「Atariの墓 都市伝説の検証プロジェクト」は、アメリカのビデオゲームメーカー・アタリ社が同社のゲーム機「Atari 2600」で1982年にリリースしたゲームソフト『E.T.』にまつわるエピソードを裏づけするようなニュースを提供することになりました。日本なら『マリオ』、海外なら『Halo』や『コール オブ デューティ』など、500万本どころか1000万、2000万本と売れるソフトは今日にも見られますが、ここまで読みを外すのはなんとも豪快と言いますか、時代を感じさせる話ではあります。
アタリ社といえば「アタリショック」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。1977年にゲーム機「Atari 2600」をリリースしたアタリ社は北米市場で爆発的なブームを起こすが、82年頃からそれに目を付けた数多のメーカーが参入し、市場には粗製乱造したゲームソフトがあふれかえる。その惨状によるアタリ社の業績下方修正の煽りで親会社であるワーナー・コミュニケーションズ社の株価は大暴落。多くの小売が倒産に追い込まれ、ついにはテレビゲーム市場の崩壊を招いた……というようなニュアンスで語られることが多い、ゲーム業界の大事件を現す言葉です。もっとも「それは一面的な物の見方に過ぎず、実際はもっと複合的な要因よって引き起こされたものである」という見解も多く見られます。何しろテレビゲーム黎明期の出来事であるうえに、日本ではなく北米で起きた出来事です。当時の資料やニュースを当たることすらも、今日ではひと手間どころの問題ではありません。「アタリショックの実情はこうだった」と一口に語るのは難しさを伴うと言えるでしょう。
ともあれ、いささか俗っぽいですが「本当に350万本ものゲームソフトが廃棄されているのか?」というのも気になってしまうところ。今後、プロジェクトのメンバーは発掘作業を続けるわけですが、そこからソフトが出土されようがされまいがもはや話題性は十二分。そういう意味では、このプロジェクトはすでに成功したも同然なのかもしれません。続報を楽しみに待ちましょう。
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