人生にゲームをプラスするメディア

【東京ゲームショウ2013】『フェアリーフェンサー エフ』試遊プレイでここに注目! ─ そして落とし穴もひとつだけあった、TGSでのプレイレポ

「東京ゲームショウ2013」にてコンパイルハートが出展している、PlayStation3ソフト『フェアリーフェンサー エフ』の試遊レポートをお届けします。

ソニー PS3
ひときわ目立つ『フェアリーフェンサー エフ』試遊出展
  • ひときわ目立つ『フェアリーフェンサー エフ』試遊出展
  • ビジネスデーでもしっかり行列
「東京ゲームショウ2013」にてコンパイルハートが出展している、PlayStation3ソフト『フェアリーフェンサー エフ』の試遊レポートをお届けします。

世界市場を視野に入れて展開されるタイトルが急増する昨今、敢えて背を向けて日本の特定のユーザーに向けてゲームを制作するブランド「ガラパゴスRPG」がリリースする第1弾が、この『フェアリーフェンサー エフ』。その挑戦的な姿勢が気になり、「東京ゲームショウ2013」の試遊プレイにトライしてきました。決してヒロインのティアラさんが気になったわけではなく。

早速ゲームをスタートさせると、既にパーティは組まれている状態。ストーリー的な前振りもなかったため、この辺りは試遊用に調整された結果かと思われます。そこでまず注目したのは、パーティ構成。しかし、ティアラさんの姿は残念ながらありません。いえ、拘っているわけでは決してなく。

編成は、主人公ファングに銃使いのハーラー、そして謎生物ピピン。すんなりパーティに溶け込んでいる辺りも謎ですが、既に馴染んでいる以上ピピンの秘密に触れる機会はまた別のチャンスを待つ必要がありそうです。ともあれ、男性1名女性1名謎1名と、非常にバランスのいい構成のパーティでさあ戦闘に…の前に、どうやら街にも移動できる様子。チェックを兼ねて、まずは街へ足を伸ばしてみました。

街に入ると、広場や酒場などの項目が現れ、街の人たちに話を聞いたり、買い物ができる模様。また買い物をする前に「アリンのフェンサー講座」なる説明が自動的に始まり、買い物のやり方などを親切に教えてくれました。こういった配慮は、地味ながらも助かる注目ポイント。

今回は試遊なので、消耗品しか買えませんでしたが、おかげでためらいなくポーションを買い込むことができました。普通にプレイしてると、消耗品にお金をかけるより、ついつい武器防具を選んでしまうタチなので、これも試遊ならではの贅沢と言えるかもしれません。

準備を調えダンジョンへ。ダンジョンとは言うものの、今回の舞台は見晴らしのいい草原のような場所なので、鬱々とした気配はありません。フィールド上に点在する敵に触れると戦闘が始まるシンボルエンカウント方式となっており、任意で敵を避けることも可能。この辺りはネプテューヌチームの開発らしく、下地を継承しているようです。

避けられるといっても、RPGの華といえばやはり戦闘。本作にはシンボルアタックも用意されており、フィールド上で○ボタンによる攻撃を当てると、先制攻撃扱いという有利な状態で戦闘に臨めます。この下りもアリンが教えてくれます。ありがとう先生。

戦闘はキャラを移動させ、攻撃範囲にいる敵を選択し○ボタンから派生するコンボで敵に攻撃。ボタンに割り振られた攻撃ごとに性能や効果が異なるので、使い分けも戦略的に肝心な要素でしょう。とはいえ、試遊ということもあり、雑魚相手にはあまり考えずに繰り出しても勝てるので、気軽に爽快感を味わうことができました。

ちなみに、戦闘開始及び終了後に待たされるような感覚は特になく、スムーズにバトルを行えました。少なくとも試遊の範囲では、ロード時間に悩まされることはなく、これも嬉しいポイントです。なお戦闘勝利後のリザルト画面では、最後にトドメを指したキャラがアップで登場しますが、パターンが何種類かあるので、いつも同じ決めポーズとはなりません。ちょっとした配慮ですが、憎い演出ですね。

