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記野直子の『北米ゲーム市場分析』2014年10月号―発売1周年を迎えたPS4とXbox One

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こんにちは。2014年も残り2か月を切りました。北米では、ハロウィンに始まり、サンクスギビング、クリスマスへと続く大きなホリデーシーズンの真最中です。今月でPS4とXbox Oneは北米での発売から1年が経ちました。

それでは、10月の北米セールスデータの速報を報告します。

■市場全体動向―9月よりも市場規模が縮小

10月の北米の市場規模総額は前年比ほぼ横ばいマイナス1%とのこと、昨年の売上データから推測して約7億9千万ドル(約915億円)の規模でした。10月は本来年末商戦のアツい時期であるにも関わらず、9月よりも市場規模が縮小しています。

ハードウェア売上に注目すると、前年の1億7,170万ドル(約200億円)から59%アップの2億7,350万ドル(約317億円)。ただし、9月に売り上げた4億3,270万ドル(約460億円)はこちらも上回れていません。

ソフトは前年4億8,260万ドル(約560億円)から3億5,030万ドル(約400億円)へ27%ダウン。こちらも前月の4億8,120万ドル(約558億円)と比較しても縮小がみられます。詳しくはソフトのところで解説します。

■ハード動向―PS4ブッチ切り、でもマイクロソフトのキャンペーンはすごいぞ!

10月もPS4がXbox Oneを押さえて売上ナンバーワンハードにおさまりました。発売から続くPS4優位と100万台以上のインストールベースの差を考えると、そろそろPS4が「ブッチ切りです」と言いたいところです。

一方マイクロソフトは先月末に「11月2日からXbox Oneの値段を50ドル下げます!」と発表しました。これにより、Kinectナシで350ドル、Kinectバンドルで450ドルということになります。ただし、これはホリデーシーズン限定でかつ米国のみのキャンペーン。このホリデーシーズンの間にXbox OneがどれだけPS4に食い下がっていけるか、またまたドラマチックな演出が北米では準備されていましたね!


10月を終えてPS4/Xbox One両プラットフォームは発売1周年を迎えたことになります。NPDによると、PS4/Xbox Oneのローンチ後一年間の売上はPS3/Xbox 360が発売後1年間の売上を70%も上回るものだったようです。上記Xbox Oneの施策もそうですし、PS4のイケてる感を考えると11月、12月の年末商戦後半も引き続き期待できそうです。

ひとつだけ気がかりはWii U。10月単月で7万台弱の売上との報告、ソフトが続々と出てきているのですが、月当たり6ケタの台数を売り続けているPS4、Xbox Oneとは売上台数のケタが違います。

■ソフト動向―国産の『スマブラ』や『サイコブレイク』がTOP3に

ソフト売上は前年比27%ダウンとのこと、北米もマーケットが縮小しているのか?と思ってしまいがちですが、NPDのデータにはオンライン購入のデータは含まれていませんから、これだけを見て「北米市場縮小か?」と判断するのはあまりにせっかちでしょう。

ソフトをオンラインで購入する際に使用するいわゆる「プリペイドカード」が10月には過去最高の売上を記録したとのニュースを見ると、北米ではゲームをパッケージではなくダウンロードで買うのが「普通」になっているようです。実際に北米のパブリッシャーも、DLCのみならずフルゲームダウンロードの売上が飛躍的に伸びていると語っています。

『Destiny』の5ユーザー中1人はデジタルダウンロードで購入している、とのレポートもありました。北米ではゲームを購入するには遠くまで運転してゲームを買いに行くかAmazonなどを使って送ってもらうか、そしてダウンロードをするかの選択があるのですが、パッケージではなくダウンロードしてソフトをゲットするケースが増えてきているのは事実のようです。

10月度のソフトウェアランキングを見てみます。

1. NBA 2K15 (PS3/PS4/X360/X1/PC) - 2K Games
2. Super Smash Bros. for 3DS (3DS) - Nintendo
3. The Evil Within (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Bethesda Softworks
4. Borderlands: The Pre-Sequel (PS3/X360/PC)
5. Destiny (PS3/PS4/X360/X1) - Activision Blizzard
6. Skylanders Trap Team (PS3/PS4/360/X1/WiiU/3DS/Mobile) - Activision Blizzard
7. FIFA 15 (PS3/PS4/360/X1/Wii/3DS/PSV) - Electronic Arts
8. Madden NFL 15 (PS3/PS4/X360/X1) - Electronic Arts
9. Middle-Earth: Shadow of Mordor (PC/PS4/X1) - Warner Bros. Interactive
10. Minecraft (X360/PS3/PS4) - Microsoft/ Sony Computer Entertainment

『NBA 2K15』、『FIFA 15』、『Madden NFL 15』などの定番スポーツゲーム最新作が3つ入っています。スポーツゲームが売れるところも北米市場の特徴です。ある程度販売が約束されているので、スポーツリーグにライセンス代を払っても、メーカーにとっては毎年発売し続ける意義のあるソフトなのでしょう。

9月に発売された任天堂の『Super Smash Bros. for 3DS』が2位に入っていますが、このソフトがすごいところは、他にランキングされているタイトルがすべてマルチプラットフォームだということ。3DSというシングルプラットフォームタイトルにも関わらず、この年末商戦で2位にランクインするところは、やはり任天堂ソフトの底力はすごいなと再認識。北米で発売されて100万本超の3DSタイトルはこれで10本目だそうで、9月、10月合わせて120万本以上売り上げました。


日本製大型ホラータイトル『The Evil Within(サイコブレイク)』が発売されました。続編ではないオリジナルのホラーIPとしての初月売上が新記録達成とのこと、久しぶりに誇らしいニュースです。『バイオハザード』シリーズに次ぐ日本発の大きなIPとして育ってほしいものです。

実際に、最近の北米ソフト売上ランキングで、日本発のサードバーティタイトルがTop3に入るのを久しぶりに見ました。これを機に国産タイトルが海外マーケットで席巻することを願ってやみません。

ちなみに、Insomniac GamesがXbox One独占タイトルとして製作した『Sunset Overdrive』は10月28日に発売されたため10月の売上としてはあまりカウントされていませんが、SKU別(プラットフォーム別)売上で見ると第9位だそうで、状況は悪くないようです。限定色ホワイトXbox Oneとのバンドル販売も好評のようですから11月のランキングを待ちましょう。

■ 年末商戦のラインナップはこれから!

NPDによると、10月に発売になったソフトの10月売上への貢献度が昨年より低いとのこと。これは前月以前に発売になったタイトルが売れ続けていて、この月に発売されたタイトルのブースト感がないことも特徴であったようです。

年間の売上中Q4(第4四半期10月~12月)が全体の約50%を稼ぎ出すと言われます。年末商戦、それは初夏のE3からの流れでプロモーションをしていたソフトメーカーの決戦の場です。いいものをいい形で出していっぱい売りたい!その本番はこれから!11月から怒涛のタイトルラッシュが続いています。

11月4日に北米で発売になった『Call of Duty: Advanced Warfare』。『Halo: Master Chief Collection』や『Assassin's Creed Unity』などなど、大型タイトルシリーズの続編として発売され、結果はこれから!北米は年末までまだまだアツいです。

それでは、また来月!

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《記野直子》

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