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【E3 2014】SCEの吉田修平ワールドワイドスタジオプレジデントを直撃、プレイステーションの今後の戦略を聞く

【E3 2014】SCEの吉田修平ワールドワイドスタジオプレジデントを直撃、プレイステーションの今後の戦略を聞く

2014年6月11日(水) 17時33分
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現地時間9日に開催されたプレスカンファレンスも盛況だったソニー。開幕初日に、同社ワールドワイドスタジオ プレジデントの吉田修平氏にお話を伺うことが出来ました。発表されたタイトルから今後の戦略まで、どうぞ。

―――プレスカンファレンスの反応はいかがでしたか?

全体的に良かったと思いますね。未発表のタイトルもあったし、発表済みのものでも新しいものを用意できたので盛り上がりを随所に作れたのではないでしょうか。

―――今回のテーマはどういうところにあったのですか?

おかげ様でプレイステーション4が順調に普及していってますので、新しいタイトルの情報をお伝えするのがまず一点。もう1つは、プレイステーション4はハードやサービスの面でも今後も拡充していきますので、例えば「PlayStation Now」や「プロジェクト モーフィアス」、「PlayStation TV」などきちんと情報を整理してお伝えする。この2点をバランス良くやるのが腐心したところです。

―――オープニングは『Destiny』でしたね

これは無茶苦茶、期待しているということですね。

去年と今年のE3に出展されているタイトルの違いは、昨年はPS4もやりつつPS3版もあるというタイトルが多く、ハイレゾ化されたPS4版はあるけどメインはPS3版というのが多かった。それが今年になるとマルチはあるものの、メインはPS4版、という風に変わってきたというのが印象です。

『Destiny』も両方出るのですが、彼らは確実に次世代機をメインにして、シングルとマルチの境界を無くすような新しい取り組みをしてくる 新しい遊びを全面的に出してチャレンジしてくる しかも実績あるチームなのでクオリティも信頼がおける。今回、アクティビジョンとバンジーさんと合意ができて、PS4でアルファ版を今週から提供できるようになったこともありますし、最初に相応しいタイトルだと考えました。

―――プレイステーション4の普及の手応えはいかがですか?

我々が発売前に思っていたより売れてますね。変な話ですが。生産が追い付かずユーザーさんに怒られるという状況が続いています。去年の東京ゲームショウでアンドリュー・ハウス(SCEグループCEO)が前期で500万台やると言って、結果700万台だったんですね。それに合わせてカメラやデュアルショック4も足りなくなる事態で、ようやくそこに追い付き始めたという状況です。

―――カメラということは「SHARE」の影響も強そうですね

「SHARE」はコントローラーにボタンを付けるくらいなので、狙った機能ではあるのですが、これも想定以上にお客さんに楽しんで頂いています。配信先も最初はTwitchとUstreamだけだったのがニコニコ動画に対応して、昨日はYouTubeへの対応も発表させて頂きました。

―――今後の戦略としても、ユーザーが発信しやすい方向に?

発表の中では短かったのですが新しいソフトを用意しています。『PLAYROOM』を使って自分放送局をやっている人が多くて、楽しいんですね。PS4が発売されてから、こういう使われ方をするんだというのが分かって、『PLAYROOM』チームと相談して、放送局作成ツールを開発しました。左右反転を戻したり、放送局の名前をつけて看板をつけたり、BGMを入れたり、視聴者に4択の質問を投げかけたり、絵を描いてホログラムを出したり、この夏には提供開始する予定です。これで何が放送されるか楽しみですね。

―――面白い文化だなと思いますね。

ゲームの楽しみ方の一つになっている気がしますね。ユーザーさんの中にもゲームの解説が非常に上手い方がいらっしゃいますし、遊ぶのが作り手よりも上手いというのもザラで、そういう人たちが何万人もフォロワーを持っていて、ユーザーさんもそれを見るのを楽しみにしている。私自身の経験としても、『ダークソウル2』で先に進めない時に、お手本になるような動画を見たり、自分と同じくらいの腕の人の動画を見たりして、ゲームを何倍も楽しめる感じがしましたね。

―――話は変わりますが、AR技術はどういう風になっていくでしょうか?

