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【日々気まぐレポ】第58回 Twitterで大人気「ニパ子ちゃん」そのアルティメットな切れ味は如何に

インサイドを御覧の皆様、こんにちは。ライターひびきによる「ほぼ」隔週連載「日々気まぐレポ」、第58回目でございます。

その他 全般
アルティメットニッパー
  • アルティメットニッパー
  • 「究極」の刻印
  • 通常のニッパーと比較
  • 左がアルティメットニッパーの、右が通常の断面
インサイドを御覧の皆様、こんにちは。ライターひびきによる「ほぼ」隔週連載「日々気まぐレポ」、第58回目でございます。

ワンフェスも終わりまして、やっと一息つけるといった感じでしょうか。参加者・関係者の皆様お疲れ様でした。筆者は直接は参加できなかったのですがマックスファクトリー&グッドスマイルカンパニーさんの「朝から朝まで生ワンホビTV」を生で見させてもらいました。相変わらず模型居酒屋の濃いことと言ったら。……絶対単独で良い番組できますってアレ。

今回のワンフェスの中で、筆者が特に気になったのはゴッドハンドの「アルティメットニッパー」関連でしょうか。このイメージキャラクターのニパ子さんのガレージキットをはじめとした様々なアイテムの出展があったらしいんですが、今回は現地に行けていないので買えずじまい。ぐぬぬ。また、そのアルティメットニッパー自体もブースで販売がされていたらしく、好評を博していたようです。

このニッパー、商品自体は数年前から売りだされてはいるのですが、ここ最近で猛烈な普及スピードを見せています。Twitterでのニパ子さんの商売上手っぷりはそりゃもう見事なもので、目にした筆者もついつい買ってしまいました。てなわけで今回はちょっと番外編としてこの「アルティメットニッパー」をご紹介。

◆究極の切れ味


「アルティメットニッパー」は爪切りニッパーなどでお馴染みの作業工具専門店ゴッドハンドから発売されている「ゲートカット用ニッパー」です。「ゲート」とはプラモデルにおけるパーツとランナーの境目。このゲートをカットするのに特化したのがこのアルティメットニッパーです。まぁ要するにプラモデル組み立て用の精密ニッパーというわけですね。このアルティメットニッパーには通常の薄刃ニッパーの更に上を行く超極薄刃が採用されており、細かいパーツもしっかりと切断、正に究極の切れ味を実現しています。

そして、汎用プラスチックニッパーや従来の模型用薄刃ニッパーとの究極の違いはその刃構造にあります。通常ニッパーの刃がハサミのように両側に付いているの対して、アルティメットニッパーは片側にしか刃が存在しません。刃の反対側、もう片方は平らな面となっており、切断時にはパーツをしっかりと押さえ込みます。この片刃構造こそがアルティメットニッパーのキモであり、その切れ味の秘訣。丁度、「包丁」と「まな板」のような関係で、両側から切断していくよりもパーツにストレスを掛けなくて済むのです。

◆究極のツール


パーツにストレスを掛けなくて済む、ということがどういうことか。答えは簡単で作業効率の大幅アップに繋がります。プラモデルを作ったことのある人ならわかると思うですが、パーツの断面は往々にして、表面が荒れていたりプラスチックが「白化」したります。組み上がり時に隠れてしまうポイントならまだいいものの、目立つ場所に出てくるとこれは見栄えがよろしくありません。そこで、普通はデザインナイフやヤスリなどで断面を処理します。特に、本格的に塗装をしない「素組派」にとっては最も時間のかかる重要な工程です。

と、ここで登場するのがこのアルティメットニッパー。これを使えばパーツ断面の滑らかさはもちろんのこと、ほとんどプラスチックの「白化」も起こりません。使い方によってはデザインナイフで削るなんて工程を踏まずに完成させることだってできちゃいます。こいつぁすげぇぜ!

