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ゲーム会社の就職に求められるポートフォリオとは?現役クリエイターが学生に指導

ゲームビジネス 人材

右近氏の一点型ポートフォリオ
  • 右近氏の一点型ポートフォリオ
  • ステージイベント全景
  • インティ・クリエイツの伊藤良太氏(左)と大西智和氏(右)
  • 大西氏の企画書
  • 大西氏の企画書
  • 大西氏の企画書
  • 大西氏の企画書
  • 大西氏の企画書
デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA2014で中部ゲーム産学協議会(GAIRA)は12月7日、ステージイベント「GAIRAによるゲーム会社のポートフォリオ技術の公開」を実施。インティ・クリエイツ、サン電子、ドラスの三社でベテランと若手がセットで登壇し、学生時代に作成したポートフォリオの紹介を通して、自分の就職活動を振り返りました。ゲーム業界志望の学生からも熱い質問が続きました。



GAIRA(Game Academics & Industries Relationship Association)は中部地区の教育機関とゲーム会社による業界団体です。中部のデジタル産業振興のために、イベントや講演会、研究会、コンテスト、インターンシップなどを開催しています。理事に大学・専門学校・企業の代表クラスが名を連ねており、デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA2014でも実行委員会の一翼を担っています。

◆プランナー向けポートフォリオとは? インティ・クリエイツ




はじめに登壇したインティ・クリエイツでは、新人プランナーの大西智和氏が在学中に作成した企画書を紹介し、チーフディレクターの伊藤良太氏が講評しました。大西氏の作品は重力の向きを変えて進んでいく3Dアクションゲームで、大量の敵が出現しても重力の向きを変えれば、まとめて落下させられます。木箱やドラム缶などのアイテムもあり、落下させて壊せば回復アイテムをゲットしたり、敵を攻撃できます。



伊藤氏は見出しやキャッチコピーが適切に使用されており、ゲームメカニズムがわかりやすく伝わってくる点を評価しました。グラフィックは稚拙で世界観の紹介なども最小限ですが、「何を遊ばせたいか」が良く伝わってくるというわけです。また重力という点で『GRAVITY DAZE』を連想する人がいるかもしれないが、この企画書の方が早かったとフォロー。そのうえで「操作方法の記載があれば良かった」と補足しました。



また、この企画書は専門学校のグループ制作で作成されたもので、実際に展示会でゲームを遊ぶことができた点も大きかったと伊藤氏は説明しました。その時の印象が残っていたため、応募書類の中から目がとまりやすかったのです。伊藤氏は企画書もさることながら、それを活かす取り組みも重要だとして、「なるべく外部のイベントや勉強会などに出席して、企業の人と話す機会を増やすと良い」とアドバイスしていました。

◆アーティスト向けの二つの例 サン電子




サン電子ではナイトメアプロジェクトでリーダーをつとめる清水薫樹氏が登壇し、アーティスト向けに二つのポートフォリオを紹介しました。はじめのポートフォリオはキャラクターのイラストだけが掲載されたもので、BLプロジェクトでキャラクターデザイナーの右近佳歩氏が学生時代に作成したもの。清水氏は「キャラクターデザインがやりたいという、一点突破型のポートフォリオ」だと説明しました。




もう一つはキャラクターのイラストに加えて、鳥や自動車、デッサン、デフォルメキャラクター、背景、アニメーションのパターン絵など、さまざまな要素を盛り込んだもの。清水氏は「自分の出来ることをすべて詰め込んだ、総花的な内容」だと説明します。そして一芸型と万能型のどちらが良いかは人それぞれで、ポートフォリオに正解はないと解説。「自分を売り込むためのツールという意味を、改めて考えて欲しい」としました。



また右近氏は「立ち絵だけなら良くてもパースがつくとデッサンが狂いがちなので、さまざまな角度からキャラクターが描ける人は強い」と分析。自分のポートフォリオも「デッサンが甘いので恥ずかしい」とふりかえりました。清水氏も「メカものは簡単だが、人物を描くのは難しい」と指摘し、デッサンの重要性を強調。多くの企業はさまざまな方向性のアーティストを求めており、ヒット作の傾向に捕らわれすぎないことが大切だと語っていました。

◆人物を見せる究極のポートフォリオ ドラス




最後に登壇したドラスでは、技術開発部で統括部長をつとめる瀬谷辰宇氏が「正直、学生のソースコードを全部チェックするのはしんどい」と発言。自身の技術力を証明するもの(デモ、ポートフォリオなど)もさることながら、それ以外の要素もセットで提出することが重要だと説明しました。「多くの企業は学生にそこまで技術力を求めていません。それよりも日常業務が的確にこなせるか。そして業務を通して、成長していけるかを求めています」(瀬谷氏)

そこで紹介されたのが新人プログラマの森田崚太氏です。森田氏はGAIRAの学生委員としてさまざまなイベントにスタッフ参加したり、勉強会やGameJamに参加したりと、アクティブな活動を続けていました。そんな森田氏を見て瀬谷氏は「ちょっと線が細くて続けていけるのか心配だったが、周りを引き込んで物事をやりとげる力がある」と評価し、採用につながりました。

瀬谷氏は「プログラマーは最終的に企画をまとめつつ、大量のデータを管理して、形にしていく仕事」だと説明します。そのためにはプログラムのスキルもさることながら、進行管理やチームをまとめていく力が欠かせません。その意味ではイベントの運営も同じだというわけです。そして彼の仕事ぶりを見ていたため、ソースコードを精査しようという気持ちになれたとも言います。これが「それ以外の要素」の一例というわけです。

もっともイベント参加は、決して就職の近道というわけではありません。森田氏も「就職のこと考えるとイベントも楽しめなくなる。企業の人にも『自分が楽しんでいる姿』を見てもらわなければ意味がない。楽しいことをやりましょう」とアピール。瀬谷氏も「就職は始まりにすぎません。その後を楽しめるように、学生生活を楽しみましょう」と締めくくりました。

このほかGAIRAブースではポートフォリオの相談会や、GameJamイベントなどで制作したゲームのデモ展示、参加企業のムービー紹介などを実施。ゲーム業界を志望する多くの学生で賑わっていました。
《小野憲史》

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