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【レポート】『イースII』から『東亰ザナドゥ』まで!新旧織り交ぜライブ「Falcom jdk BAND θ Live」でリアル“SPiKA”登場

80年代から現在まで変わらずゲーム音楽に力を入れ、ゲーム音楽ファンからの支持も高い、そんなファルコムが誇る公式ゲームミュージックバンド、jdk BANDが約半年振りとなる待望のライブを行った。

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80年代から現在まで変わらずゲーム音楽に力を入れ、ゲーム音楽ファンからの支持も高い、そんなファルコムが誇る公式ゲームミュージックバンド、jdk BANDが約半年振りとなる待望のライブを行った。

今回のライブは直前にリリースされた『東亰ザナドゥ』の曲や、『東亰ザナドゥ』に登場する劇中アイドルSPiKAを再現したリアル☆SPiKAのライブも行うというアナウンスもされており、その注目度の高さからチケットは早い段階でソールドアウトとなっていた。



会場入りすると、プラチナチケットを手にすることができたファンでフロアが埋め尽くされ、開演を待ちきれないといった熱気であふれていた。また、フロア内を見渡してみると、80年代からの往年のファンをちらほらと見かけるなか、かなりの割合で20代の若いファンで占められていたのも驚きだ。

近年の人気作『空の軌跡』シリーズや『閃の軌跡』シリーズ、さらに最新作『東亰ザナドゥ』など、常に時代に合わせた新作をリリースし、若いファンを取り込んでいくファルコムの戦略がこの日のライブ会場の様子にも現れていた。

◆往年の人気ナンバーでライブスタート!キーボートとバイオリンの流麗なメロディが響き渡る


時計の針が開演予定時間の18時を差すとほぼ同時に場内に大音量でSEが流れ出し、ステージの幕があがった。SEのリズムに合わせるようにヴァイオリンの水谷美月が弦を剣のように振る姿が印象的だ。SEに続いてバンドの演奏が始まると1曲目『イースII』の「TO MAKE THE END OF BATTLE」のイントロが姿を現した。ゲーム音楽ファンならほとんどの人が知っている超有名曲を2015年型のjdk BANDが優雅で流麗な演奏を展開していく。サビのメインメロディをキーボードからバイオリンへとつないでいく演奏も鳥肌モノの美しさだ。続く2曲目も深みのある秀逸なメロディで人気の高い「銀の意志」。2015年12月10日に発売が決まったPS Vita版『英雄伝説 空の軌跡SC Evolution』に先駆けてのライブ演奏を披露した。

3曲目の前奏が始まると同時にボーカルのmaimieがステージに登場。「jdk BAND θ行くぜー!」とフロアを煽り、『英雄伝説 空の軌跡』から「Maybe it was fated」を開始。ファンとの「オイ!オイ!」コールを交え、楽器隊のハードな演奏とコーラスをバックに、力強いボーカルを聴かせ、フロアのノリも一気に上昇。3曲目にしてファンも充分温まってきたようだ。

3曲演奏し終えると、この日最初のMCへ。maimieが「今日はメンバー一同めちゃめちゃ楽しみにしてたんだけど、ファンの皆も楽しみにしてくれてたかな?」と問いかけるとフロアからは大歓声でその答えをjdk BANDへ返していく。「今日は一緒に汗かいて楽しんでいきましょう!」とmaimieが続けて言うと、4曲目は『英雄伝説 閃の軌跡』から前奏のキーボードのメロディとキュートな歌メロが印象的な「明日への鼓動」へ。続いて『英雄伝説 閃の軌跡II』から疾走ロックチューンの「閃光の行方」とボーカル曲を立て続けに披露した。

◆注目のリアル☆SPiKAがライブ初登場、ゲームのなかから飛び出してきたキラキラな5人




ここで一旦jdk BANDがステージから去り、代わってリアル☆SPiKAがステージに登場。ファンから大歓声で迎えられたリアル☆SPiKAは、ゲームに登場するSPiKAの衣装も再現し、まさにゲームから飛び出してきたアイドルといったプレミアムな存在感とキラキラなオーラを発し、ファン全員を一瞬で虜にする魅力を放っていた。

