODIの大型ビジョンジャックも、大きな話題を集めましたね。ああいった意欲的な試みに「Live2D」を選んでもらえるというのは、やはり嬉しいののですか?
※渋谷MODIの大型ビジョンジャックは、『アクティヴレイド めざましマネージャー Liko』をフィーチャーした企画

中城氏:リアルタイムで動かすものだったので、嬉しいのと同時に恐怖もありましたね。失敗したらどうしようって(笑)。その緊張は、担当した彼が特に大きかったんじゃないかなと思います。

仁科将氏

仁科氏(制作アシスタント):普通のCMではなく、「Live2D」でなければできない表現があると言っていただいたので、その分プレッシャーはありました。ですがそれは、期待の裏返しでもありますから、その声に応えることができてよかったです。

中城氏:あの時、声優さんの横で彼が実際に操作していたんですよ。声優さんの心を先読みして(笑)。

──文字通りのライブ、生での出来事だったんですね。

仁科氏:練習はしたんですが、本番がその通りにいくとは限らないですし、アドリブも入るとのことでした。ですが、そういったことにも対応できるように「Live2D」は作られているので、「出来ないことをやれ」と言われたわけではなかったですね。なのでやり甲斐もありましたし、多くの方にその魅力を知って欲しいという想いでずっと取り組んできました。

──あの渋谷での一件は、Twitterでも大きな話題を呼びましたしね。


東舘将之氏

東舘氏(取締役 / 事業開発担当):あと印象深いと言えば、一般の方々の活躍ですね。毎年コンテストを行っているのですが、去年優勝された韓国のユーザーさんは、恋人の女性がイラトレーターをしていて、その方の絵を使ってゲームを作りたいという想いで生み出したものが、大きなヒットを飛ばしましたね。

──愛情だけでなく、浪漫も感じるお話ですね。

東舘氏:しかもそのゲームが原作となって、ライトノベル化も決定されたそうです。「Live2Dのおかげです」といった感謝の言葉をメールでいただきました。

──「Live2D」が様々なきっかけになりつつあるんですね。一般ユーザーとの接点という面では、「FaceRig Live2D Module」の存在も大きな影響を与えたことと思いますが、この「FaceRig Live2D Module」はどのような経緯で生まれたのでしょうか。



東舘氏:昨年の3月頃に、向こうの社長さんから連絡があったんですよ。「FaceRig」で2Dもぜひやりたいんだ、と。

──先方からお声がかかったわけなんですね。

東舘氏:「FaceRig」が生まれたきっかけというのは、「もっとみんながクリエイターになって欲しい」「自ら発信して欲しい」との想いだったと伺っています。その想いをサポートできるならばと承諾し、お手伝いをしました。それからある程度経った8月くらいにビデオが送られてきて、「ここまで出来たぞ」と教えていただきました。そこからまたサポートをさせていただき、年末にリリースに辿り着いた感じですね。

──「FaceRig Live2D Module」の印象深い活用法などありましたか?

中城氏:「FaceRig Live2D Module」とコントローラを動かす絵を連動させた、GOROmanさんですね。

──「FaceRig Live2D Module」のアバターが表情を変えつつ、またコントローラーも動くので、より臨場感のあるゲーム実況を実現するシステムになりそうですよね。ボイスチェンジャーで、声も可愛くなっていましたし(笑)。


中城氏:「Live2D」は、ニコ生とかでもっと盛り上がってもいい技術なのにな……という想いがあったんですが、「FaceRig Live2D Module」が起爆剤になってくれそうなので楽しみです。実は我々も、ライブっぽいようなものは前々から取り組んでいたので、そろそろ色々いけるんじゃないかなと期待しています。

──そちらの方面に関しても、今後期待していいと思ってよろしいのでしょうか?

中城氏:そうですね。ゲームとアニメ、そしてライブという方面で、発展させていきたいですね。例えば、声優さんが直接ライブに顔を出すと、キャラが持つイメージとのギャップを感じてしまう方もいるじゃないですか。そういった時の選択肢のひとつとして、ビジュアル的には「Live2D」のキャラキターがイベントに登場し、声優さんがリアルタイムに喋る、というのもアリなのかなと思います。

もちろんそれは3Dでも可能ではあるんですけど、どうしても3Dっぽさってあるじゃないですか。アニメやイラストそのままのイメージというのは、3Dでは難しいですから。

──原作が2Dのものであれば、やはり2Dで表現する方が近しいのは当然ですよね。


中城氏:最近だと、「3D化しやすいデザイン」というスタートになる面もあると思うんですよ。鳥山明さんとかは、「3D化しやすい上に2Dとしても魅力的なデザイン」という両立を可能としていますが、全員ができるわけではやはりありません。3Dを意識せず好き勝手描いたもの、というのも2Dの魅力のひとつですしね。

──3Dに起こすと破綻するけど2Dとしては魅力的な絵、というのも確かに存在します。その「3Dにはない2Dの魅力」を損なわずに動かそうとする「Live2D」は、まさに夢が現実になるような技術ですね

中城氏:今の「Live2D」の表現ではまだまだ足りないところもあるので、もっと急いで進化したいんですよ。現在開発中の「Live2D Euclid」では全方位回せるようになるので、早くリリースしたいですね。

──「Euclid」の登場も楽しみなので、そちらに関しては後ほどまた詳しくお聞かせください。「FaceRig Live2D Module」関連で、他に何か動きがあったりしますか?



東舘氏:「FaceRig Live2D Module」関連だと、アバターが作りやすくなるテンプレートを2つ、男性用と女性用のキャラクターを用意しました。あれは、どれくらいの期間で用意したんだっけ?

仁科氏:年末だったこともあり、3日くらいで形にしました(笑)。ユーザーさんが「FaceRig Live2D Module」を通して、「Live2D」って面白いと思ってもらえるようにしたくて頑張らせていただきました。

東舘氏:あと、まだ正式発表はされていないんですが、「FaceRig」を使ったコンテストを実施する動きもあるんです。それにも協力していきたいと考えています。

中城氏:近日中に発表できるのではと思います。
(コンテストの情報はインタビュー後の1月22日に、Steam上の「FaceRig」の公式ページで公開されました。http://steamcommunity.com/games/274920/announcements/detail/954002836327371988

──実況やアバターなどでも、今後「Live2D」が活躍しそうですね。続報、楽しみにしておきます。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

インタビューの後半では、「Euclid」の現状や、大きな一歩を迎える「Live2D」の未来について踏み込みます。そちらもどうぞ、お見逃しなく。

copyright (C) 2014 Live2D Inc. all rights reserved.
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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