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【GDC 2015】『ダンガンロンパ』の魅力的なキャラクターはどうやって生まれる? 小高氏が語った「普通の手法」とは

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【GDC 2015】『ダンガンロンパ』の魅力的なキャラクターはどうやって生まれる? 小高氏が語った「普通の手法」とは
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スパイク・チュンソフトで『ダンガンロンパ』シリーズを手掛ける小高和剛氏は「My Ordinary Process for Crafting Extra-Ordinary Stories」(普通じゃない物語を作る、普通のプロセス)と題した講演を行いました。ここ数年、日本人によるセッションは激減していて、貴重な日本人クリエイターの話が聞ける機会ということもあってか、会場には多くの参加者が集まりました。



小高氏は講演に入る前に「これは愚痴なんですが、なんでVitaを買ってくれないのでしょうか?」と語りかけ、笑いを誘います。小高氏が地元のゲームショップを散策した際にも、非常に扱いは小さかったそうです。Vitaは米国では苦戦しているとはいえ『ダンガンロンパ』は米国で10万本を販売したそうで、小高氏の作品の人気の高さを伺わせます。



『ダンガンロンパ』は本編が『2』まで発売され、昨年にはスピンオフの『絶対絶望少女』も発売されたアドベンチャーゲームです。アニメや舞台化も行われ、グッズも約900点が登場するという人気のシリーズとなっています。

小高氏は本シリーズについて「魅力的なキャラクター」「期待を超えるストーリー」「ゲームメカニック」の3点に注力していると言い、特に最初の「魅力的なキャラクター作りを中心的に考えています」と話しました。「プレイヤーは物語やゲームプレイをキャラクターを通じて体験しています。だから、記憶に残るゲームには、記憶に残るキャラクターが必要だと考えて自分はゲーム作りを行っています」(小高氏)。



では、どのようなプロセスを経てキャラクターは生まれるのでしょうか? 小高氏はそのプロセスは毎回変わらず、最初に「(キャラクターの)背景」「見た目」「性格」の3つの項目で、とにかく思いつくだけのキーワードを用意するそうです。そして生まれたキーワードの組み合わせでキャラクターを作ります。小高氏は、この選択には正解は無いと言い、自分自身がそのキャラクターを愛せるかを基準にしていると述べました。

思いつくだけのキーワードを並べてみる


例えば、「格闘家」(背景)、「超パワフル」(見た目)、「ストイック」(性格)という3つのキーワードを選んだとします。ただし、これだけだとありきたりです。そうした場合には「何かを追加する方法もある」ということで、見た目に「セーラー服」を足してみましょう。これで出来たのが初代に登場した大神さくらです。



また、「ヤクザ」(背景)、「ベビーフェイス」(見た目)、「攻撃的」(性格)で出来たのが九頭龍冬彦です。



さらに、「ポップアイドル」(背景)、「普通の学生」(見た目)、「かわいらしい」「家庭的」(性格)というキーワードから生まれたのが舞園さやかです。



キーワードを組み合わせた後は「役割」を加えるそうです。これは主人公との関係性や全体の中での立ち位置を表します。小高氏は舞園さやかを例に、「こういう可愛い子とは一緒に居たい」と言い、ゲームの「ヒロイン」で、いつも一緒に居る為には「探偵の助手」という役割を与えて、さらにベタに「幼なじみ」を加えてみたとしました。

最後は「出来事」(エピソード)です。ヒロインである舞園さやかに与えられた「出来事」はなんと最初の犠牲者。しかも、誰かを殺そうとして返り討ちにあってしまった上に、その罪を主人公になすりつけようとしていたという最悪のヒロイン設定が与えられます。小高氏は「キャラクター性とギャップはあればあるほどいいと思っています。これで誰もが彼女に興味を持ちます」とコメント。

とはいえ、ただの悪女では愛されるキャラクターになりません。何か彼女を突き動かした理由が必要です。『ダンガンロンパ』は誰かを殺してバレなければ脱出できるという物語ですので、どうしても外に出たかった、それはアイドルになるという夢と仲間のためという理由が舞園さやかに与えられます。

予想外の出来事で、プレイヤーを驚かせて、それを説明するエピソードでキャラクターに深みを与えていく。小高氏はこの繰り返しでキャラクター作りを行っているそうです。一方、これをやり過ぎるとキャラクターがコマのようになってしまいます。都合の良いコマではなく、魅力的なキャラクターとユーザーに映るためには「愛のあるエピソードを考えてあげないといけません」(小高氏)。

加えて、『ダンガンロンパ』ではキャラクターの魅力を際立たせる2つのシステムがあるということです。

1つは好感度を上げるイベントです。プレイヤーは他のキャラクターとの関係性を高めようとしますが、物語の性質上、次に誰が死ぬかはプレイヤーには分かりません。せっかく仲良くなったキャラクターが死ぬという喪失感、聞きそびれた話しなどがキャラクターに深みを与えることになると小高氏は述べました。



もう1つはキャラクターが処刑される際の「おしおきムービー」です。柔らかいテイストとは対照的に恐ろしいムービーではありますが、「キャラクターの最後の見せ場」ということで、そのキャラクターに合った面白い殺し方を描いているそうです。



このように幾つかの手法が説明されましたが、小高氏は「つまりはキャラクターに対する愛が絶対的に大事」だと言います。愛があるからこそ、キャラクターやエピソードを深く書くことができ、それがユーザーにとって魅力的なものとして映るわけです。だからこそ、自分で好きになれないキャラクターを作ることは無いと小高氏は強調しました。

そして、だからこそ、作り手は様々な「好き」を持っておく必要があると言います。そうでなければ、生み出せるものの幅が限られたものになってしまいます。ゲームだけでなく、マンガやアニメ、映画など様々なエンターテイメントで「好き」を見つけて欲しい、そしてついでにVitaの事も好きになって欲しいと話し、再び会場を笑いに包みセッションは閉じられました。
《土本学》

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