「始めまして、リアル☆SPiKAでーす!」と5人揃っての挨拶に始まり、まずは自分達の活動の紹介。大阪でSO.ON projectという高校生アイドルグループで活動している彼女たちは『東亰ザナドゥ』の劇中曲で歌唱を担当。そうした活動の縁もあり、今回こうしてリアル☆SPiKAとしてステージに立つことになったのだそうだ。

メンバーの自己紹介が終わると1曲目の「恋のシューティングスター」へ。極上のアイドルポップチューンを、5人のアイドルによる生の歌唱とフォーメーションダンスを交えての披露。すでに『東亰ザナドゥ』をプレイして劇中でこの曲を聴いていたファンは感激の度合いも高かったことだろう。アイドルのコンサートさながら、ファンの振るサイリウムのカラフルな光もライブに彩りを加える。続いて2曲目にはバラードナンバーの「Wish☆Wing」へ。各メンバーのソロパートも織り交ぜ、しっとりとしたメロディをフレッシュな歌声で聴かせてくれた。

◆jdk BANDの生演奏をバックにリアル☆SPiKAが歌唱!


2曲歌い終えるとステージにjdk BANDが再登場。ステージにはリアル☆SPiKAも残ったままだが果たして──? なんと3曲目の「Seize the day」はjdk BANDをバックバンドに従えてのライブだ。SPiKAの提案で曲中にシャウトするパートをみんなで一緒にやりたいということで、練習してから本番へ突入! オケをバックに歌ったここまでの2曲とは違う、jdk BANDの作り出す熱のこもったヒューマンビートをバックに、リアル☆SPiKAの5人も負けじとパワフルに熱唱。ファンと一体になって叫ぶ悲鳴のようなコーラスもしっかりと決め、3曲ながら存在感のあるステージを見せてくれたリアル☆SPiKAだった。

リアル☆SPiKAがステージから去り、ここでヴァイオリンの水谷美月のMCタイムへ。「ゲームの舞台が東亰で、今まさに東京の真ん中にいるわけですよ。そこにリアル☆SPiKAちゃんが来てくれたということで、『東亰ザナドゥ』の世界へようこそって感じですね。」と、ゲームの世界観とリンクしたライブを再現していることを改めてファンと共に実感。続いて「実はゲームに私と同じ名前の美女が登場しているの!」と嬉しそうに報告すると、ファンからあちこちで笑い声が起こる。

「なんでそこで笑うのー?」とファンの反応に返しつつ、「生徒会長の美月ちゃんというキャラがゲームに登場していて、あんな風に美しくなりたいなと思いながらゲームをプレイしていました」と続け、『東亰ザナドゥ』の戦闘曲「Raging Rush」を披露。jdk BANDもリアル☆SPiKAのパフォーマンスに負けじとハードなインストナンバーをファンに向けて浴びせるように演奏した。

◆ライブは後半へ向けて加速!新旧織り交ぜたラインナップで魅せる


最新作『東亰ザナドゥ』からの曲を披露し終え、引き続きインストラッシュで畳み掛けるjdk BAND。『英雄伝説 空の軌跡the 3rd』から「Overdosing Heavenly bliss」。スネア連打とギターのリードフレーズが耳に残る男らしいアレンジで聴かせる1曲だ。間髪入れずに『英雄伝説 空の軌跡SC Evolution』から「雷の穿つ墓標」、とどめは往年のファンも唸らせる『イースII』から「OVER DRIVE」。高速ビートにゾクゾクくるギターとキーボードの速弾きリレーにファンのノリもどんどん大きくなってフロアは熱狂の渦と化し、その勢いでインストラッシュを締めくくった。

