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記野直子の『最新北米市場分析』2015年7月号―Xbox One後方互換やインディーに注目

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記野直子の『最新北米市場分析』2015年7月号―Xbox One後方互換やインディーに注目
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こんにちは。8月初旬にドイツケルンでgamescomが行われ、2015年の入場者数は34万5千人とのこと。China Joy(2015年は27万3千人)、東京ゲームショウ(2014年は25万1千人)と比べるとひとつ抜けてしまいましたね。まさに世界最大規模のゲームショウとなったと言えましょう。

さて、日本がお盆を迎えている間に、7月度の北米ゲーム市場データがNPDから発表されましたので報告します!

■市場全体動向:安定の新ハードと新ハード向けソフト!

市場全体でみると5億4000万ドル(約675億円)と前年比5%アップの市場となりましたが、夏休みに入った7月は6月に比べても1.7倍くらいの規模で順調に推移しています。8月はプレ年末商戦、9月からは本格的な年末商戦になるため北米の市場は年末に向けて活気づくのは間違いありません。

情報が少ないため前年比の比較しかなかなかできませんでしたが、過去のデータなどから具体的な数字を割り出しています。各月の市場規模の大きさに応じてお話ししないとハードもソフトも「その月で売れている」ことの意味が変わってきますからね。

ハードウェアは2億200万ドル(253億円)と前年比2%アップとほぼ横ばい。新ハードXbox OneとPlayStation 4は相変わらず好調で、NPDによると「発売から21カ月経った2つのハードウェアは前世代機Xbox 360/PlayStation の同期間(発売から21か月間)と比べると50%あまり売上ペースが速い」とのコメントを出しています。

前年比2%アップにしかならなかった理由としては前世代機が足を引っ張っているとのことで前年比56%ダウン。いずれにしても北米では空前の新コンソールブーム、過去最速の新規ハード移行の動きなのです。

ソフト売上はパッケージ販売だけでも前年比で大きくアップ。特に新ハード向けでは63%アップ、しかしながら旧ハード向けは39%ダウン、ハンドヘルド向けは33%ダウン。新ハードがソフト市場を引っ張っていることがよくわかりますね。

ハードが出回っているのですから年末商戦に向けてソフトウェアを販売していく土壌は整ったのです。大手ソフトウェアメーカーも安心してソフト開発にリスクをかけられる市場となったと言えるでしょう。年末の市場動向が今から気になります。

周辺機器(アクセサリー)も好調です。前年比17%アップですが、特にamiiboなどのインタラクティブフィギュアは前年比42%アップとのこと。ダウンロードによるソフト購入がさかんになりつつある北米でも、グッズは直接お店に行くか郵送してもらわないと買えないので、ゲームメーカーとリテイラーの新しい関係が成り立っている感じでいいですね!

■ハード動向: バットマンPS4バンドルが依然好調!


引き続きPlayStation 4が首位をキープしています。「Batman: Arkham Knightバンドル版のおかげもあってハードがますます売れているよ。9月15日に発売される限定版Destiny: The Taken Kingバンドル版PS4も楽しみにしていてください!」とソニーから発表がありました。

マイクロソフトからも「Xbox Oneの7月の売上は前年比44%アップ、Xbox Liveのアクティブグローバルユーザー(Xbox One/Xbox 360)は22%アップしたよ。今後、エクスクルーシブタイトル15個を準備しているし、Xbox OneにおけるXbox 360後方互換も11月に開始される。」との発表がありました。

同時にWindows 10も無事7月29日にされました。Xbox OneユーザーにとってはWindows 10でも同じゲームを共有してストリーミングで遊ぶことができます、とのこと。こちらもハードウェアとしての差別化としてどう影響してくるのか動向を見守りましょう。

新規パッケージソフトウェアとしてはもちろんPS4向けが好調なのですが、実はその次に売れているのはXbox 360向けだというのです。これは、上述した11月からのXbox Oneの後方互換開始がユーザーに広まり、ハードを買い替えても同じゲームが遊べるとわかっているので安心して新しいXbox 360ゲームソフトを買っている、とNPDは分析しています。

任天堂は、Wii Uエクスクルーシブソフト『Splatoon』の好調ぶりを発表はしているものの、Wii Uハード自体のデータは公表していません。いずれにしても、E3で発表した怒涛のラインナップ:『Star Fox Zero(スターフォックス ゼロ)』、『Super Mario Maker(スーパーマリオメーカー)』、『Yoshi's Woolly World(ヨッシー ウールワールド)』、『Animal Crossing amiibo Festival(どうぶつの森 amiiboフェスティバル)』などなどのザ・任天堂!ソフトの発売がWii Uハードの牽引をしてくれるといいのですが……。

3DSに関しては、「2015年1月~7月の7か月間のハード売上が前年2014年同時期と比べて35%程度の売上のアップが見られた」という発表がありました。あれ、ところでPS Vitaって何の発表もないんだろうか……。情報によると毎月の販売台数が旧ハードのPlayStation 3 やXbox 360にも達していないとのこと、プラットフォームとして盛り上げてくれないと…ソフト供給がなかなかできません。

しかも日本市場では結構PS Vita向けのソフトが発売されているのに、これじゃ日本から北米に持っていくこともできません。

■ソフト動向: ワーナーの勢い衰えず、トップはレゴ!


