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【hideのゲーム音楽伝道記】第1回 生演奏ってすばらしい! ゲーム音楽演奏会のススメ

インサイドをご覧の皆さま、はじめまして。ライターのhideと申します。普段インサイドさんでは、ゲーム音楽演奏会のレポート記事を不定期で書いています。このたび、ゲーム音楽の連載記事『hideのゲーム音楽伝道記』を始めさせていただくことになりました。

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インサイドをご覧の皆さま、はじめまして。ライターのhideと申します。普段インサイドさんでは、ゲーム音楽演奏会のレポート記事を不定期で書いています。このたび、ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」を始めさせていただくことになりました。この連載では、毎回ゲーム音楽に関する色々な話題を取り上げて書いていきたいと思いますので、これからおつきあいいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!



僕は小さな頃からゲームが大好きで、その中でも特に、ゲームの世界を彩るために重要な存在である“ゲーム音楽”をこよなく愛しています。あまりにもゲーム音楽が好きすぎて、個人ブログにゲーム音楽のことを書くだけでは飽き足らず、書くことを仕事にしてしまったほどです。

ここ数年、プロ・アマチュアを問わず、ゲーム音楽の演奏会が開催されることが増えてきました。ゲームの音楽が、オーケストラやバンドといった生演奏で披露されるのです。昨年は日本国内だけで60件以上の演奏会が開催されており、多くの方々がゲーム音楽の生演奏を楽しんでいます。僕はこういった演奏会が大好きで、日ごろからよく足を運んでいるのですが、いや~、いいものですよ、演奏会! まだ行ったことのない方には、ぜひおすすめしたいです。

今回は僕の自己紹介も兼ねて、僕がゲーム音楽と、その演奏会にハマったきっかけについてお話ししてみたいと思います。


◆『ファイナルファンタジーVI』でゲーム音楽に目覚めた!


僕がテレビゲームに触れるきっかけになったのは、小学校1年生の時におじいちゃんに買ってもらったファミコンと『スーパーマリオブラザーズ』です。もうメッチャはまりましたね! 当時は『マリオ』を筆頭に、『がんばれゴエモン』、『ワギャンランド』、『くにおくん』シリーズといったアクションゲームを好んでプレイしていました。その時ももちろんゲーム中に流れる音楽は聴いていましたが、音楽が「大好き!」っていうほどではなく、うしろで何か楽しげな音が鳴ってる、くらいにしか思っていなかったんです。



そんな僕がゲーム音楽に目覚めたきっかけは、中学生の時に出会った『ファイナルファンタジーVI』(以下『FFVI』)です。僕はそれまでRPGを全くプレイしたことがなかったのですが、中2の時に、ゲーム好きの友人から「これ、おもしろいからやってみ!」と『FFVI』を勧められまして。で、実際にプレイしてみたんですけど、も~、ハマりましたね! ティナをはじめとした多くの個性的なキャラクターたちと、彼女たちが織りなすドラマチックな物語。そして、それを盛り上げる植松伸夫さんのメロディアスな音楽が本当に素敵でした!

『FFVI』で特に印象的なシーンを挙げると、物語の後半、ダリルの墓から飛空艇ファルコン号が飛び立ち、「仲間を求めて」が流れ出すところですね。夕焼けに照らされながら世界を駆けるファルコン号。その姿と共に奏でられる「仲間を求めて」は、まるで、暗く絶望的な世界に差し込んだ、ひとすじの希望の光のようで……心に深く刻み込まれました。『FFVI』は本当にハマりましたね。僕があまりに延々とプレイしているので、見かねた母親にスーパーファミコンのACアダプタを隠されたことも何度かありました。ま、必死にそれを探し出して、こっそりまたプレイを再開していましたが(笑)。

そんなこんなで『FFVI』にすっかり魅了された僕は、『FFVI』クリア後、他の『FF』シリーズもさかのぼってプレイしてみて、ことごとくハマり(笑)。そして他の『FF』も音楽が素晴らしいと知った僕は、『FF』のサントラCDを買いあさり、『FF』のゲームをプレイしていない時にも、CDラジカセで『FF』の音楽を好んで聴くようになりまして。ゲーム音楽の世界に少しずつハマっていきました。

