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記野直子の『最新北米市場分析』2015年10月号―Xbox Oneが『Halo 5』で首位奪還!

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記野直子の『最新北米市場分析』2015年10月号―Xbox Oneが『Halo 5』で首位奪還!
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こんにちは。11月だというのに暖かい日が続きますね。さて、本格的に年末商戦真っ只中の北米市場、NPD Groupより2015年10月度の北米市場データ速報が発表されました。 早速見て行きましょう!

■市場全体動向:前年比微増の北米市場!

10月の市場全体は前年7億8,870万ドル(約946億円)に比べて8億590万(約967億円)ドルと微増が見られました。ほぼ横ばいですね。ハードウェアの売上は前年2億7,110万ドル(約325億円)から2億7,030万ドル(約324億円)へ3%ダウン。ソフトウェアの売上が前年10月の3億4,940 万ドル(約420億円)から 3億3,770 万ドル(約406億円)と3%ダウン。

ここで10月の売上の下支えをしたのはアクセサリー(周辺機器)で、前年1億6,820万ドル(約202億円)から1億9,700万ドル(約237億円)へと18%の売上額アップ。amiiboを始め『Disney Infinity』、『Skylanders Superchargers』『Lego Dimensions』なども継続して好調なのですが、この月発売された『Rock Band 4』 のギターコントローラも好調のようです。

余談ですが、任天堂の発表によるとamiiboは米国単体で900万体の売上を記録し、10月だけでも80万体以上のamiiboが販売されたとのことです。ハード売上ではなかなか数字やデータを発表してくれない任天堂ですが、amiiboに関しての情報を見るとハッピーな結果が続いているようです。

いずれにしても10億ドルを突破した9月の市場規模よりも2割ほど市場規模がダウンしています。PlayStation 4本体の値下げや大型ソフトの発売など好条件がそろっていた割にはちょっと期待はずれ、ガッカリの市場規模だったのです。後述する『Halo 5: Guardians』の勢いをもってしても、9月の売上規模にかなわなかった、その原因は起爆タイトルの不足、とNPDは述べています。

■ハード動向:久しぶりにXbox Oneが首位奪取!


先月レポートした通り、ソニーは10月9日からPS4本体を50ドル値下げして349ドルに価格改定をしました。これにより北米での2強ハードは同価格で売られることになったわけです。当然PS4が有利と思われていた10月だったのですが、最終結果はXbox Oneの首位奪還というニュースでした。

後述のソフト売上を見れば『Halo 5: Guardians』がXbox Oneハードをかなり牽引したことがわかりますね。マイクロソフトからの声明によれば、Xbox Oneの売上台数は前年10月比81%アップとのこと。また、Xbox Liveの利用頻度も過去最高を記録したとの発表もあり、いったん10月はXbox Oneが強かったといえます。

この81%という数字から換算すると、マイクロソフトはXbox Oneを10月だけで30万台以上販売したことになります。PlayStation 4も決して台数を落としているわけでもありませんし、PS4のインストールベースを今月だけで脅かすまでには至っていません。

前月からの繰り返しになりますが、PS4、Xbox Oneどちらも頑張っています。ともに北米ではイケてる2強ハードなのです。11月からの追込み時期、特に12月にはハード売上台数のケタが変わってくる可能性も高いので、まだまだ商戦は始まったばかりです。更なる2強ハードの売上に期待しましょう。

先月もトピックに挙げましたが、ハードのソフトウェア同梱版(以下バンドル版)の勢いは止まらず、10月のハードウェア売上のなんと96%がバンドル版によるものだそうです。前年同月が53%だったことを考えれば、ハードを買う人はほとんどがバンドル版のソフトを遊ぶために買っている、と言えるでしょう。

また、旧ハードの売上金額だけを抜き出してみると、前年比66%ダウン。旧ハードから新ハードへのここまでの急激な移行を遂げています。新ハード(PS4/Xbox One)の売上の前年比12%増でこのダウンを相殺しています。旧ハードがダメなのではなくて新ハードが絶好調と言うべきでしょう。

