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高校・大学ソフトウェアコンテスト「あいちゃれ 2014」、都立高2年の佐藤怜さんが最優秀賞・・・インサイド賞も

立命館大学主催「あいちゃれ 2014」全国高校・大学ソフトウェア創作コンテストの入賞作品の最終選考と表彰式が22日、開催された。高校生の部の最優秀賞には、東京都の豊島高校2年生 佐藤怜君が応募した「ReaLet-Manu」が選ばれた。

ゲームビジネス 人材
大会実行院長 仲谷善雄教授(立命館大学 情報理工学部長)
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  • あいちゃれ2014 高校生の部
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 立命館大学主催の全国高校・大学ソフトウェア創作コンテスト(ICT Challenge+R)「あいちゃれ 2014」の入賞作品の最終選考と表彰式が11月22日、同大学びわこ・くさつキャンパスにて開催された。高校生の部の最優秀賞には、東京都の都立豊島高校2年生 佐藤怜さんの「ReaLet-Manu」が選ばれた。

 「あいちゃれ」は全国の高校生、大学生から創作プログラムを募集して、優秀な作品や取組みを表彰するとともに、若手人材の育成・発掘するという役割も持つ。あいちゃれには多くのIT系企業も協賛しており、各企業の名前を冠した協賛企業賞も設けられている。協賛企業賞では、賞金のほか、副賞として自社製品やエンジニアとの交流会、活動支援などが用意された。

 高校生の部で最優秀賞に選ばれた「ReaLet-Manu」は、原稿用紙に印字された文字を読み取るOCRソフトウェアだ。開発者の佐藤さんによれば、OCRの技術にはいまだ決定版といえるものがなく、たとえば原稿用紙を読み取るソフトや機械はなかったという。これが開発動機にもなった。

 ReaLet-Manuは、登録された文字パターンのデータと読み取ったデータの重なり具合で文字を判定するが、比較アルゴリズムだけでなく、書体ごとに読み取りパターンと文字を対応させた「プロジェクト」を作成し、判定アルゴリズムを補強する。書体ごとにプロジェクトを設定するため、たとえば、文字以外の特殊記号や「線文字」のOCRにもできるという。また、Webサービスとして利用できるのも特徴だ。

 現状では活字なら95%程度の認識率だそうだが、手書き文字への対応がまだだといい、今後は手書き文字対応、つながった文字の分離識別など技術改良を加えたいとした。

 なお、最終選考会では、ファイナリストたちの7作品のプレゼンテーションがステージで行われ、6作品のブース展示が行われた。ステージでのプレゼンテーションは、ファイナリストの中でも優秀な作品が選ばれるが、ブース展示は、審査員らに対してマンツーマンでデモや説明を行うことができるため、ブース展示作品も優秀賞や協賛企業賞を受賞していた。

 ファイナリストの作品名と受賞内容は以下のとおり。

◆高校生の部:ステージ発表(受賞)
1 Tank Wars 甲陽学院高等学校 藤田正悟(ユニティ賞)
2 Space Running 川口工業高校 上條将太(優秀賞、サイバーエージェント賞)
3 ReaLet-Manu 都立豊島高校 佐藤玲(最優秀賞、ワークスアプリケーションズ賞、manaba賞、滋賀県知事賞)
4 INARI Static site generator for weblog クラーク記念国際高校 藤原慎太郎(サイボウズ賞、メンバー賞)
5 Sound Divide 大阪電気通信大学高校 南艸優一郎(インサイド賞、ニフティ賞、マイクロソフト賞)
6 BirdAttack ver1.10 渋谷教育学園渋谷高校 川村地平(優秀賞)
7 一霊四魂 精華学園高校 川上敦規(優秀賞)

◆高校生の部:ブース発表(受賞)
H01 突撃部隊丸ロボ―マウスひとつで敵を討て― 舞鶴工業高校 藤原由貴(奨励賞)
H02 NineNine 渋谷教育学園渋谷高校 齋藤主裕(奨励賞)
H03 蒼天―ソウテン― 滋賀県立水口東高校 川岸大起(奨励賞)
H04 DVJsystem St. Joseph High School of Hilo 廣田大地(優秀賞、ヤジュ賞)
H05 Qeem 啓明学園高校 村上貴人(ブラザー賞)
H06 labyrinth 神奈川県立川崎工科高校 平井智己・小林優太・鈴木隼斗(奨励賞)

 高校生の部は、全体としてゲーム系のプログラムが多いが、純粋にアルゴリズムとエンジニアリングの課題に挑戦したReaLet-Manuは、多くの審査員をうならせ最優秀賞と複数の企業賞の受賞となった。また、視覚障害者も健常者と同等に遊べるゲームとして「Sound Divide」の評価も高く、マイクロソフトは「ぜひこのようなソフトウェアをグローバルに展開してほしいと」賞賛していた。

あいちゃれ 2014、都立高2年の佐藤怜さんが最優秀賞…多くの審査員が賞賛

《中尾真二》
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