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シーズン1総集編 日本とゲームの魅力を振り返って【オールゲームニッポン 第19回】

ゲームクリエイターで角川ゲームス代表の安田善巳氏と、ゲームアナリストの平林久和氏によるトーク番組「オールゲームニッポン」。第19回はショッキング(?)なアナウンスからです。

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シーズン1総集編 日本とゲームの魅力を振り返って【オールゲームニッポン 第19回】
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ゲームクリエイターで角川ゲームス代表の安田善巳氏と、ゲームアナリストの平林久和氏によるトーク番組「オールゲームニッポン」。第19回はショッキング(?)なアナウンスからです。



土本
 
今日は読者の皆さんとおふたりにお知らせがあります。オールゲームニッポンの掲載日を変えることにしました。来月から毎月月末の掲載になります。

安田
 
ドキッ。月末に移動ですか。サラリーマン的にいえば左遷されたみたいじゃないですか。編集長の辞令にはなんでも従いますが……。

土本
 
いやいや、滅相もない。今後は毎月、おふたりが気になるゲームをめぐる動向を広い視野から取り上げていただいて、それは日本のゲーム業界にとってどんな意味があるのか。たっぷりと語ってもらいます。左遷じゃなくてパワーアップです(笑)。

安田
 
安心しました。

平林
 
オールゲームニッポンも次のステージに行くということで。連続ドラマでいうとシーズン2と理解してもいいですか?

土本
 
はい。これからもよろしくお願いします。

平林
 
今までのシーズン1を振り返りますと、思い切っていろいろな話をさせてもらいました。大きく分けて前半では、日本神話や古事記や日本人の宗教観など。日本人が古代から現代まで引き継いでいる心の原型について探求しました。

安田
 
どれも記憶に残っていますが、僕のまわりのクリエイターたちから「おもしろい分析」と言われて評判が良かったのは……今までのどの回だと思います?

平林
 
どれでしょう?

安田
 
「色」がテーマにした第6回と第7回です。西洋のゲームと日本のゲームは色が違う。パッと見て色使いが違っているのはどうしてだろう? 日本のゲームに使われている色彩について話をしましたよね。

平林
 
あの回ですか。日本は他の国と比べて、圧倒的に色の種類が多い、という仮説を展開しましたよね。

安田
 
四季があって。海があって、山があって。国土が南北に長くて、標高差もあります。そんな日本の地形がもたらす色は豊富です。しかも、古くから染物や織物が発達していて、日本人の色彩感覚は研ぎ澄まされてきたことを述べました。山吹色(やまぶきいろ)、亜麻色(あまいろ)、萌黄色(もえぎいろ)など日本には独特な色の名前があります。

平林
 
ところで、この「他の国と比べて多い」は色だけではないですよね。言葉の種類、食べ物の種類なども日本の数は相当多い。私の好きな分野でもあるので言葉と食べ物(料理)の話を別の機会で深堀りしたいです。あとゲームビジネスと直接関係ありそうなところでは娯楽ですね。ざっくりと娯楽と言ってしまいますが、日本は娯楽の種類も多い国だと思います。

安田
 
後半になってから、話題は転じて現代の経済と経営について語りました。僕が日本興業銀行に在籍していた頃、産業金融政策にたずさわってきたこともあり「産業を興す」という視点で世の中を見る習性があります。過去に日本はどうやって産業を生み出してきたのか。これからはどんな産業を生めばいいのか。このテーマへの関心は尽きません。

平林
 
近江商人の「三方良し」(さんぽうよし)、住友家の「浮利を追わず」など。日本ではこうした言い伝えがあり、商売にも規律のようなものがありました。商人が教えを守る姿勢は、ときに「商道」と呼ばれることもあります。西洋で経営学が誕生する以前から、企業倫理のような概念が日本にはあったんですね。というわけで、縄文時代・弥生時代にさかのぼる古代を前半で、後半では一気に時代は進んで現代を語ってきましたが……な、な、なんと。今度は未来について語るイベントがあります。いよいよ来週ですね。

安田
 
おっとその話をしますか。4月24日、来週の金曜日に講演をすることになりました。一般社団法人ブロードバンド推進協議会、略称BBAという組織があります。この組織が主催するOGC(ONLINE GAME CONFERENCE)2015というイベントで、縁あってスピーカーをお引き受けしました。平林さんにはインタビュアーをつとめてもらいます。
(公式サイト:http://bba.or.jp/ogc2015/


平林
 
講演のタイトルが刺激的ですよね。

安田
 
「2030年のゲーム産業を予測するキーワード」です。莫然と未来予測するのはありきたりなので、2030年に的を絞ってみることにしました。2030年には日本の人口の3分の1近くが、65歳以上の高齢者になるそうです。この国内人口推移は「2030年問題」とも言われています。また、この頃には世界のGDPはインドが世界3位になっていて、日本は現在の3位から4位に下がっているともいわれています。先行き不透明な2030年ですが、気持ちはポジティブに。ゲーム業界で働いている人が、やりがいを感じる働く職場であり続けるための課題を提示したいですね。

平林
 
で、サブタイトルは「新しいもの好きの次世代リーダーたちが活躍する日本へ」ですね。

安田
 
オールゲームニッポン第17回で、日本人の新しいもの好き気質について触れました。ゲーム業界で働く人は安定志向ではなく、いつまでも新しいもの好きであってほしいじゃないですか。そういう人を育てるための提言もしたいですね。平林さんも好きなことを言ってください。

平林
 
私の2030年のイメージ。日本のゲーム産業は、ロボットと接近するというか、ロボットを取り入れるというか。おそらくゲームとロボットは近い将来に交わるだろうと考えています。機械工学(メカニクス、mechanics)と電子工学(エレクトロニクス、electronics)を合わせて「メカトロニクス」という和製英語があります。メカトロニクスと日本のゲームの将来像について思うところをお話したいです。


(オールゲームニッポン・シーズン1 完)
*次回は4月28日(火)配信予定です 《平林久和》
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