同じと言えば、フィールド上で操作するのはファングであり、ハーラーやピピンは戦闘中にしか画面に登場しません。決して女性キャラに固執するわけではありませんが、変更できないものかとメニュー画面を覗いたところ、隊列でリーダー変更ができました。これを変えることにより、ファングだけでなく、ハーラーやピピンがフィールドを駆けめぐることが可能となります。そう、ハーラーとかが。

なおコンフィグなども細かく設定できるようになっており、カメラ操作の反転や速度変更、音声やBGMの個別音量調節といった、外せない基本的な要素から、戦闘に関わるシンボルアタックの無効化という大胆な点の調整も可能となっています。

戦闘をこなしていくことでレベルも上がり、フィールドに落ちているアイテムも当然回収。順調に旅路は進んでいきます。シンボルエンカウント制ですが、簡略化されたアイコンではなく、敵のキャラクターがそのままの姿で登場しているので、苦手な敵だけ避けたり、特定の敵だけ狙い打つなどもできるので、計画的な探索が行えます。

そんな話を前置きしたのは、これまでの雑魚とは異なるサイズの敵を見つけたためです。トカゲのような姿をした巨躯が行く手を阻み、嫌でも緊張感が高まります。案の定、その敵からのダメージは大きく、しかも広範囲に攻撃を繰り出してくるため、この辺りから戦闘中における各キャラの配置も重要になってくるのでしょう。

まだレベルも低く、また使用できるスキルの種類も少なめですが、武装強化状態「フューリーフォーム」へと移行できる「フェアライズ」は使用可能。パラメータが強化されるだけでなく、HPを消費しますが強力な必殺技を繰り出すことも可能となります。強敵相手には、この切り札を出すこともやむなし。

派手な演出と共に、3人がそれぞれフューリーフォームへ移行。さすがに一撃必殺とまでは行きませんが、桁違いに多かった敵の長いHPゲージが面白いように減っていきます。コンボにより与えるダメージも増えている印象なので、行動順を意識して戦略を組み立てるのがよさそうです。

スキルを使うのに必要なSPはかなり減ってしまいましたが、試遊プレイなのでこの辺りがそろそろ山場でしょう。最後に何かイベントらしきもを見て終わるだろうと予測をつけて先に進むと、敵でもアイテムでもないシンボルが現れます。予感を覚えて重なると、会話画面に突入。やはりイベントの発生であり、ティアラさんの登場でした。待っていたわけでは決してありませんが。

そしてティアラさんは、優しげにお茶を勧めてきます…ただし、敵が跋扈する草原のド真ん中で。しかし我らがファングはレディの誘いを断るような真似はせずに飲み干し、結果マヒして動けなくなります。どうやらしびれ薬が混入されていた模様。我らがファングはあっさり罠にひっかかり、ティアラさんにあっさり出し抜かれてしまいます。まさかこんな手を使ってくるなんて…もう、さん付けなんてやめます。

しかし見た目の可憐さとは裏腹に、しなやかにしたたかなティアラ様。手口をあっさり教えてくれる辺り、裏表はなさそうですが、ただ可愛いだけでのヒロインではなさそうです。戦闘だけでなく、キャラクターも手応えありそうな感触を覚えながら、彼女を追いかけ先に進みます。

すると、彼女がチンピラ風の男に絡まれている場面に遭遇。どうみても盗賊の類にしか見えませんが、もう一人もしびれ薬を混入させた美少女。どちらに荷担するかと言えば…そうですね美少女です。迷う必要もありませんでした。ファング一行の方向性も同じらしく、チンピラとの戦闘が始まります。えっ、戦闘? さっきので終わりじゃなかったのか!

HPもSPも半分を切る勢いで減り、敵はどうやらイベントボスクラス。少なくとも、雑魚レベルではなさそうです。しかし、美少女を助けるために引くことはできません。ここは勇ましく、余分に買っててよかったお店のポーション。チンピラをよそに3人がそれぞれポーションを使うという実に地味な一幕を辿りながらも、ここまでに学んだコンボやスキル、そしてフューリーフォームでの必殺技で、最終的には華麗に勝利を収めました。

