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【GDC 2015】2人で作って10億円を稼いだ『クロッシーロード』のサクセスストーリー

ゲームビジネス 開発

【GDC 2015】2人で作って10億円を稼いだ『クロッシーロード』のサクセスストーリー
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昨年11月20日にiOSのApp Storeでリリースされ、瞬く間に全世界に人気が広まったアクションゲーム『クロッシーロード』。GDC 2015、2日目の午後16時30分から本作の開発者であるAndy Sum氏とMatt Hall氏が登壇し、ヒットの裏側を語りました。

年の差コンビによる『クロッシーロード』


24歳のAndy Sum氏と39歳のMatt Hall氏という、その差15歳のコンビで制作された『クロッシーロード』。両名ともオーストラリアに住み、2013年後半にとあるカンファレンスの場で出会ったようです。お世辞にも成功した開発者では無かった二人ですが、とにかく世界を熱狂させるようなゲームを作り出したいという思いで一致します。

二人が思い描いたのは当時世界的な人気を集めていた『フラッピーバード』(Flappy Bird)だったそうです。超高難易度で、挑戦し甲斐のあるゲームプレイ、良いスコアが出たら思わずシェアしてしまうソーシャル性(バイラル)。こうした『フラッピーバード』を再び、というのが物語のスタートになります。Hill氏のアイデアは「『フラッピーバード』に『フロッガー』を組み合わせたらどうだろう?」という事で、Andy氏はそのアイデアが発せられた僅か3日後にプロトタイプを作り、本格的にゲーム作りが進んでいくことになります。当時、仮称『Chicken Dash』と呼ばれたそうです。

数日で作られたというプロトタイプ。既に原型がある


オーストラリア在住ながら距離の離れていた二人はSkypeのミーティングを毎日行いながらゲーム開発を行っていったそうです。開発期間は僅か6週間。しかも、どのくらいの密度だったか? と聞かれたHill氏は「結構適当だったよね・・・」と振り返っていました。「自分と似たような人と一緒にゲームを作る事は多いけど、全く違う二人というのが良かったのかも」とHill氏は話していました。

6週間という短い時間ながら、(1)リテンション[何度も遊ばせる] (2)バイラル性[ソーシャルで拡散させる] (3)エンゲージメントループ[どんどん深みにはまる] の3つを完璧に作れば間違いないという確信の下、メリハリのある開発が行われたそうです。「悔しい、もう一度」と思わせる難易度カーブは研究を重ねたそうです。タップですぐ再挑戦できる事も大事です。特にゲームプレイ的な意味はありませんが、主人公を50人のキャラクターから選べられるようにもしました(後に課金のポイントとなる)。

Andy氏は「死んでしまっても面白いゲームにしたかった」と語りました。死んだ時の絵もユニークです。死んだ際にバナーのようにメニューが表示される「End Screen Banner System」の構築には1週間をかけたそうです。ここから、無料コイン獲得や無料ギフト、レビュー執筆依頼などがスムーズに出来る仕組みです。

ゲームオーバー時のバナーシステム


マネタイズは深く考慮されませんでした。「とにかく人気が出るゲームが作りたかったんです」(Andy氏)。ただ、『Disco Zoo』というゲームがUnity Adsのビデオ広告で成功しているのを知り、導入が決まりました。また、50のキャラクターはゲームを遊ぶと手に入るコインでガチャを引いてランダムで入手できるのですが、好みのキャラクターを購入したいユーザーの為に99セントで購入する手段を提供しました。

いよいよアップルへの申請を経て、11月20日にリリースを迎えます。ブラックフライデーの商戦期にフィーチャーされるという幸運もあり、12月5日までの2週間で約60万ドルを売り上げるヒットに。しかしこれは序章に過ぎませんでした。中毒性とバイラル性という狙いが見事に合致し、勢いは増すばかり。最も影響力のあるYouTuber、PewDiePieに取り上げられるという幸運もありました。

売り上げはいきなりスパイク
PewDiePieにも取り上げられた


年明け1月7日にはAndroid版もGoogle Playで配信開始。年末年始を挟んだこともあり、最初の90日間で、ダウンロード数は5000万を突破、なんと売り上げは1000万ドル(約12億円)を超えます。39カ国で無料ゲームの1位を獲得しましたが、広告費は一切使っておらず100%オーガニックな集客だけで実現したそうです。ちなみに売り上げの内訳は1/3がキャラクターの購入、2/3が動画広告だとのこと。

売り上げは更に伸びていった
人気のキャラクターは貯金箱のブタ


『クロッシーロード』は異例ずくめのゲームです。いま最も効果が高いと言われるインタースティシャル広告(上に覆い被されるもの)はやらず(リテンションこそ命)、販売しているキャラクターもスコアの向上には無関係です(性能に差は全くない)。とにかく、何度もタダで遊ばせて、ゲームを好きになってもらい、そこから少しの収益を上げることに特化しています。

開発者は僅か2人、そして開発期間は6週間ほど。そうして生み出されたゲームが世界で5000万を超えるダウンロードを記録し、10億円以上の収益をもたらす。インディー、スマホの醍醐味と言えるようなサクセスストーリーです。2人はF2Pの世界はまだ開拓が終わっていないとして、もっと多くの革新がもたらせることを期待していると集まった開発者に呼びかけていました。
《土本学》

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