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日系企業の進出が続くバンクーバー市でゲームの学術会議「プレススタート」が開催

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日系企業の進出が続くバンクーバー市でゲームの学術会議「プレススタート」が開催
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ブリティッシュコロンビア大学・日本研究センターが主催するゲームの学術会議「プレススタート:日本ゲームの文化・産業・イノベーション」がカナダ・バンクーバー市の同大学で2月27日・28日に実施され、約100名が参加しました。

基調講演を早稲田大学IT戦略研究所所長でビジネススクールのディレクターもつとめる根来龍之氏が務めたほか、日本からも立命館大学の渡辺修司氏が登壇。現地に進出している日系企業も参加し、多彩な角度から日本のゲームと日本文化について議論が行われました。

1908年に創設された同大学は学部生約4万人、大学院生約1万人を数え、過去に3人のカナダ首相経験者が在校し、7人のノーベル賞受賞者を輩出するという、カナダでも名門中の名門として知られています。日本研究センターでは文学や映画からマンガ・アニメなどのポップカルチャーにいたるまで、幅広く日本文化について研究中。もっともゲームに関する学部や学科は存在せず、ディレクターをつとめたクリスティーナ・ラフィン氏の専門も日本文学となっています。

しかしゲームは日本文化を研究する上で優れたサンプルであり、ラフィン氏も「ゲームが学生を夢中にさせる力」について個人的に関心があったとのこと。また過去にバンクーバーでゲームに関する会議が存在しなかったこともあり、晴れて開催されることになりました。しかしセンターとして学術的な背景も産業界とのコネクションもなかったため、準備には多大な苦労があったとのこと。領事館なども巻き込んだ、ラフィン氏の草の根的な産官学の取り組みで、実現にこぎつけました。


◆ゲームをキーワードにさまざまな分野の研究者が集結


会議は初日に学術界からの口頭発表が行われ、2日目に産業界によるパネルディスカッションが行われるという、二部構成で行われました。

基調講演では根来龍之氏が「ゲームの業態変化と未来の選択:レイヤー戦略の未来像」と題して講演。家庭用ゲーム機からスマホゲームに移行しつつある日本のゲーム産業について解説されました。根来氏は、ゲーム機が進化するにつれてサービスやネットワークなど上位レイヤーの重要度が増していることや、研究開発費の増加が各社の経営を圧迫している点を指摘。家庭用ゲームが好調な海外では状況が異なるが、日本ではスマホがゲーム機をのみこむ可能性についても示唆しました。

他にネット時代の著作権法のあり方や、Modに関する日本と西洋の考え方の違い、ジェンダー論、シリアスゲームの教育への応用なども議論されました。カナダ・アルバータ大学のゲオフリー・ロックウェル氏はファミコンの登場と、日本の伝統的な遊び文化やパチンコ産業の歴史を関連づけて論じると共に、ゲームアーカイブの重要性について訴えました。法律学が専門の松井茂記氏は日本の著作権法と動画配信の非整合性について論じ、著作権法の現状にあわせた修正の必要性を指摘しました。

パネルディスカッションでは、セガネットワークス、カプコンバンクーバー、ディー・エヌ・エー、バンダイナムコスタジオバンクーバーの4社が登壇し、「現地に進出した理由」と「日本企業と西洋企業の協業のサクセスケース」について共有されました。業界団体のDigiBCによるプレゼンテーションでは、現在カナダ全体でゲーム開発会社が329社あり、従業員数は16500人で、そのうちブリティッシュコロンビア(BC)州では142社、5700人が就労中。州内の外資系企業は21社とのことです。

このようにBC州の特徴は、税控除をはじめとした積極的な外資の誘致政策です。実際に2009年、10年と税控除がなくなった結果、外資系企業が撤退して5000人の雇用が失われたとのこと。この反省から新たにInteractive Digital Media Tax Creditという制度が発足し(当初は2015年まででしたが、現在は2018年まで延長)、誘致に貢献しているとのことでした。また進出メリットについて、優秀な人材をアメリカと比較して割安で雇用できる点や、ビザの発給のしやすさなどが強調されました。

◆日本では東京のBC州政府事務所が進出をサポート


もっともバンダイナムコスタジオバンクーバーの中山淳雄氏によると「当初は政府補助に関する基礎知識はほとんどなかった」とのこと。むしろ現地視察をはじめとした細々とした相談事にのってもらえて助かったと話していました。またセガネットワークスの亀田直樹氏は、シリコンバレーをはじめとしたサンフランシスコのベイエリアで地価が高騰し、経済活動が圧迫されていることを指摘し、バンクーバー市が第二のシリコンバレーになる可能性についても示唆しました。

また終了後、進出についてアドバイスを求めたところ、各社から社内の人間と外部のビジネスディベロップメントができる人間がセットで進出すること(クリエイター出身のプロデューサーだけでは無理)、情報を鵜呑みにせず、英語が不慣れでもいいので現地視察を行って、五感を駆使して判断すること、日本でゲームの企画を固めてから、それに適した人材を雇用すること(現地でスタッフを採用し、そこから企画を立てても上手くいかない)などが得られました。

ラフィン氏と個人的な親交があり、開催にあたって業界との接点にもなったという在バンクーバー日本国総領事館の岡田誠司総領事はカナダの特徴に「多文化共生主義」を掲げている点をあげました。中でもバンクーバー市はアジア系の移民が多く、英語以外の母国語を喋る割合が約半数にも上るといいます。また進出を想定する日本企業向けに、東京にあるBC州政府事務所がさまざまな支援を行っており、ぜひ気軽に相談して欲しいと述べていました。

またラフィン氏もカンファレンスが成功裏に終わったことを喜びつつ、大学としてゲーム研究の学術的な取り組みが存在しない点も指摘しました。今回発表した同大学の研究者もみな、ゲーム研究が本職ではないといいます。その一方で、本大会が良いきっかけになった点は間違いなく、バンクーバー市における産官学のネットワーク拡大も視野に入れつつ、ぜひ来年度も開催に尽力したいと語りました。ここから新しいシーグラフやGDCが誕生してくるかもしれません。
《小野憲史》

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