2015年7月度のソフトウェアランキングです。


1. LEGO: Jurassic World (PS3/PS4/X360/X1/Wii U/3DS/PSV) - Warner Bros. Interactive
2. Batman: Arkham Knight (PS4/XBO/PC) - Warner Bros. Interactive
3. Minecraft (PS3/PS4/X360/X1) - Microsoft/ Sony Computer Entertainment
4. Grand Theft Auto V (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Take 2/Rockstar
5. Rory McIlroy PGA Tour (PS4/XBO) - Electronic Arts
6. The Elder Scrolls Online: Tamriel Unlimited (PS4/XBO/PC) - Bethesda Softworks
7. Destiny (XBO, PS4, 360, PS3)
8. Mortal Kombat X (PS4/XBO/PC) - Warner Bros. Interactive
9. FIFA 15 (PS3/PS4/X360/X1/Wii/PSV/3DS) - Electronic Arts
10. Call of Duty: Advanced Warfare (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Activision Blizzard


またまた好調のWarner Bros.から映画IPつきで発売された『LEGO: Jurassic World』が堂々の第1位。ソフト単体での売上は確かにそうなんですが、実はPlayStation 4のバンドル版を含めると『Batman: Arkham Knight』が1位なんです!とのNPDのコメントがありました。しつこいですが…Warner Bros.強いです。

ちなみに、これだけPlayStation 4 向けソフトが好調と言われる中で、『LEGO: Jurassic World』のようなLegoシリーズだけはXbox One向けが先導しているとのこと。おもしろいデータです。

5位にマークしているEAの『Rory McIlroy PGA Tour』は それまで長い間続いていた『Tiger Woods PGA Tour』の後釜タイトル。プロゴルファーRory McIlroy は26歳の若いプレイヤーなのでまたまた長いシリーズになるかもしれませんね。NPDによると、前作『Tiger Woods PGA Tour 14』 の初月販売の70%増しで売れている!とのことです。冠(かんむり)の移行はうまく行った、ということですね。

上記のランキングからは外れてしまいましたが、任天堂の『Splatoon』は7月単体で8.5万本売り上げ、トータルで54万本を達成したとのこと、6月末現在ワールドワイドで160万本を売り上げたそうです。

一部新作がランクインしていますが、『Minecraft』、『Grand Theft Auto V』、『Call of Duty: Advanced Warfare』などの旧作ビッグタイトルがロングラン枠として長い間ランキングに存在していますが、年末商戦が始まる9月以降は新作のランクインのラッシュが見られることを楽しみにしています。

日本のタイトルがランキングされることも強く望みますが、欧米のタイトルが日本でもたくさん遊ばれることによって、相互にゲームソフトの楽しみ方を共有できる日が来ればいいなぁと思っています。

■インディーゲームマーケットのお話


コンソールのスペックが上がり切って、正規にハイスペック機向けにパッケージを開発して発売する、というトラディショナル(伝統的)な開発/発売方法を選択すると、開発費に数十億~数百億をねん出しないとなかなかリターンが望めないという状況は続いています。

中堅以下のゲームソフトウェアメーカーは、大きなパブリッシャーや投資家からの出資を受けない限りはハイリスクを伴うゲーム開発に全面的に移行できないのです。欧米ではコンソールパラダイスとはいえ、初代PlayStation時代のようなコンソール向けタイトル群のバラエティという意味では伸び悩みを否めません。

その救世主としてiOS、Androidを始めとするスマホ/タブレット向け、またはSteamなどPC向け、さらにXbox Live、PSN、ニンテンドーeショップなどコンソール向けのダウンロードコンテンツがあります。

トラディショナルなコンソールタイトルであれば、プラットフォーム側からの承認を得るのにも時間を要するため、ある意味「完璧なもの」にしてから発売する必要があったため、ある程度の時間と工数を準備する余裕が必要でした。また、一度発売したものにバグが見つかった場合は、回収してリマスターを行うなどの作業が必要でした(現在ではネットワーク上でパッチを充てることで対応することも可能になりました)。

ユーザーの反応を見ながら試行錯誤してコンテンツを良くしていくという玉成の仕方はあまり受け入れられない土壌だったのです。ただ、世はネットワーク&ダウンロード時代。ココにうまく乗って成功しているのがインディーゲームの存在でしょう。

SteamのEarly Accessで始めたコンテンツでゲーム性のチェックを行いながらユーザーの反応を見てゲームをうまくカスタマイズして正規発売。それをモバイルやPSN、Xbox Liveなどマルチに展開する方向も狙えます。ゲームコンテンツの出来がよければ、機種ごとにエクスクルーシブな内容を加えることによりさらにユーザー対する訴求ポイントをあげることもできるのです。

テキストが多くなければ多言語対応もそれほど難しくないため、それほどのリスクを伴わず全世界展開ができるようになるのです。ゲームがヒットすればそれを原資にトラディショナルなコンソールゲーム展開も夢ではないのです。たとえとして良いかどうかは別として、モバイルで爆発的にヒットした『Angry Birds』はコンソールタイトルで発売されました。

インディーが一気にメジャーになるというのも夢ではない、下剋上があり得るステキなインフラが整いました。アイデアさえあればUnityの助けを借りて、プラットフォーマーからの支援を得ることも可能です。実際にソニーもマイクロソフトもインディーサポートを行っています。ユーザーが多様なエンターテインメントを望む限りまだまだ夢のある業界!ということを伝えたくて書いてみました。

東京ゲームショウが近づいています。 今年はインディーゲームのブースも活気があるようですから盛り上がってくれることを期待して会場でお会いしましょう。それではまた来月!

記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》

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