 ここでステージにボーカルのmaimieが再度登場し、『英雄伝説 閃の軌跡』のエンディング曲「I miss you」を披露。オリジナルは小寺可南子の歌唱だが、maimieのボーカルとライブを意識したjdk BANDのアレンジによる演奏も新鮮だ。maimieは舞台袖で待機していたそうなのだが、フロアの熱気がそこまで伝わってきていたそうだ。

そんな熱気で充満したこの日のライブもいよいよ最後の曲。ファンと曲タイトルのコールをコール&レスポンスで決め、『英雄伝説 空の軌跡SC Evolution』のオープニング曲「銀の意志 金の翼」へ。曲中盤でMaimieが「みんなも一緒に歌って!」と叫ぶとファンも一緒にボーカルパートに参加して大合唱。オープニングからここまで一気に駆け抜けてきたjdk BANDのメンバーも面々も最高の笑顔をファンに向け、ステージから去っていった。

◆アンコールは出演者全員がステージに総勢12人での圧巻のパフォーマンス!




メンバーがステージから去ると、すぐさまアンコールを求める「j・d・k!」コールが起こる。それに応えてjdk BANDメンバーがステージに再登場。さらにリアル☆SPiKAの佐坂めぐみも一緒に登場し、佐坂めぐみwith jdk BANDの編成で『英雄伝説 閃の軌跡II』のエンディング曲「I'll remember you」を披露。佐坂めぐみとmaimieそれぞれのソロパートを交えたツインボーカルを聴かせ、曲中に様々な表情を見せる見事な「I'll remember you」の演奏と歌唱を披露してくれた。

ラストは再びリアル☆SPiKAのメンバーを全員呼び込み、jdk BANDのライブ定番曲『スタートレーダー』から「GO FIGHT!」へ。ファンとバンドでの掛け合い「GO!」「FIGHT!」のコール&レスポンスがフロアに響き渡る。今日集まった、世代を超えたファン同士の一体感を作りあげ、ライブを終えた。



 リアル☆SPiKAのステージも交えた2015年型のjdk BANDのライブ。新旧のファルコム作品とjdk BANDのファン、さらに最新作『東亰ザナドゥ』で興味を持ってライブに参戦してきたであろうファン全てをまとめ上げるパフォーマンスと演奏はさすがの一言。80年代に『イース』をプレイしてファルコムのファンになった筆者も、常に進化していくjdk BANDのライブをまた観たいと思わせるのに充分なライブだった。

SET LIST
01.TO MAKE THE END OF BATTLE(イースII)
02.銀の意志(英雄伝説 空の軌跡SC Evolution)
03.Maybe it was fated(英雄伝説 空の軌跡)
04.明日への鼓動(英雄伝説 閃の軌跡)
05.閃光の行方(英雄伝説 閃の軌跡II)
06.恋のシューティングスター(東亰ザナドゥ)
07.Wish☆Wing(東亰ザナドゥ)
08.Seize the day(東亰ザナドゥ)
09.Raging Rush(東亰ザナドゥ)
10.Overdosing Heavenly bliss(英雄伝説 空の軌跡the 3rd)
11.雷の穿つ墓標(英雄伝説 空の軌跡SC Evolution)
12.OVER DRIVE(イースII)
13.I miss you(英雄伝説 閃の軌跡)
14.銀の意志 金の翼(英雄伝説 空の軌跡SC Evolution)

-ENCORE-
01.I'll remember you(英雄伝説 閃の軌跡II)
02.GO FIGHT!(スタートレーダー)

jdk BAND プロフィール
日本ファルコムの公式ゲームミュージックバンド。この日のライブでのバンド編成はmaimie(Vo.)、kosuke(G)、関口功二(G)、水谷美月(Vio.)、山崎善紀(Dr.)、gakia2(Key.)、目純一郎(B)という7人構成。往年のファルコム作品の曲から最新作の曲、そしてインストからボーカル曲まで様々な曲を演奏するライブを毎年定期的に行っている。
http://www.falcom.com/jdk/index.html
《風のイオナ(シティコネクション) Photograph by 小渕智幸》
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