さらに他のRPGにも興味を持った僕は、もちろん『ドラゴンクエスト』シリーズにも手を出しまして。ああ、これも音楽がいいなぁ……と思いつつ楽しくプレイしていたら、ある日突然「ぼうけんのしょ」が消えて絶望したりして(苦笑)。そういう洗礼を受けながらも、こちらも大いにハマりましたね。それ以降もいろんなゲームをプレイしていました。


◆「リトルジャックオーケストラ」さんとの出会い


そんな僕が、ゲーム音楽の演奏会にハマったきっかけが、関東で活動するゲーム音楽演奏団体『リトルジャックオーケストラ』さん(以下、リトルさん。公式サイトはこちら)でした。

当時僕は植松伸夫さんのファンサイトに通っておりまして、そのサイトの掲示板でリトルさんの存在を知ったんです。2009年、リトルさんが『FFVI』特集の演奏会をやります!ということで行ってみたんですが、それがもう素晴らしい演奏会で!「予兆」「ティナのテーマ」「幻獣を守れ!」「墓碑銘」「仲間を求めて」といった『FFVI』の名曲群がたくさん演奏され、さらには演奏時間20分を超える『FF』シリーズ屈指の大曲「蘇る緑」も演奏してくれて。『FFVI』に並々ならぬ思い入れを持つ僕としては、とても感激しました。演奏を聴くだけで、ゲームをプレイした時の思い出が次々に蘇ってきましたね。

そして、この演奏会で一番の目玉だったのが、『FFVI』のラストバトル曲「妖星乱舞」の四楽章すべてを、コンサートホールに設置されているパイプオルガンで演奏してしまうというものでした。本物のパイプオルガンを使って「妖星乱舞」を演奏したのは、おそらくリトルさんが日本初だと思います(スクエニさん公式の『FF』コンサートですらやっていませんでした)。あれはもう、とてもじゃないですが「すごい」などという月並みな言葉で言いあらわすことができないほどの衝撃でしたね。ホール全体を支配する、パイプオルガンの重厚かつ神聖な音色。身体の芯まで音が響き渡り、圧倒され、寒気がするくらい感動して、ただただ震えました。あの時の衝撃は今でも忘れられません。

僕はリトルさんの演奏会に心の底から感銘を受けまして。「ゲーム音楽をこんなに本気で演奏する人たちがいるなんて、すごい……!! これはぜひ皆にも知ってもらいたい!」と強く強く思って、僕の個人ブログに感想記事を書いたんです。すっごく長いのを(笑)。それ以降僕は、リトルさんはもちろん、いろんなゲーム音楽演奏団体さんやゲームメーカーさん主催の演奏会に足を運び、感想記事を書くようになりました。僕のライターとしての活動は、元をたどると、リトルさんの記事をブログに書いたことが原点だった気がします。


◆ぜひ一度、音楽の生演奏を体験してみてください!




僕が時々書いている演奏会レポート記事は、僕自身が演奏会で味わった感動を、読者の皆さんにも味わってもらいたい、ぜひ演奏会に足を運んでみてもらいたいという気持ちで書いています。それは、リトルさんの感想をブログに書いた当時も今も、ずっと変わっていません。演奏会の様子をできるだけ詳しく書けば、読者の方も行ってみたくなるかな……と思って、細かく書くことが多いんですが(なので記事が長くなりがちなのです(笑))、文字だけで演奏会の感動をお伝えするというのは限界がありますね。やっぱりあの感動は、実際に会場で体験してもらうのが一番です。

ただ、距離的な問題などで、演奏会の会場に足を運ぶことが難しい方もいらっしゃると思います。「行ってみたいけど、会場が遠くて行けない」「いつも東京や大阪ばっかりでしか開催されないんだよね…」という声を拝見すると、心苦しくなりますが……でも今後、もしチャンスがあれば、ぜひぜひ気になる演奏会に行ってみてもらいたいです。

