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本日発売!『俺の屍を越えてゆけ2』ゲームデザイナー桝田省治氏インタビュー

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本日発売!『俺の屍を越えてゆけ2』ゲームデザイナー桝田省治氏インタビュー
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『俺屍2』ゲームデザイナー桝田省治氏。右手に通常版、左手に初回限定版を持っていただきました。

発売が目前に迫ってきたPS Vita『俺の屍を越えてゆけ2(以下『俺屍2』)。新作を心待ちにしていたファンを代表して、編集部ではゲームデザイナーである桝田省治氏にインタビューを行いました。『俺屍2』開発裏話から桝田氏のゲーム制作のこだわり部分まで、ディープな話をお届けします。


◆体験版からの修正箇所は1,000箇所以上



―いよいよ発売となりますが、本作を作り終えての感想をお願いします。

桝田省治氏(以下敬称略):ぎりぎりまで調整していたよ。体験版であがってきた要望をできるだけ対応しようとして時間かかったなぁ、と。

―制作日誌にも修正箇所の報告がアップされていますね。

桝田:実際はその何倍も修正している。数百から千になるかも。できるだけ対応しようとしたら意外と大変だった(笑)

―死期の目安として「蛇の文様のデザイン」が表れますが、これは何か特別な思い入れがあるのでしょうか?

桝田:「死期を明示してほしい」という要望が沢山あり、どこかに入れなければならなかった。当初は額に数字を入れようとしていたんだけど、アルファ・システム(編集部注:『俺屍2』の開発会社)から「髪の毛で額が隠れるキャラクターは見えない」と言われて。体験版(ゲーム冒頭編)をプレイすれば分かるけど、一族の後頭部に呪いのマークがあることが明示されるから、これが寿命が近づくと顔に伸びてくる設定にしたんだ。文様が気持ち悪いという意見もあったんだけど、「呪い」とか「悲惨な境遇」が目で見てわかるようにしたかったし、ある程度生理的に不快なほうがいいかなと。何より文様を無くしてしまうと、作り直さねばならならないからね(苦笑)

◆ユーザーの想像を限定しない「玉虫色」のキャラクター作り



―演出についても要望があがっているのを見て、ファンのこだわりを感じました。

桝田:そうだね。ただ、ここで注意しなければならないのは、ユーザーによってプレイスタイルが違うから、一方の要望を取り入れるともう一方の要望が叶わなくなってしまうということ。だからどちらにもとれる「玉虫色」の部分を探さなければならない。

―ユーザーに想像の余地を残してあげなければならない、と。

桝田:そう。「一族の表情を豊かにしてください」という要望も当然あって、その方が人間らしくなるとは思うんだけど、人間っぽい演出を入れた瞬間にキャラクターが固定されてしまう。例えば「このキャラクターは当主が死んだって泣かないんだ」と思っている人がいるかもしれない。それなのに日常で泣きそうな顔をしたら、「え?」って思うじゃない。そのバランスがとても難しいね。

―実は私は歴史が好きなのですが、歴史好きな人って年表にある事柄の行間を想像するのが好きなんです。『俺屍』はその部分をプレイできるなと。

桝田:そういう人は家系図も好きだよね。今回要望があって、「家系図」から亡くなったキャラクターを選択すると遺言が再生できるんだ。遺言は唯一形に残るそのキャラクターの個性だからね。

―その一言からキャラクターの性格を想像できますね。

桝田:そう、だからあれは一言でいいんだ。情報量が多すぎるとキャラが固まって想像できなくなってしまうから。ちなみに遺言は700~800用意したから、全部は出せないと思うよ。

―全部出すことに情熱を燃やすプレイヤーも現れそうですね。

桝田:前作は1データに250人までしか登場させられなかったけど、今回はセーブデータが4つ作成でき、1データに1000人まで入れられるようになった。一生懸命やれば遺言もコンプリートできるんじゃないかな。

◆日本画っぽい世界の再現



―あえて2Dっぽさを残したのはなぜでしょうか?

桝田:日本画っぽさを再現したいと思ったから。江戸時代後期には西洋画の技法は入ってきているけど、必ずしもその技法を取り入れているわけではなく、平面ならではのデフォルメや、線で奥行きを表現するスタイルが日本にはあって、それが『俺屍』の世界観にあっていると思ったんだ。出来上がりをみて当初の予定通りにいったと思うよ。

―自分の顔から当主の顔を作成する際も日本画っぽさを意識しているのでしょうか?

桝田:当主の顔に関してはそうでもない。佐嶋さん(編集部注:佐嶋真実(さじま まこと)氏。『俺屍』シリーズのキャラクターデザインを担当)が描いた絵のトーンをなるべく継承しようとして四苦八苦した。顔のパーツの大きさ・形・位置についても、もし佐嶋さんが描いたらどうなるか。これまでに描かれた絵からそのバランスを抽出して組み替えてながらやってみたけど、それだけではうまくいかなかった。

―それはなぜでしょう?

