2012年末、Wii U発売直前から発売当時の任天堂は公式サイトやTVCMでWii Uを「スーパーなWii」と表現していました。ファミコンの後継機としてスーパーファミコンが出たときを思い出させます。ところが3DSの新モデルが冠するのは「スーパー」ではなく「New」。「New」がつく任天堂の大ヒット商品といえば『Newスーパーマリオ』シリーズ。若い世代にも伝わりやすいよう、最近のヒット作にあやかったのかもしれません。
『大乱闘スマッシュブラザース for 3DS』には間に合いませんでしたが、ユーザーの中にカメラ操作用の右スティックを望む声も多かった『モンスターハンター4G』と同時発売というのは、カプコンにとっても任天堂にとってもかなりの追い風。年末商戦に向けて、コンスタントに普及台数を伸ばしてくれそうです。
また、前述のニンテンドーダイレクトでは、Cスティックを『MH4G』のみならず『ドラゴンクエストX』、『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』などでも便利であるとアピールしており、アクションゲームなど、カメラ操作を要するタイトルもリリースしやすくなりそうです。格調スライドパッドをリリース→新モデルでボタンとスティック追加……という流れを見ていると、3DSの次世代機では最初からこのくらいの数のボタン、スティックを用意してくるのかもしれません。
その一方で、ボタンやスティックに頼らない遊びとして、裸眼立体視機能の強化や、NFCリーダーの搭載もうれしいところ。特に3DS用のNFCリーダー/ライターは2015年前半の発売を目指すと発表されていましたので、新モデル先行とはいえこんな早いタイミングで対応してくるのは意外でした。立体視やamiiboを活用したゲームにも期待がかかります。
逆に気になったのは、欧米市場での年内発売は予定にないというところでしょうか。海外市場はホリデーシーズン(11月下旬~年内いっぱい)にいかに発売を間に合わせるか、いかに売るかが勝負どころ。ここを逃してしまうとスタートダッシュでつまづいてしまいます。
ちょうど時期をあわせてWii Uと2DSのパックが発表されたことからも、海外ではNew 3DSはまだ普及の見込みがないと考えているのでしょう。それは任天堂にとっては痛手かもしれませんが、我々日本のユーザーからしてみるとちょっと楽しみなことでもあります。海外で売れる見込みが少ないのなら、自然と日本の方を向いた施策やソフトが多くなるかもしれません。
任天堂製携帯ゲーム機の新モデル専用ソフトというと、これまでにもゲームボーイカラー専用ソフト、DSi専用ソフト、そしてDSiウェアなどが見られました。ですが、ゲームボーイカラーは本体が急速な普及を見せた(これは「Nintendo Online Magazine No.21」に詳しいです)ことで、末期はほとんどがカラー専用ソフトになったほど。逆にDSiは専用のパッケージソフトは『モンスターファインダー』ただ一本だったり、DSiに代わるポジションとなるダウンロードソフトはすでに多くリリースされていたり……と、どれもNew 3DSの今後を予想する材料にはなりづらそうです。
そんなNew 3DS専用ソフト第一弾はWii『ゼノブレイド』の移植作。国内外を問わず高い評価を誇る、Wiiきっての大作RPGです。その後何タイトル出てくれるのかは分かりませんが、今後を期待させてくれる一本です。また、New 3DS専用とは言わずとも3DSとNew 3DSで処理速度やグラフィックの表現が異なるソフトも開発中とのことで、これも続報が気になります。
また、ネットではNew 3DSのABXYボタンの配色とCPUの性能アップに着目して「New 3DS専用でSFCのバーチャルコンソールが配信されるのでは」などという予想も見られました。ボタンの配色はちょっとした遊び心という可能性もありますが、そうなってくれればこれも本体普及のカンフル剤になってくれるかもしれません。
あれこれと予想を並べてみましたが、やはり百聞は一見にしかず。9月下旬から順次全国のショップに向けてNew 3DSの試遊台を提供するとのことですので、気になった方はやはり実機を触ってみるのがいいでしょう。筆者は3DS LLで3DSからスペックダウンしてしまったスピーカー周りの仕様がどうなったかが気になりますがこれは店頭の試遊台では体感しづらそうなので、更新を期待して公式サイトもこまめにのぞいてみようと思います。
(C) 2014 Nintendo
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