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【ゲーム×法律】ゲームクリエイターが円満に独立するためには?

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【ゲーム×法律】ゲームクリエイターが円満に独立するためには?
  • 【ゲーム×法律】ゲームクリエイターが円満に独立するためには?
「在職強要」という言葉が生まれるなど、退職や独立に際してのトラブルは、あらゆる業界で問題となっているところです。先日、ゲーム業界でも話題になっていたところでもありますので、ここで退職に関する法律の仕組みについて解説したいと思います。

■社員からの一方的な意思表示による労働契約の終了

正社員(期間の定めのない雇用契約を結んでいる労働者)は、いつでも解約の申し入れをすることができます。解約の理由も必要ありません。会社が合意に応じなくても、社員からの一方的な意思表示から2週間が経てば、解約の効果は発生します。

■合意による労働契約の終了

会社と社員が合意によって労働契約を解約することも当然できます。この場合、2週間の予告期間を置くことなく、両当事者の合意に基づいていつでも労働契約を終了させることができます。これを「合意解約」といいます。

合意解約の場合に問題となるのは、退職に合意する意思表示をした後に、社員が、それを撤回したり、何らかの事情で(例えば、辞職に追い込まれたなど)解約の効果を争ったりする場合です。後々の紛争が起こらないようにするため、しっかりと書面に残すことがお互いにとって重要になります。

■とはいえ・・・

以上のように、社員が辞めたいと思えば、すんなり辞められるのが法的な結論です。しかし、実際には、社員が退職の意思表示をした場合にトラブルが起こりやすいのはご想像の通りです。会社としては、トラブル防止のため、あらかじめ就業規則に退職の手続きについて定めておくことで、社員との合意を結んでおくのが通常です。

一度トラブルになってしまうと、退職の手続きが円滑に進みません。早期の退職を目指すのであれば、時期的に余裕をもって退職の意思を表明することが重要ですし、できる範囲で会社に対し協力をすることも必要かもしれません。

もっとも、会社からの、法的な根拠のない強引な引き止めには応じる必要はありません。例えば、「退職をするなら損害賠償請求をする」と告げて在職強要をするケースは非常に多くあります。しかしながら、多くの場合こういった損害賠償請求は法的には根拠がなく、相談を受けた弁護士としては、とにかく明るく「安心してください、認められません」と告げることになります。

■退職後にも・・・

退職後にトラブルが生じるケースもあります。例えば、社員は、退職後も2年前まで遡って未払いの残業代を請求することができます。反対に、退社した社員が元の会社と競合する事業を行う場合などに、元の会社から、技術やノウハウといった「営業秘密」の持ち出しに対する損害賠償請求や差止請求がなされるケースもあります。

以上が、退職に関する法律の仕組みの解説となります。感情的な対立が発生しこじれるケースが多く、「円満さ」を獲得するには、それなりの慎重さが要求されます。

■藥師神 豪祐(ヤクシジン コウスケ)
恵比寿南法律事務所 代表弁護士。
ゲームとスポーツに関心を有する弁護士らによる団体GamesLawの代表も務める。
多様な領域と交流しながら、「ゲーム」の地位を高めるべく活動している。

お問い合わせ: yakushijin@ebisu-law.com
GamesLaw: http://games-law.com/
《藥師神豪祐》

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