携帯ゲーム機に関しては、PS Vitaはもとより3DSに関してもパッとしません。ハンドヘルド市場は前年比42%ダウンと非常に厳しい状況ですね。NPDは昨年同時期に発売された『Super Smash Bros. for 3DS』が3DSハードを引っ張ったことなどを挙げ、2015年にそれに匹敵するソフトが出ていないからと分析しています。

10月は新ハード(PS4/Xbox One)の売上増が、旧ハード、携帯ゲーム機のダウン幅を相殺して市場規模3%ダウンで抑えていると言えるでしょう。

好調なコンソール(家庭用ゲーム機)と伸び悩む携帯ゲーム機のギャップは大きく、ユーザーがスマートフォンと携帯ゲーム機をすみ分けて遊ぶ時代も終焉を迎えるのではと語る業界関係者もいました。

■ソフト動向:『Halo 5: Guardians』はすごいが、11月にさらに期待!

2015年10月度のソフトウェアランキングをレポートします。


1. Halo 5: Guardians(X1) - Microsoft
2. NBA 2K16 (PS3/PS4/X360/X1) - Take 2/2K Games
3. Assassin's Creed Syndicate (PS4/X1) - Ubisoft
4. Madden NFL 16 (PS3/PS4/X360/X1) - Electronic Arts
5. WWE 2K16 (PS3/PS4/X360/X1) - Take 2/2K Games
6. FIFA 16 (PS3/PS4/X360/X1) - Electronic Arts
7. Destiny: The Taken King (PS3/PS4/X360/X1) - Activision Blizzard
8. Yoshi's Woolly World (Wii U) - Nintendo
9. Uncharted: The Nathan Drake Collection (PS4) - Sony Computer Entertainment
10. Rock Band 4 (PS4/X1) - Harmonix Music Systems


月末の10月27日に発売されたにもかかわらず『Halo 5: Guardians』強いですね。マルチプラットフォーム向けでなく単体プラットフォーム向けのタイトルでダントツの1位をマークしました。『Halo 5: Guardians』に関してはもう少し掘り下げて後程書きますね。

3位の『Assassin's Creed Syndicate』はもう少し売れてもよいかと思いましたが、Xbox One プラットフォームでは1位の『Halo 5: Guardians』に食われてしまったようです。10月23日発売ということで発売後10日弱のデータであり、タイトル自体もロングランのはずですから長い目で見守りたいところです。

前月同様『NBA 2K16』や『FIFA 16』スポーツタイトルが強いですね。日本のユークスが開発する『WWE 2K16』も5位と健闘しています。

10月のランキングがおもしろいのは、各ハードメーカーのファーストパーティタイトルが仲良く3つランクインしていることでしょうか。マイクロソフトの『Halo 5: Guardians』、任天堂の『Yoshi's Woolly World』、ソニーの 『Uncharted: The Nathan Drake Collection』。各社年末商戦に向けてハードを牽引すべくソフトウェア展開を行っている様子が見えます。

10位にランキングしている『Rock Band 4』。2010年の『Rock Band 3』以来5年ぶりのタイトル。実は10月6日に発売されたこのタイトルに続き音楽ゲームジャンルで同じく名をはせた『Guitar Hero Live』が10月20日にActivisionから発売されていました。ランキングはしていないものの同じく好調のようです。音楽ゲームジャンルの復調が見られるのでしょうか? パーティゲームを好む欧米にはもってこいのタイトル群です。

NPDによると、今年の10月は新規タイトルの売上が例年に比べて弱かったと言います。『Call of Duty: Black Ops III』、『Fallout 4』、『Star Wars Battlefront』などのサードパーティによる大型タイトルが11月以降に発売されるため、商戦半ばの爆発力は予想より小さかったということのようです。引き続き11月のランキングは注目です!

ちなみに、ソフトウェアの売上前年比3%ダウンとのことですが、NPDデータはあくまでも小売店で売られているパッケージ商品の売上データからの発表ですので、ダウンロードコンテンツの売上は含まれていません。ユーザーが追加コンテンツのみならずフルダウンロードする比率はますます大きくなっていると予想されるため、ソフトウェアのデータに関してはあくまでも指標としてとらえる必要があります。

■『Halo 5: Guardians』を詳しく見てみる!


