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カナダゲーム市場の現状とビジネスチャンスを探る・・・「第二回 日本・カナダ ゲームサミット」

ゲームビジネス 市場

日米4社によるパネルディスカッション
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  • AppAnnieによる最新モバイル市場データ
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  • バンクーバーに進出したバンダイナムコの取り組み
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「第二回 日本・カナダ ゲームサミット」が2014年12月1日にカナダ大使館で開催され、パネルディスカッションではゲームジャーナリストの新清士氏によるモデレートで、北米ゲームアプリ市場の現状と、日本企業がどのように対処していくべきかが議論されました。パネリストにはアップアニージャパンの滝澤琢人氏、バンダイナムコスタジオバンクーバーの斎藤直宏氏、デジカのジャック・モモセ氏、ワーカービーの小川ひろし氏が参加しました。

はじめに滝澤氏は2014年10月現在の調査データをもとに、アプリ市場の現状をまとめました。ダウンロード数ではアメリカ、ブラジル、ロシア、中国が上位4カ国であるのに対して、課金額では日本、アメリカ、韓国、中国と順位の違いを紹介(中国はApp Storeのみ)。特にGoogle Play市場における日本の存在感を強調しました。また日本と英語圏4カ国(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア)の市場を比較し、ダウンロード数では6倍の開きがあるが、課金額ではほぼ同額であることを指摘。英語圏市場だけで、大きな伸びしろがあると分析しました。

続いてバンダイナムコスタジオの斎藤氏は、2013年3月に設立されたバンクーバースタジオの取り組みについて紹介しました。同スタジオでは海外市場をにらんだモバイルコンテンツの開発や技術研究を、地域の大学群と連携して行っています。斎藤氏はカナダ進出では税制面での優遇措置などが注目されるが、同社にとっては副次的なメリットにすぎないと指摘。それよりも欧米文化で育った現地のクリエイターの開発力と、日本の課金・運営ノウハウの融合が狙いだといいます。実際に同社はバンクーバー市内にあるデジタルメディア教育のための専門大学院「Center for Digital Media」の敷地内にスタジオを設置。企業がクライアントとなって学生チームに仕事を発注する形で、ゲームアプリやサービスの開発を行っているそうです。

一方、北米市場では日本と異なり、PCゲームのデジタル流通プラットフォーム「Steam」の存在感が大きい点も特徴です。日本でも昨年夏からゲームの価格が円表示に対応し、国産インディーズゲームのセールも実施されました。Steamの日本展開を担当しているデジカのモモセ氏は「Steamがゲームを円ベースで決済しはじめたことで、日本のインディゲーム開発者にとって大きなプラットフォームとなった」とアピール。日本はもっとも急速にユーザーが拡大しており、重要な市場だと語りました。

最後にワーカービーの小川氏は海外アプリを日本向けにローカライズして配信する秘訣について説明しました。同社は2005年から海外モバイルゲームの日本向けローカライズと共同開発を行っており、これまで40タイトル強を配信しています。11月にモントリオールで開催されたゲーム開発者会議兼商談会の「MIGS」にも参加し、大使館のサポートなどで多くの企業と商談ができたと語りました。もっとも、会場ではPCやコンソール向けに開発を行っているゲーム会社が多く、日本との温度差を感じたそうです。現在はヨーロッパ中心でカナダ企業との取引はないものの、これから協業を進めていきたいと話しました。

◆世界的なアプリ市場の拡大とF2Pモデルの浸透

その後のディスカッションでは、新氏の質問に対してパネリストが回答する形で、各々の専門知識や経験に紐付いた、より深い議論が行われました。はじめに「すでにアメリカでも開発を進めている中で、なぜカナダに進出したのか」と尋ねられた斎藤氏は、「産学官連携による新しい開発スタイルに挑戦したかったから」とコメント。学生作品を見るとダークファンタジー的な企画が多く、日本と北米での文化の差を実感したと話しました。また4つの大学と協業することで、学生向けにユーザーテストを行って、開発に組み込めたのは新鮮だったと補足しました。

続いて海外ユーザーのアプリ内課金に対する意識の変化について尋ねられた滝澤氏は、F2P市場が世界的に伸びており、ゲーム中に課金することの敷居がずいぶん下がってきていると回答しました。またユーザーが新しいエンタテインメントやゲーム体験を積極的に求めており、新しいスタイルのゲームで、言語に依存しないものが世界的なヒットを飛ばす可能性があると分析。競合は非常に多いが、市場自体も成長しているため、新規参入の余地はまだ残されていると指摘しました。ただしその一方で、二番煎じのゲームでは埋没してしまうと釘を刺しました。

このようにF2Pゲームが主流のアプリ市場に対して、Steamではダウンロード販売がしっかり確立されている点が特徴です。価格帯の違いに対して質問されたモモセ氏は、「スマホで隙間時間に遊ぶゲームと、PCでガッツリと遊ぶゲームでは、ユーザーのゲーム体験が異なる」と分析し、最初に数十ドルを払って濃密なゲーム体験を求めるコアユーザーも、決して少なくないと語りました。その一方でSteamでもカジュアルゲームの人気が高いことや、ヤギが主人公の箱庭アクションゲーム『ゴートシミュレーター』が大ヒットした事例をあげ、インディゲームでも大成功する余地が残されているとコメントしました。

海外アプリの選定規準について質問された小川氏は、「ミッドコアユーザーを対象とした、斬新な内容のインディゲームを求めているが、マネタイズの方式が異なる点がネック」だとコメント。またカジノゲームのように、海外では大ヒットしているタイトルでも、日本ではほとんど人気が出ないジャンルもあるため、注意が必要だと補足しました。ちなみに同社では現在、フィンランドのインディゲームスタジオと協業し、同社のゲームを日本向けにローカライズして配信しているが、先方の会社規模は二名だとのこと。これからも良質なインディゲームを世界中で発掘し、日本に紹介していきたいと語りました。

◆カナダ大使館も積極的にアピール

このほかセミナーでは駐日カナダ大使のマッケンジー・クラグストン氏による挨拶や、W2インベストメント社でマーケティングパートナーをつとめるマーク・アルール氏のモバイルゲーム市場に関する講演、ケベック州・オンタリオ州・ブリティッシュコロンビア州の代表による現地の紹介、日本でも知名度の高い現地企業3社(オーディオキネティック、エンザイム、サイド・エフェクト)のプレゼンテーションなどもありました。

アルール氏はこれまでゲーム業界のスタートアップは、シリコンバレーを中心にアメリカで起業して資金調達を行う例が多かったが、近年ではカナダへの逆流現象が見られると指摘。その理由として「資本調達」「政府からのインセンティブ」「人材が豊富で、産官学によるエコシステムが強固」「人件費がアメリカより安い」という4点を上げました。近年ではスマホ大手のgumiがバンクーバーにスタジオを構えるなど、法人企業の進出も着々と増加しています。

カナダ大使館のオノヅカアキコ氏も、ソニー・ピクチャーズ・イメージワークスによるVFX拠点のバンクーバーへの移行などに触れつつ、カナダはビジネスをするのに最適な国と説明。バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州で17.5%、『赤毛のアン』で有名なプリンスエドワード島州では50%にも及ぶ優遇税制などに触れつつ、日本企業に対して投資を呼びかけていました。
《小野憲史》

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