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【特集】『夢キャス』のような恋愛はありえるの?現役の役者に訊いてみた

ミュージカル「テニスの王子様」をはじめ、アニメ・ゲーム・漫画のミュージカル・舞台が頻繁に行われるようになった近年。特に最近は「スタミュ」「心が叫びたがってるんだ。」といったミュージカルを題材とした映像作品も増えてきました。

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ミュージカル「テニスの王子様」をはじめ、アニメ・ゲーム・漫画のミュージカル・舞台が頻繁に行われるようになった近年。特に最近は「スタミュ」「心が叫びたがってるんだ。」といったミュージカルを題材とした映像作品も増えてきました。

またゲームでは『夢色キャスト』というスマートフォン向けアプリが9月にリリース。本作はとある劇団を舞台に、脚本家とキャストの恋愛を描いたセガの女性向けリズムADVです。同社は過去にも『サクラ大戦』や『スペースチャンネル5』といった作品を世に送り出しており、セガにとってもゲーム業界にとってもミュージカルゲームは数年ぶり。



そのゲーム内容は既にプレイレポートでお届けしていますが、本稿では趣向を変えて“現役の役者”と元舞台スタッフに「『夢色キャスト』のような恋愛はありえるのか」という話を伺ってみました。

◆役者に恋は難しい?


――では自己紹介をお願いします。

竹林:役者をやっている竹林佑介です。現在はフリーで活動していまして、最近だと10月30日から11月3日まで開催された劇団晴天の「朝をつれてこい」という作品に出演しました。

タカロク:中学時代から役者をやっていまして、大学では舞台監督を専攻していました。大学卒業後は、劇団ドドドドドドを自分で立ち上げて…メンバーがいないリアルな劇団ひとりです。劇団では演出、脚本、制作、チラシデザイン、時々役者としても舞台に立つなどなんでもやっていました。現在は休止しています。

――近年ゲーム・アニメ・漫画で舞台やミュージカルを題材にした作品が増えているんですが、何か知っている作品はありますか。

タカロク:最近だと「スタミュ」「少年ハリウッド」『夢色キャスト』とかですよね。こういうコンテンツを見ていると、やっとミュージカルが注目されるようになってきたなと感じます。海外だと昔から映画も多くてポピュラーなんですが、セリフを突然歌い出して踊るっていうのは、日本人にとって結構違和感のあることだと思うんですよ。もちろん宝塚歌劇団や劇団四季はありますが…。

でもそれが2.5次元の影響でもっと一般的になってきたなと。2.5次元はミュージカルも多くて、アニメやゲームのファンから入ってきた、舞台ファンではない層のお客さんも入ってきましたから。そういった人たちの耳が慣れてきている気がします。ゲームやアニメに取り上げられているのもそういった影響ですかね。昔は本当に友達を誘いにくかったですが…「え、ミュージカル?」みたいな。

――実際に演劇をやっている立場からして、そういった作品から何か感じたりしますか。

タカロク:昔から役者をやったり、苦労している仲間を見てきたので、アイドル系含めた芸能系の作品って純粋に楽しめないんですよね(笑)

――それはなぜでしょうか。

タカロク:実際の業界はあんなに綺麗じゃないし、努力すればどうにかなるっていう話でもないというか……もちろん努力は大切なんですが、一番重要なのはコミュニケーション能力で、いかに人の輪を広げて仕事を掴みとれるかが大切なんですよ。それを経ての表舞台なので……。

――そこの認識は同じですか。

竹林:そうですね(笑)。コミュ力は大切です。

――そういえば、ゲームやアニメのキャラってコミュ力高いですよね。

竹林:メンバーのコミュニケーションが固いほどいい作品になるので、形としては理想的だと思います。私も大切にしていますので。

――ではコミュニケーションが円滑に進まなかった経験はありますか。

竹林:そうですね…うん、あります(笑)。役を演じている時は役に成りきっているので大丈夫なんですが、稽古の時は人間関係が非常に大切で、ディスカッションをやってキャラ堀をする時に話にくくなってしまったことはあります。

タカロク:役者に関しては最初から最後まで皆つきっきりなんで。家族感と言うか、仲間感は二次元も三次元も同じだと思います。なので、そこでコミュニケーションが上手くいかないと演じるキャラクターがぎこちなかったり、役者自身がなりきれなかったりしますね。ただスタッフはその限りではなく、専属じゃない限り稽古に参加する回数は少ないです。

――ちょっと生々しい話になりますが、劇団内恋愛みたいなのは本当にあるのでしょうか。

竹林:僕は経験ないですが、やっぱり恋人同士の役だとあるみたいですね。場合によっては浮気も。

タカロク:あるよね(笑)。あと役者さんって恋愛感がズレてる人が多くて。

竹林:あー多いですね。でもそれを役に反映させたりするんですよね。

――なるほど、あることにはあるんですね。因みにアニメやゲームの作品だと、基本的にハーレム状態なので、恋愛の構図として役者×スタッフというのが多いんですが、実際にはどうでしょうか。



竹林:実はスタッフとキャストってそんなに接点がないんです。先ほどタカロクさんが話していましたが毎回スタッフさんが稽古に来るわけではなく、来ても仕事オーラ全開というか……僕らからすれば最初に見てくれるお客さんなので、緊張しますし「いいものを届けないと」と思ってしまいます。ですので、そこから恋愛に発展することは難しいです。