同じ“音楽を聴く”という行為でも、CDで音楽を聴くのと、実際に人が演奏する生の音楽を味わうのは、まったく違います。CDで音楽を聴く時は主に聴覚を使って楽しみますが、演奏会は聴覚に加えて、奏者さんが演奏する様子、つまり視覚的な部分でも楽しめます。あと、音圧がグァッと身体に来たりもしますから、いわば音楽を“体感”できるんですよね。奏者の皆さんが一所懸命演奏している姿を目の当たりにすると、胸が熱くなりますよ! 楽器を演奏されない方や、普段音楽に触れる機会が少ない方でも、実際に音楽の生演奏を体感してみると、きっと何か感じるものや得られるものがあると思います。

ホールで演奏される音楽は、その一瞬だけで消えてしまう儚いものです。でも、それゆえに、かけがえのない価値があると思うんですよね。ゲーム音楽は、長時間繰り返し聴くことが多いので(特にRPGの音楽がそうですね)、プレイヤーの思い入れも大きくなる場合が多いです。そういうゲーム音楽を愛する人たちが演奏会の会場に集まり、同じ作品を好きな人たちと、その時、その場所でしか演奏されない音楽を共に味わう。それは、ひとつの体験として、とても素敵で素晴らしいものですよ。


◆“人に会える”のも、大きな楽しみ。


そうそう、ゲーム音楽演奏会って、もうひとつ大きな楽しみがあるんですよ。それは“人に会える”ということです。僕は演奏会後に、ゲーム音楽好きの友人と飲みに行って感想を語りあったり、他愛のないゲーム話をすることが多いのですが、ある意味演奏会本編より楽しいくらいで!(笑) 好きなゲームについて心ゆくまで語り合うのって、すっごく楽しいですよ! 普段の生活の中で、身の回りにゲームの話ができる人ってそんなにいないんですけど、こういう場では心ゆくまでゲームの話ができます。もっともっと、いろんなゲーム好きの人にお会いしてみたいですね。ゲーム音楽演奏会の開催情報は「2083WEB」さん(http://www.2083.jp/)でまとめられていますので、ぜひ情報をチェックしていただいて、気になる演奏会があれば足を運んでみてください!

僕はゲーム音楽で人生が変わりました。もともと僕はごく普通のサラリーマンだったのですが、ゲーム音楽好きが高じて、いつの間にか書くことを生業にするようになっていて。好きなことをトコトン追いかけていたら、こうなっていました(笑)。僕自身、「自分はこんなにゲーム音楽が好きだったのか」とビックリするくらいです。でも、こんなに熱中できる大好きなものに出会えたのは、とても幸せなことだと思っています。これからも微力ながら、ゲームとゲーム音楽の楽しさを、ひとりでも多くの人にお伝えしていければと思います。ゲームと共に、ゲーム音楽を楽しむ人がひとりでも増えたら嬉しいですね。

……というわけで、お送りしてきました「hideのゲーム音楽伝道記」第1回、いかがでしたでしょうか。ちと堅いですかね? 初回なので、まだ少し手探りなんです(笑)。でもまあ、次回以降もこんな感じでわりとまったり書いていきたいと思っています。おすすめのゲーム音楽などもこれから色々ご紹介していきたいですね。ではでは、また次回お会いしましょう。レッツエンジョイ!ゲーム音楽ッ!


【筆者プロフィール】
 hide / 永芳 英敬

ゲーム音楽ライター&ブロガー。
ゲーム音楽作曲家インタビュー記事、ゲーム音楽演奏会レポート記事など、主にゲーム音楽関係の記事を執筆。コツコツ集めたゲーム音楽のサントラは約350枚。『MOTHER2』について語りだしたら止まらない。

[Twitter] @hide_gm
[ブログ] Gamemusic Garden
《hide/永芳英敬》
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