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プロデューサーに聞いた『FIFA ワールドクラスサッカー2015』の魅力

エレクトロニック・アーツの『FIFA』シリーズといえば、世界で毎作1000万本以上のセールスを記録する人気サッカーゲーム。そんな『FIFA』の日本独自展開として、EAジャパンモバイルスタジオで制作されているのが『EA SPORTS FIFA ワールドクラスサッカー2015』です。

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エレクトロニック・アーツの『FIFA』シリーズといえば、世界で毎作1000万本以上のセールスを記録する人気サッカーゲーム。そんな『FIFA』の日本独自展開として、EAジャパンモバイルスタジオで制作されているのが『EA SPORTS FIFA ワールドクラスサッカー2015』です。

現在iOS/Androidで提供されている本作ですが、先日行われたアップデートで様々な機能が追加され、タイトルもと改称されました。その名の通り「ワールドカップ仕様」から通常の『FIFA』シリーズと同じく「クラブ仕様」に大きく様変わりしたことは記憶に新しいと思います。

ゲームのアップデート内容はもちろん、日本独自展開の理由や、今後の展望、コンシューマーとの連動について、ジェネラルマネージャーの牧田和也氏、クリエイティブディレクターの江田大輝氏に詳しく伺いました。

――改めてモバイルの展開についてエレクロニック・アーツ(以下EA)の戦略を教えて下さい。

牧田和也氏(以下、牧田):EAとしてはアジアの市場を大変魅力的に感じていて、特にアプリのマーケットとしても非常に重要な地域であると認識しています。日本は世界の中でもトップクラスの売上規模ですが、我々がワールドワイドで展開しているタイトルをそのまま日本に持ってきても、市場の特性や遊び方が異なるので、“日本人”が“日本”向けに作らないといけないだろうということになりました。そこで2年ほど前に日本のスタジオ(EAジャパンモバイルスタジオ)を設立しました。

このスタジオでメインに展開しているのがワールドカップ向けに制作した『EA SPORTS 2014 FIFA WORLD CUP BRAZIL ワールドクラスサッカー』です。今回の大型アップデートで欧州5大リーグ((英・伊・独・仏・西))を収録したクラブモードを実装しました。

――ワールドカップ版としてリリースした作品をクラブ仕様に変更するというのは大変だったのではないでしょうか?

牧田:そうですね。ワールドカップ版として遊んで頂いた資産をどうするかという問題もありましたし、ワールドカップモードとして遊ぶ場合とクラブモードとして遊ぶ場合とでは遊び方が異なるという点も課題でした。特にクラブモードは1年間のシーズンを通してプレイするものなので、ゲームデザインはしっかり考えていかねばなりませんでした。

――仕様の変更で1番大きなところはどこになるのでしょうか。

江田大輝氏(以下、江田):大きな変更としては、選手の「トレーニングモード」を実装したところになります。今まではレアリティの低い選手は相応の活躍しかできなかったのですが、「トレーニングモード」を実装したことで、どんな選手でもアップグレードすることができるようになりました。なので、自分の好きな選手でチームを組むことができます。今回のアップデートでは、自分の好きな選手・チームを育成して、5大リーグを監督として制覇することを遊びの中心としています。

――ワールドカップ版よりも遊びの幅が広がっていると。

江田:そうですね。選手のポテンシャルだけで試合の勝敗が決まるだけではなく、自分で組んだ戦術も試合結果に影響を与えます。戦い方のアレンジもゲームの新たな面白さを生み出しています。

――先ほど仰っていた“日本人向け”のモバイルゲームを作るうえで重要なポイントはどこでしょうか?

牧田:良い質問ですね。欧米との違いでいうと、RPGの歴史が長いのか、長期にわたってじっくり遊ぶ方が多いんです。育成の仕様もそうなんですが、毎日毎日繰り返し能力を上げていくシステムが好まれる傾向にあります。一方で海外のユーザーはざっくりしていて、選手を育成するよりも、能力値の高い選手をすぐに手に入れたがる(課金、トレードなどを好む)ユーザーが多いですね。

基本的に日本のユーザーと海外のユーザーはゲームに対する時間のかけ方と向き合い方が全然違います。なので、海外仕様をそのまま日本に持ち込んでも難しいんですね。あとは、通勤形態の違いもありまして、日本では基本的に電車通勤が主ですので、ワールドワイドで展開している横向きのUIではなく、縦向きで吊り革につかまっていても操作できるUIにしています。生活環境の違いもしっかりと考慮しなければいけないと思いますね。

――カルチャライズという感じでしょうか?

牧田:確かにそういうとらえ方もできると思いますが、本作は海外では展開していないので、日本市場にチューニングした新規タイトルということになりますね。

――そういった日本向けのポイントはユーザーさんにどのように評価されているのでしょうか?

牧田:よく「これEAっぽくないよね」というコメントは聞きますね。本作はとにかく誰でも遊べる作品にしたくて、とにかくユーザビリティを高めるために、何度も何度も改良を重ねてきました。リリース当時、「すごく遊びやすい」というコメントを頂けた時は嬉しかったです。

――開発にあたりマイルストーンにしたゲームなどはありますか?

牧田:特にはないですね。我々が考えた日本市場で成功するフォーミュラ(公式)にあわせて落とし込んでいったら、このようなゲームになったという感じです。もちろん様々なタイトルを遊んで勉強はしています。

――ちょっとゲームの内容からは逸れます、ワールドカップの盛り上がりには上手く乗れたという評価でしょうか?

牧田:ワールドカップ終了直後には、おかげさまで120万DLを突破しました。有名選手にフォーカスした施策なども好評でしたので、良いスタートが切れたと思います。

――コンソール版との連動などは予定しているのでしょうか?

牧田:私はずっと『FIFA』シリーズに携わってきましたが、やはりそれぞれのユーザーは遊び方が異なるんですね。コンソール版のユーザーはソファに座って、コントローラーを握って、選手を動かしながら大画面でプレイする。一方でモバイルのユーザーはTVよりも小さな画面で遊ぶことを強いられるわけで、全く同じ遊びを提供することが難しいんです。なので、遊び方が違う2つのゲームを無理矢理連動させるよりも、それぞれがより面白く遊んでもらえるような環境をつくろうという結論になりました。今すぐにゲームとして何かを連動させるということはないですね。

――なるほど。EAの狙いとしては、モバイルのユーザーをコンソールに誘導したいのか、それともモバイル版を大きくして市場を取りに行くのか、どちらを目指していくのでしょう?

牧田:まずはEAブランド、『FIFA』ブランドの認知を高めることが最優先だと思います。そうすることでモバイルのユーザーさんも店頭などで、『FIFA』を見て「これ知ってる」という流れが作れますからね。ただし、遊びという面ではモバイルはモバイルで楽しんで頂きたいですし、コンソール版についても非常にチャレンジングな取り組みをしているので、毎作遊んで頂けるものを提供していきたいと考えいています。

――両軸で攻めていくと。

牧田:そうですね。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

牧田:EAとしては日本発かつ日本人目線で、日本のみなさんに楽しんで頂けるような作品を提供していきたいと思っています。まだまだこれからだと思いますが、ぜひ遊んで頂いてたくさんのフィードバックを頂けると嬉しいです。

江田:『FIFA』タイトルとして毎シーズン、新しい選手を追加したり、遊びを加えたりしながらサービスを提供していきたいと考えています。今回のアップデートも、これをきっかけにして、新規のアップデートをドンドンかけていこうと思います。ユーザーさんに長期に遊んで頂けるようなゲームにしていきたいです。

――本日はありがとうございました!
《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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