タカロク:役者とスタッフが一緒に作品をみっちり作り上げていくという印象があるかもしれませんが、稽古期間は主にキャストと演出家だけなんですよね。スタッフは台本をもらって、ある程度芝居ができた状態になってから見に行きます。

――でも、もしいい感じのシチュエーションになれば恋してみたくないですか。

タカロク:近年女性スタッフが増えてきているので……

竹林:そうですね、したいです!!僕の目線だとスタッフさんは怖いイメージがありまして、40代・男性・ベテランみたいな。そんな中に同年代の女の子がいて、凄くがんばっている姿を見ると「あ、かっこいいな」って。これ少し前の公演で実際にあったんですけどね(笑)。だから可能性はあります。

タカロク:女性スタッフの立場からすると絶対いやですね!竹林君は凄くいい子なんですが、基本的に皆頭おかしいから……私の周りだけかもしれませんが、常識がないというかトリッキーな方が多いんですよ。

――ではタカロクさんはどうでしょうか。『夢色キャスト』だと主人公は脚本家ですが。

タカロク:そうですね……必要と言われればほいほい入団すると思います。

――そこから恋愛には……。



タカロク:いきません!そもそも異性としてみていないというか…脚本や演出をする立場で、相手と親しいとどうしても雑念が入ってしまうので、恋愛感情はもちろんそういうのはなるべくシャットアウトしています。

――でもスマホの中だったら?

タカロク:ならいいかもしれません(笑)。まぁ正直「そんなわけねぇだろう!」と思いましたが、やはりこの夢の様な世界は二次元ならではですよね。

――ちなみに、もし竹林さんが『夢色キャスト』の攻略される側だとして、主人公が迫ってきたらいっちゃいますか。

竹林:いっちゃいますね(笑)

――つまり行く人は行くと(笑)

◆演劇で食べていけるのか


――またまた生々しい話なんですが、お給料について伺ってもいいですか。

竹林:…えっと、ほぼほぼないですね。

――ない!?



竹林:場合によってチケットノルマというのがありまして、例えば3,000円のチケットを1人30枚売ってくださいみたいな。その場合、売り切らないと収入がなく、余ってしまったら主催者にその差額を支払ったりします。またチケットの数%がバックされる場合もありますが、小劇場とかだとほぼなく、交通費も含めると赤字がほとんどです。

――じゃご飯は……

竹林:食べていけないですね。

――これは恋愛している場合じゃないですね。

竹林:だから空いた時間でバイトです。

――それはスタッフ側も同じですか。

タカロク:私も舞台監督はメインの活動ではなくお手伝い程度にやっていましたが、さすがに一銭も出ないのは辛かったので「交通費とご飯代だけでも…」ってお願いしていました。収入はほぼなかったです。ただ自分が立ち上げた劇団だと、キャストに一銭も入らないという状況は避けたかったので、チケットバックか決めた金額をどんなに赤字になっても払うようにしていました。その結果さらに負担が…でも役者とスタッフの両方やっていたので、そこはどうにかしたかったんですよね。

竹林:そもそも演劇自体が食べていけないというか……。

タカロク:本当に、ピラミッドの最上部だけ食べていけるみたいな業界です。声優さんと同じですね。

――因みに『夢色キャスト』というゲームの劇団は儲かっているんですかね。

タカロク:まず劇団自体はこういう規模の劇団も実際にあるので、現実性があるかなと。その上で考えると…きっとみんなヒモです(笑)。それか実家暮らしか。

ちょっと生々しいんですが、男性の場合だと付き合っている女性か実家がお金待ちだったりすると役者という職業上ヒモになってしまいます。バイトしなくて良いので!でも生活に余裕がないと顔にそれが出てしまって、男女共によくないんですよね。

――ということは、彼らの実家は凄くお金持ちの可能性が高いんですね。兄弟もいますし。

タカロク:そうですね、あと凄くいい服着ていますし。

――では最後に、そんな厳しいお仕事なのに続けている理由や演技の理由があればお願いします。

竹林:やはりこの仕事が凄く魅力的だからですね。演劇だと映像とは違って生身の人間の反応がリアルタイムに返ってきますので。

タカロク:私もまったく同じで、役者から裏方になって脚本を担当してきたんですが、脚本って一番お客さんの反応をもろに受ける部分でして。「今日はよく受けた!」とか「今日は思ったより受けなかったな」といった温度を感じられる部分にやりがいや魅力を感じました。

――ありがとうございました。



結論として劇団内の恋愛は「あるにはあるが、現実はそれどころではない」という結果になった今回の取材。実際にはもっとドロドロした事が舞台裏で起こっていると予想していたのですが、現実は非常に厳しく、“演じること“に本気で取り組んでいる姿勢は非常に印象深く残っています。

これは『夢色キャスト』のキャラクターたちにも同じことが言えるのかもしれません。本編では描かれていないだけで、実は彼らもどこかで葛藤しているのかも。「あぁ、きっと○○で苦労しているんだろうな」と想像の余地が膨らみます。この様なリアル視点で『夢色キャスト』を見ると、バックボーンが広がるため各キャラクターへの愛着が増し、今までとはちょっと違った気持ちでプレイすることができるかもしれません。

そして、そんなリアル視点でも楽しめるのがゲームという媒体なのです。人間関係やお金を気にせず、イケメンたちと純粋に恋愛を楽しむことができるのですから、やはり恋愛ゲームというジャンルは非常に魅力的ですね。

《編集部》
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