ソフトウェアのところで書ききれなかったため、Xbox Oneの『Halo 5: Guardians』がどれだけ勢いのあるローンチだったかをレポートしてみます。

マイクロソフトの発表によると『Halo 5: Guardians』は発売初週で4億ドル(約480億円)以上を全世界で売り上げたとのこと。2012年に発売された『Halo 4』 が発売初週で3億ドル(約360億円)の売上というニュースだったので、それを超えてシリーズ最速の売上のようです。これにより『Halo』シリーズは過去作も含めトータルでの売上額が50億ドル(約6,000億円)を記録したとも発表しています。

10月27日にタイトルが発売されてから1週間の総ユーザープレイ時間はログ情報で2,100万時間を超え、キャンペーンモードだけでも1,200万時間以上をたたき出しているとのことです。また、マルチプレイモードでの総ユーザープレイ時間は900万時間を記録し、そのうちArenaやWarzone モードでは700万マッチプレイほどをカウントしたとの発表がありました。さらに、REQ(Requisition:徴発) バンドルというシステム上の少額課金で50万ドル(約6,000万円)を売り上げたとレポートがありました。

このREQシステムとは、ゲームをしながら集めるREQポイント、または課金(下記参照: 2ドル~3ドル)によりパックを手に入れ、その中に含まれるカードに記された武器やアイテムが使えるようになるシステムのことで、初週が終了した段階でユーザーはすでに4,500万パック(5億6,800万カード)を入手しているとのこと。 この数はすべてが「購入」しているものではなく、ゲームプレイによる入手も含んでいます。

いずれにしても初週にしてものすごい数のユーザーが遊んでいる!ということでしょう。開発元の343 Industriesによれば、まずはゲームを始めた時に7,500RPが付与されます。 2ゲームプレイすれば最低でもREQパックをひとつ手に入れることができ、Warzoneゲームを遊べば2,000RPがもらえるのでSilverやGoldを手に入れるのに苦労はしないのだとか。


▼『Halo 5: Guardians』REQパック価格
・Bronzeパック:
インゲーム通貨: 1,250 RP
リアルマネー: 不可
・Silverパック:
インゲーム通貨: 5,000 RP
リアルマネー: 2ドル
・Goldパック:
インゲーム通貨: 10,000 RP
リアルマネー: 3ドル


ちなみに、Goldパックの上にPremiumパックなるものも存在していて、これはXbox One限定版『Halo 5: Guardians』バンドルに含まれています。毎週Premiumパックが2個ずつ7週間(系14個)付与されます。バンドル版購入者以外でも別途25ドルを払えばゲットできるとのこと。

このような少額課金は『Metal Gear Solid V: The Phantom Pain』や『Assassin's Creed Syndicate』などでも導入されていますが、あくまでもトリプルAタイトルでないと導入コストがリスクになる可能性もあり、逆に言えばこの機能がついている、ということはトリプルAタイトルとしての証明とも言えましょう。

シリーズを重ねると、販売数はなだらかなカーブで右肩下がりになると言われていますが、Haloシリーズは5つ目を迎えてさらに飛躍をしているようです。何もしないで、というわけではありません。上記のREQパックを十分に使える場も用意しています。マイクロソフトは2016年夏までに無料DLCマップを15個以上準備する予定です。また、年末から3月までの間、賞金100万ドル(約1億2,000万円)をかけたトーナメントイベントHalo World Championshipを企画しています(最近150万ドルにアップ)。これに向けてREQパックの売上もさらに期待できますね。

開発元の343はすでに『Halo 6』の開発に着手しているとの発表もありましたが、これだけの結果を出されると、マイクロソフトが強気発言をしていた理由がわからないでもないですね。あとは日本でもう少しプレゼンスを出していただきたいと思っています(笑)。

それでは、さらに大型タイトルが発売されていく2015年11月のレポートもお楽しみに!


■著者紹介
記野直子
カイオス株式会社 代表取締役
青山学院大学文学部卒業。日産自動車株式会社を経て、ゲーム好きが高じゲーム業界へ転身。コナミ株式会社、株式会社バンダイ、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントにてゲームソフトの海外展開、ゲームソフト発キャラクター展開などに従事。2007年よりカイオス株式会社代表。

記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》

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