また、切れ味が良いということは即ち「指の力が要らない」=「作業能率アップ」ということでもあります。公式サイトのデータによると、直径3mmのプラスチック切断するのに、通常のニッパーでは3.5kg以上掛かる所、アルティメットニッパーでは2kg以下に抑えられています。実際その通りで、力が要るのは握りこむ時だけで途中からは全く力を入れずにスッ……と切れてしまいます。これを豆腐を包丁で切る時の力加減になぞらえて「とうふ切り」と呼ぶらしいです。言い得て妙ですな。

筆者もガンプラや船舶モデルなど既に何体かプラモデルをこのアルティメットニッパーで制作してみましたが、驚くほど作業効率が向上しました。普段の素組・簡単フィニッシュでは、その作業時間の大半をデザインナイフとペーパー掛けに費やしていましたが、アルティメットニッパーを使用することによってそれらの工程を最小限に抑えることが出来ました。3つに1つのパーツはアルティメットニッパーだけで仕上げても気にならない程。また、力が要らないので、延々とパーツを切断していても指が痛くなるなんてことはなく、長時間の作業でも苦になりませんでした。ヘビーユーザーはもちろんのこと、筆者のようなライトなモデラーにこそその真価が発揮できる「究極」のツールなのではないでしょうか。

◆究極の弱点


その切れ味が故に無敵と思われるこのアルティメットニッパーですが当然、それ相応のデメリットも付いて回ります。というのも簡単な話で「超極薄すぎて刃先が脆い」という点。仕様外に硬い素材を切った時には欠けたり折れたりしますし、切断中にニッパーをひねってしまうと刃が曲がったりします。あくまで「プラモデルのゲートカット専用」のニッパーなのでそれ以外の用途には使用しないようにしましょう。

ただ、仕様をきちんと守って大事に使っていても刃が鈍ることはあります。刃物なので当然といえば当然です。ニッパーを「消耗品」と考えるモデラーさんも多いですがせっかくの高額ツール、慌てて買い換えることはありません。ゴッドハンドは、このアルティメットニッパーのアフターケアも万全で、職人さんによる「刃研ぎ」のサービスが行われています。いい物はやはり、長く大切に使いたいものですね。

※現在はあまりの人気からか、職人さんが多忙とのことで限定受付となっているようです。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

さて、ここからは余談です。

前述もしましたが、実はこのアルティメットニッパーが売り出されたのは数年前。元々が玄人向けの、少し値の張る工具として世に産まれたこともあり、ある程度のヘビーユーザーに普及して以降は、「一日1丁売れればいい」レベルにまで売り上げは伸び悩やんでいたそうです。そんな状況が続き発売から2年経ったある日、颯爽と現れたのがイメージキャラクター「ニパ子」さんでした。

彼女の宣伝活動によって、アルティメットニッパーの名は世界中のモデラーに轟くこととなります。大手ネットメディアにも取り上げられ、販売ページのアクセス数は瞬く間に100倍、売上は30倍にもなったそうです。そして公式Twitterの登場でニパ子さん人気は更に加熱。彼女はTwitterを通して様々なイベントに参加、それが新たなイベントへの参加を呼び、そこから産まれる新商品やタイアップ商品の数々。彼女の活躍によって、アルティメットニッパーの知名度も向上、模型業界に大きく普及していきました。ニパ子さんムーブメントは彼女の誕生から1年経った今もとどまるところを知りません。現在はチーム「Project NIPAKO」としてさらなるプロモーション展開が準備中とのこと。今後も彼女の活躍に目が離せませんね。最初、ミクさんのバッタモンだと思ってた人はごめんなさいしようね。……本当にスミマセンでしたァァァ!


■筆者紹介:ひびき
ゲームやアニメが大好きな駆け出しライター。
モデラーと名乗るのも烏滸がましい不器用さん。
最近はTwitterでの営業がとても上手なニパ子さんが
武装神姫沼に落入るのを眺めるだけの仕事に勤しみます。
って、え……武装、解除……?

Twitter:@hibiki_magurepo
《ひびき》

バーチャル関西の何でも屋さんです ひびき

2012年からインサイドにてゲームライターとして活動して、はや十数年。ちょっと古参気取りの何でも屋。Game*Sparkやアニメ!アニメ!にもたまに顔が出ます。ゲーム・アニメ以外では、ホビーやガジェット、バーチャルYouTuber業界が専門。お仕事お待ちしております。

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