AR技術はソニーとして長く取り組んできていて色々な蓄積があります。ARって子供は凄く喜んでくれるんです。でも大人は、どうしてもテレビの中で起きていることだと分かってしまうので、そこまで没頭感が出ないんです。でも、今度のVRは凄いですよ。

―――「プロジェクト モーフィアス」ですね

今回は3月のGDCに出展したものに加えて新しく2つのデモを追加し、既存のものもバージョンアップしています。前回も出した『"The Deep"』は水中に潜るゲームで、私はダイビングはやらないのですが、ゲームを体験していると本当に自分が潜ったのか、ゲームの中の出来事なのか、曖昧になっていくくらいリアリティがあるんですね。新しいデモは『ストリートルージュ』という、冬季オリンピックで背中をつけた状態で滑っていく競技があると思いますが、その陸上版、道路を滑走していくというゲームを用意しました。かなりのスピード感で車の間を滑り抜けていく。やることは体を少し傾けるだけなのですが、めちゃ楽しいですね。

―――ゲームの方向性は幅広そうですね

VRの良さはそこにいるだけで楽しいということ。かえってあまり高いゲーム性が無い方が誰でも楽しめるものになるかもしれません。山に行けるとか、ファンタジーの世界でキャラクターと会話できるとか。いまのゲームよりも幅広いユーザーに受け入れられるものになるかもしれません。

―――没頭しすぎてしまうという危惧もありそうですね

それはあると思いますね。そこは多少気にしているところで、ヘッドセットとして完全に密封するのではなく、下を少し開けているのはそのためです。没入し過ぎてしまったり、コントローラーを探す時も全く見えないと大変ですからね。あとは、どういう作り方をすべきかというのはソフトウェアのノウハウを貯めている段階ですね。FPSタイトルなんかはSDKがあればすぐに「プロジェクト モーフィアス」に変換できるのですが、最高の体験にするためには調整が色々と必要になってきますね。そこのノウハウは今後どんどん溜まっていくと思います。

■日本メーカー復活の鍵はインディーズにあり?

―――フロム・ソフトウェアさんの『ブラッドボーン』はとても楽しみです

ゲーム好きならたまらないゲームになりますね。ゲーム好きな方は死ぬほど、何度も死にながら進んでいく体験ができるでしょうね(笑)。PS4というハードになってフロム・ソフトウェアさんの雰囲気をより良く伝えたり、レベルデザイン的にもより自由になりますよね。

―――吉田さんは遊ばれたのでしょうか? 感想はいかがですか

手応えがありますね。私も遊んでいたのですが、何度も死ぬんで、プロデューサーが気を利かせて簡単に進めるようにしてくれて。ちょっとムッとしたんですけど(笑)。『ダークソウル』と違って、盾で避けながら・・・というよりは今回はかなり積極的に攻撃していくのがいいゲームになってます。銃も持ってますしね。今回はプレイアブルではないのですが、機会があれば是非触ってみてください。


―――今回も『人喰いの大鷲トリコ』は無かったのですが

以前と変わってないですね。開発は続けていますが、きちっとした情報が出せる状態になるまで何も言わないと決めていますので。(ハードはPS4?)それも含めて、新しい情報を小出しにするのではなくて、きちっと言える状態になるまでお待ち頂ければと思います。

―――プレスカンファレンスもそうですが、残念ながら日本のメーカーのプレゼンスの低下を感じました

家庭用ゲームの規模が大きくなって、投資金額が大きくなると、地元市場が相対的に小さい日本のメーカーさんは不利だというのはありますね。『メタルギアソリッド』のような全世界で売れるようなゲームはそれを前提に収支を弾けますが、そうでないゲームは厳しくなっていますね。一方でインディーズの世界が大きくなっていて、昨日も紹介したような『No Man's Sky』(ノーマンズスカイ)はたった4人で作ってめちゃカッコいいゲームですからね。工夫と発想、野心みたいなものがあれば少人数でも作れるんですね。ですからそういう部分に日本のデベロッパーやパブリッシャーも挑戦してみて欲しいですね。

―――なるほど

インディーズの世界を見ていると、過去に流行ったような2Dのアクションゲームのような、ゲーム性がピュアなものが支持されているように思いますね。そういうのが得意だった日本のデベロッパーは多いと思うんですね。今はパブリッシャー向けに業務をしているけど、ちょっと蓄えを使って挑戦する。アクションやシューティングのようなものは日本の得意芸ですよね。稲船さんの『Mighty No.9』のような、あのクリエイターの2D新作みたいなアプローチも人気を集める可能性があると思うんですね。

―――ソニーとしてインディーズ支援という点ではいかがですか?

