そのデザイン全般を担当している小笠原氏が、ソーシャルゲームの運用には欠かせないガチャの訴求デザインについて、考え方やノウハウを『天下統一クロニクル』を通して明かしました。
ガチャの訴求デザインとは、「ユーザーの目を引き、ガチャガチャの魅力を伝え、実際に引いてもらう」ということ。ゲームのテイストやルールによってデザインも異なりますが、その根本の目的と言えば、概ねこの一言に集約されるでしょう。
ソーシャルゲームには基本無料のものも多く、そういったタイトルはどこかで利益を確保しなければなりません。その手段のひとつとして用いられることが多い「ガチャ」。それを促すための訴求デザインは、今後のゲーム運営にも関わる重要な要素と言えます。
そのデザインの在り方について小笠原氏はまず、「豪華に盛る所は盛り、抑える所は抑える事が大切」と述べ、プランナーとのやり取りにおいて「売りとなるポイントを訴求したい順に、優先度を付けて共有して頂く」ことを行っています。これにより、「豪華に盛る所」と「抑える所」の段階が定まり、優先度を意識したデザインが行う下地が出来上がります。またこの段階をしっかり確認することで、「大事な事が全然訴求されていない、などの理由で修正が発生する事も無くなる」という利点も明かしています。
続いてデザインのラフへと作業が移りますが、ここで重要なのは「ユーザーの視線の動きを設計すること」とし、「文字の大きさや位置で主張度に差を付け視線を誘導しつつ、伝えるべき事を重要なものから順に伝えて行くよう意識して構成する」と述べます。
実際に例として提示されたサンプルでは、まず右上に目立つキャラ絵を配置。そのキャラを眺める形で左下へ誘導し、メインの訴求文へ繋げます。文章なので視線は左から右へと移りつつ、この訴求文でユーザーの興味を引き、右側に配置した魅力あるポイントや、下段の詳細情報へと目を向けるよう促す。こういった流れが、図で分かりやすく説明されました。
ラフが完成したならば、作業は仕上げへと移行します。ここで大切な事も、根本的にはラフの時と変わらず、重要な情報から順に、主張度に差を付けて装飾すること。これもユーザーの誘導を促すものになります。特に仕上げの段階で意識すると差が出やすいのは、「手前/奥の概念」。真っ先に見て欲しい情報は手前に、それ以外は奥に配置することで、要素が多い画面の中でも視線が迷わなくなります。
この他にも小笠原氏は、ガチャがリリースされた後のデータを読み取り、次回のデザインに活かす流れなども語っています。作って終わりではなく、「デザインを通して担当施策を成功させる事」が肝心と明かしており、勝因や敗因の分析も重要なポイントであると締めくくりました。
ガチャに関してだけでなく、置き換えれば様々なデザインにも通じる話を綴ってくれた小笠原氏の解説。更に詳しくチェックしたいという方は、こちらからどうぞ。
■派手なだけじゃ意味が無い!魅力を伝える訴求デザイン
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