無事チンピラを撃退すると、意外なことにティアラ様が同行を申し出ます。その理由は実にティアラ様らしい流れでしたが、よければこの物語の流れは、試遊プレイか製品版でぜひ直接ご確認ください。残念ながら試遊は、彼女が合流したところで終わってしまいましたが、街中での会話や買い物、そして戦闘をじっくりと楽しめる骨太なプレイ体験となりました。駆け足の紹介でしたが、書ききれなかった点も含め、注目したいポイントを簡単ですがまとめておきます。

・「アリンのフェンサー講座」で、操作を分かりやすく解説。
・セレクトでヘルプが表示。
・ダンジョンはシンボルエンカウント性。シンボルアタックで先制攻撃。
・それぞれのシンボルアタックは、ファングは剣での斬攻撃、ピピンはナックル、ハーラーは蹴り。(シンボルアタックでは銃を使わない模様)
・背後から敵に触れられるとバッドエンカウントになり、不意打ち状態。
・隊列で操作キャラを変更可能。
・戦闘の前後でロードにより待たされる感覚はなし。
・会話はバックログの表示も可能。
・ティアラさんではない。ティアラ様だ。

体感の部分もあるので、個々人で差異もあるかと思いますが(特に最後)、試遊中にストレスを感じるような場面は特になく、非常に遊びやすく仕上がっているという印象を受けました。ですが、プレイする前には気づかなかった落とし穴が、たったひとつだけあります。

それは、「がっつりプレイできること」です。買い物や戦闘、そしてイベントなどを経ると、20分以上遊ぶことが可能となり、それはもちろんユーザーへのサービスの証なので嬉しい話と言えます。ですが、行列に並んでプレイを待つ場合には、他の試遊プレイと比べると列消化が遅めかもしれません。スタッフさんの方で時間制限による対応が行われる可能性もありますが、この点にはどうかご注意を。

列の待ち時間さえ除けば、快適な操作で『フェアリーフェンサー エフ』の世界をたっぷり楽しめた「東京ゲームショウ2013」の試遊プレイ。ピピンを操作したい方からティアラ様に痺れたい方まで、ガラパゴス的な人たちへの歓迎準備は万端となっております。

『フェアリーフェンサー エフ』は2013年10月10日発売予定で、価格は通常版が7,329円(税込)、リミテッドエディションが9,429円(税込)です。

(C)2013 COMPILE HEART
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ソニー アクセスランキング

  1. 『モンハンワールド:アイスボーン』ミラボレアスを倒すために考えた7つのこと

    『モンハンワールド:アイスボーン』ミラボレアスを倒すために考えた7つのこと

  2. 『モンハンワールド:アイスボーン』下手くそでも「ソロ用ムフェト・ジーヴァ」に勝てるのか? 新規救済に見えた“(ある意味)辛い狩猟”をレポート

    『モンハンワールド:アイスボーン』下手くそでも「ソロ用ムフェト・ジーヴァ」に勝てるのか? 新規救済に見えた“(ある意味)辛い狩猟”をレポート

  3. 『モンハン:ワールド』新要素をおさらい―シームレス、導蟲…注目ポイントは?【狩猟編】

    『モンハン:ワールド』新要素をおさらい―シームレス、導蟲…注目ポイントは?【狩猟編】

  4. 『原神』稲妻の各探索ギミックを解説!雷の種から結界まで、新天地の冒険を“13項目”でサポート

  5. 『原神』一番欲しい稲妻キャラは誰?1,800人以上が選んだ投票結果―1位はダントツの800票超え!

  6. 【インタビュー】“おっぱい”と口にすると胸が膨らんじゃうプロデューサーに『オメガラビリンス』の魅力をたっぷり訊いた

  7. 『かまいたちの夜』の舞台となったペンションに宿泊…!あの名シーンを妻と再現してきた【ネタバレ注意】

  8. 「『モンハンワールド:アイスボーン』で1番好きになった武器種はどれ?」結果発表―ハンターたちが命を預けた“相棒”はこいつだ!【アンケート】

  9. 『モンハン:アイスボーン』ミラボレアスの初見クリア率は約7%! 初戦の狩猟結果&先駆者たちのアドバイスを紹介【アンケート】

  10. PS5の“クリエイトボタン”では何ができる?よりスムーズになった機能を体験

アクセスランキングをもっと見る