東京ゲームショウのインディーズゲームコーナーをソニーでスポンサードさせて頂いて、出展料を無料にするという試みを今年は行います。これはもうプレイステーションというプラットフォームに限りません。とにかくインディーズで面白いものが出てこないと業界全体が沈んでいってしまう、そういう気持ちでやっています。AAAは予算規模が大きくと、どうしても売れ線に集中してしまいます。その中で作られなくなってしまったジャンルも多いはずです。なんとかインディーズを盛り上げて、多様なゲームが登場してくる環境を作る。そこから大ヒットを遂げて一線級のデベロッパーに成長していくような循環を欧米では作れていますよね。日本でもまずはヒットが生まれてくるように支援をしていくつもりです。昨日の発表会でもそうですが、こっちではもはや"インディーズ"という括りは必要なくなってますよね。もうAAAと肩を並べても遜色ないゲームが出てくる。そういう所まで早く行きたいですね。

―――クラウドゲーミングサービス「PlayStation Now」はどんな状況でしょうか?

昨日の発表会でも、多数の参入メーカーさんをスライドで紹介させて頂いたのですが、大多数のメーカーさんが乗り気になってくれています。過去にプレイステーションでゲームを出されたメーカーさんにとっては、「プレイステーションアーカイブ」と並んで過去の資産を収益化できるチャンスになりますし、ユーザーさんにとってもダウンロードか、レンタルか、という選択肢が広がる事になりメリットが大きいのではないでしょうか?

―――なるほど

過去の作品がプレイステーション4で動くようになることで「SHARE」できるというメリットも発生します。先日、過去のアーケードゲームをプレイステーション4で配信する「アーケードアーカイブス」で『忍者くん』が配信されまして、外山(圭一郎氏、『GRAVITY DAZE』ディレクター)が買って配信をしていたのですが、彼の喋りが上手くてつい引き込まれて観てしまうんですね。私もコメントで絡んだり。それはプレイステーション4になったならではですね。

―――日本のスケジュールはいかがでしょうか?

まずは北米のサービスをやって、自信をつけてから他の地域で、という形で進んでいます。時期はまだ申し訳ありませんが、まだ言えないですね。北米では、7月から全てのユーザー向けにオープンβを実施するというスケジュールでやっています。

―――国内市場の今後の展望を教えていただけますか?

日本市場はVitaが非常に元気で、自社でも『フリーダムウォーズ』や『俺の屍を越えてゆけ2』も出ますので PS4については日本のパブリッシャーさんからも沢山タイトルが出て欲しいですね。それからインディーズについても、PS4でも沢山出ますので、それが日本でも同時に出るような支援を会社としてもしていきたいと思っています。

―――スタジオのトップとしてPS4の今後目指すところは

ネットワークを使った新しい遊びですね。『ブラッドボーン』なんかは、フロム・ソフトウェアさんは『ダークソウル』でネットワークの面白い使い方を提案してくれた会社なので、今回も興味深いことを考えているようです。他のタイトルでも、長く運営していくタイプのゲームが増えましたので、当然ネットワークで更なる面白さを提供するには何が必要か研究を重ねています。また、『ディスティニー・オブ・スピリッツ』のようなF2Pのゲームも増えていくと思います。全体的にネットワークの活用を考えているというところですね。

―――最後に日本のユーザーさんにメッセージをお願いします

E3では『リトルビッグプラネット3』や『ブラッドボーン』など沢山の新しいゲームを発表させて頂きました。特に『ブラッドボーン』は私も楽しんでいて、滅茶苦茶楽しめるゲームになっているので、皆さんも期待しておいて欲しいですね。

(Article written by 土本学)
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