桝田:1つ1つのパーツは平凡だけど、ここに配置したらカッコよくなるというのを、佐嶋さんはプロのカンで描いているけど、それをプログラムで判定するのはやっぱり難しかった。だけどここまで表現できたからいいんじゃないかな。去年の東京ゲームショウの時よりはかなり進化しているよ。さらに言うと体験版の時よりもよくなっているはず。

◆他人のプレイをリアルタイムで閲覧できる楽しさ



―スクリーンショットをSNSに投稿したり、遠征で他のユーザーとのコミュニケーション手段も増えましたね。

桝田:ブログに一族日記を書いたり、ニコニコ動画で実況プレイをしている人がいて、それらを見るのが楽しい理由は自分とは違うプレイをしているからだと思う。本作はそれが他の媒体を使わなくてもゲームをプレイしながらリアルタイムで出来るようになった。最速プレイを目指すとか、最強パラメーターにもっていくとか、色々な遊び方があって、それぞれグループを作って楽しんでくれると思うんだ。ある程度は「こういう遊び方をするだろう」と予想はしているけど、人がどういう遊び方をするかなんてわからない。だから好きなように遊んでほしい。

―予想を上回る遊び方が見られたら面白いですね。

桝田:多分『俺屍2』をプレイしている者だからわかる面白いポイントとかもでてくると思う。あとは自分のところで他のプレイヤーが買い物すると僅かだけど売り上げの一部が入ってくる。たまに桁違いのお金が入ったりすると「もうちょっと投資しといたほうがいいかな」とか思ったりして(笑)人がくることを意識し始めるんだ。

―街を発展させるにあたり訪問者からプランを立てるようになると。

桝田:そうそう、人のために街づくりをするようになる。だから「防具は人のところで買うから自分の街には投資しなくてもいいや」ってなる可能性もあるわけ。

◆コーちんで最初の1~2年を乗り切る



―”コーちんの提案“がとても万能で、すべてお任せにしていました。

桝田:コーちんも体験版に比べるとめちゃくちゃ賢くなってる。コーちんに「ボスを倒しにいこう」と提案されて、簡単に倒せると思っていたらなかなか手ごわくて。それでピンチになった時に携帯袋を開いたら万全の回復薬で埋まってたりして、「うわーコーちんすげー」って(一同爆笑)

―今回コーちんが万能なのは新規ユーザーに合わせたのでしょうか?

桝田:そうだね。一番意見が多かったのが「最初の一年が難しい」だった。「何をやっていいかわからない」と。最初から自由度が高すぎるから。だから最初の1~2年を乗り切るため、誘導してくれるキャラクターがあったほうがいいと。これを解決するのが『俺屍2』の目標でもあった。コーちんは機能的な面でも役に立つし、見た目や喋り方も評判がいいね。

―季節ごとに毛の色がかわるのもかわいいですね。

桝田:イタチが人間化したキャラクターを描いてくれと佐嶋さんに頼んだら2色あがってきたんだ。「どっちの色がいいか推薦してよ」と言ったら「イタチなら夏毛と冬毛があるでしょう」って(笑)それでアルファ・システムに言ったら、「色変えはそんなに手間じゃないからやりましょう」ってなったんだ。

◆ゲームのテーマ



―『俺屍』は寿命や健康度など、「縛り」が多い印象をうけました。そのあたりのこだわりを教えてください。

桝田:『俺屍』シリーズを作るにあたり、メインテーマは世代交代だった。そこにある程度ストレスを加え、乗り越えるとさらに面白くなる。だから寿命や健康度はかなりシビアに設定しているよ。そのかわり、例えば迷宮ではどんなに奥に行っても「帰還」コマンドを使えばいつでも戻ってこれる。何をテーマにしているかによってどこをシビアにするか、どこを簡単にするかは変えている。迷宮の探索に重きをおいたゲームなら帰り道のことまで考えなければならないけど、『俺屍』はそうじゃない。だから「帰還」コマンドで思いっきり簡単にしているわけ。

―RPGを継続してプレイさせるために工夫されていることはなんでしょう?

桝田:まずはお話に頼らないこと。お話に頼ると、一度中断したとき内容を忘れちゃうんだよね。もうひとつは『俺屍』ならではなんだけど、生まれてくる子がどんな顔をしているか、どんなパラメーターをしているか、そういったやり残しというか、解決していない部分が常に存在するようにしている。例えば迷宮もそう。強い敵がいて先に進めなかったり、一ヶ月経ってしまい帰らなければならなかったりするけど、でもその先を知りたいと思う。そういったやり残しや、やったことに対する結果がちょっとずつ出てくるように工夫しているよ。

◆『俺屍』ファンの目に夜鳥子がどう映るか?



―改めてファンに一言お願いします。

桝田:うーん…夜鳥子(ヌエコ)をどう思うかだなぁ。夜鳥子を一族の一員と思うか、それともお客さん、または道具と思って付き合うか。夜鳥子は他の一族と違って表情があり喋るし名前も決まっている。その違和感を楽しむっていうのかな。

―ずっと『俺屍』をプレイしている人にとっては違和感を感じるでしょうね。

桝田:違和感って、新しいものには常にあるんだ。その先にあるのが「新しい楽しさ」の提案になると思う。だから夜鳥子をあまり嫌わないで欲しいな。僕としては自分が大事にしていないキャラクターにわざわざ林原めぐみさんを起用しないから(笑)だから夜鳥子との微妙な距離感を楽しんでほしい。

―本日はありがとうございました。



最後はポスターの前で記念撮影。『俺屍2』の世界観に合わせて和風柄のTシャツを着てらっしゃったのが印象的でした。桝田氏の『俺屍2』に対する想いを知り、さらに期待が高まったのではないでしょうか?

『俺の屍を越えてゆけ2』は、2014年7月17日発売予定。価格は、パッケージ版が5,800円+税、ダウンロード版が4,800円+税、初回限定版が7,800円+税です。

(C)Sony Computer Entertainment Inc.
《みかめ》

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