まず最初に述べておきたいのは、だからといって「パズドラももう終わりだな」などと言ってしまえるような状況にはまだまだ程遠いということです。課金率が落ちたとしながらも『パズドラ』は今もiPhone、iPadの両部門で売り上げランキング1位に輝いていますし、そのダウンロード数はついに3100万をも超えました。ですが、同作が配信開始となったのは2012年2月のこと。3周年が見えてくるころとなれば、多少は課金率も落ちてくるというものでしょう。
『パズドラ』はこれまでにも、3DSに『パズドラZ』、アーケードに『パズドラZ テイマーバトル』に『パズドラ バトルトーナメント』、スマートフォン用に『パズドラW』とさまざまな展開をしてきました。『パズドラZ』が約150万本の大ヒットとなったように、どれも個々のタイトルとしては成功したのかもしれません。ですが、これらのタイトルは本家『パズドラ』に(長期的な)利益をもたらすにはいたらなかった……とも言うことができます。
スマートフォン版を全盛期のように盛り上げるには、スマートフォン版自身にテコ入れをすべきと判断したのか、ガンホーはこの事態を打破する施策をいくつかあげています。
■施策
・まとまった時間のプレイが可能になる「スタミナ回復時間の短縮」
・ゲーム内通貨を活用した「コインダンジョン」の実装
・高レベル帯ユーザーに向けた「チャレンジダンジョン」の実装
この施策を見て「あれ?」と感じた方もいるかもしれません。スタミナの回復時間が短くなったり、ゲーム内通貨で新たな遊びができたり……。そう、これらは見方によっては「今よりもさらに無料でタップリ遊べるようになる」ということでもあるんですね。ですが、ガンホーはこれを課金率を向上させるための手段として挙げています。
もちろん、ユーザーの母数が増えればそれだけ課金をしてくれる人の数も増えますので、そういう意味では無料でよりじっくりと遊べるようにするのも課金率の向上にはつながるかもしれません。ですが、今となってはユーザーの母数を増やすにも限度があります。そうなると、この施策の狙いはユーザー数増加よりも「ライトユーザーをヘビーユーザーへと育て上げる」ことなのかもしれません。
第3四半期決算説明会の資料には「2015年から"未体験の遊び"を提供」すると書かれています。『パズドラ』以外の人気ソーシャルゲームに目を向けてみると、最近は『ドリランド』や『ガールフレンド(仮)』のようにアニメ化されたり、『チェインクロニクル』や『テラバトル』のようにきちんと完結することを前提としたストーリーが用意されたりという変化が目に入ります。
『パズドラ』に登場するモンスターのように、『パズドラ』自身を究極進化させるための素材は一体何になるのでしょうか。年末から2015年にかけて『パズドラ』が拓こうとする新境地がどのようなものになるのかに注目です。
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