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【ファミコン生誕30周年企画】おのれ邪鬼王!『忍者龍剣伝』 ― タイムアタック魂に火がつく超難易度アクション

本日7月15日は、1983年のファミコン発売からちょうど30年の節目を迎えるファミコン生誕30周年記念日。インサイドとGame*Sparkでは今日一日【ファミコン生誕30周年企画】として、編集者やライター陣によるファミコン総力特集をお送りしています。

任天堂 その他
1章。立ったまま斬ると動きが止まってしまうので、ジャンプ斬りメインで
  • 1章。立ったまま斬ると動きが止まってしまうので、ジャンプ斬りメインで
  • VSバーバリアン。斬りまくっていれば倒せる!
  • 2章。はしごを登るアクションや落下する穴も増加
  • 2-2。敵の配置が少しずついやらしくなってきたよ
  • VSボンバーヘッド。しゃがみ斬りでOK
  • 3章。配置はもちろん嫌な攻撃を仕掛けてくる敵も増加
  • 3-2。落ちろと言わんばかりの敵配置
  • VSバーサーカー。つぶては斬れるので、良い位置取りをキープ
本日7月15日は、1983年のファミコン発売からちょうど30年の節目を迎えるファミコン生誕30周年記念日。インサイドとGame*Sparkでは今日一日【ファミコン生誕30周年企画】として、編集者やライター陣によるファミコン総力特集をお送りしています。

あらためまして、【ファミコン生誕30周年企画】をご覧の皆さま、こんにちは。普段はインサイドでゲームに関するニュース記事を書いたり、連載記事【そそれぽ】を書いたりしているそそそこと津久井箇人です。

ファミコン生誕30周年、おめでとうございます!1982年生まれの筆者は、ファミコンと共に人生を歩んできたも同然・・・と言いたいところなのですが、幼少期は家にMSXしかない環境で育ちました、ええ(笑)。・・・とは言え、友達の家に行けばファミコンで遊ぶ!という日々を過ごしてきて、あの頃の「何も考えずハチャメチャに何でも楽しい」という感覚は、今の自分の「ゲーム好き」の原点とも言える大切な記憶です。

今回の企画では「思い出の1本」を思いっきり語って良いということで、取り上げて語るソフト、なかなか迷いました。しかし、“あの時代”と“現在”をはっきりとつなぐ「1本」はコレしかないということで、私はこのソフトについて語ろうと思います。

ずばり『忍者龍剣伝』です。

小さな頃に初めてプレイした『忍者龍剣伝』。超難易度のあのゲームが、当時なぜあんなに面白く感じれたのか、大人になった今だからこそわかる視点を交えつつ、褒めちぎりながら語っていこうと思います。

※ゲーム画像はテレビ画面をデジタルカメラで撮影したものです。一部残像や映り込みなどがあります。
※画像後半には終盤に登場するボスなどの画像が掲載されています。「ネタバレ」が気になる方は気を付けてご覧ください。



■『忍者龍剣伝』との出会い
前述の通り、家にファミコンがなかった私と『忍者龍剣伝』との出会いは、ずばり「友達の家」。遊びに行ったときによくシリーズをプレイさせてもらっていました。友達に「好きなゲームやっていいよ」と言われて選ぶゲームは、決まって『忍者龍剣伝』(笑)。

当時小学生だった自分にはあまりにも難しいゲームなので、クリアなんかもちろんできませんし、2面ぐらいで速攻でゲームオーバーになっていたと思います。もちろん、持ち主である友達もクリアできません(笑)。それでも、めちゃくちゃ面白くて好きでした。程なくスーパーファミコンを購入した私は、『忍者龍剣伝 巴』(『1』~『3』が収録されている)をソフトの発売直後に買ってしまうほどでした。


■再燃のきっかけは「ゲームセンターCX」
そもそも好きなゲームなので、バーチャルコンソールで配信されれば、愛用のWiiにもちろんダウンロード。とは言え、難しいゲームは大人になってプレイしても難しいわけで(ジャンルにもよりけりですが)。やはりその圧倒的な難易度に苦戦して、別にクリアを目指すでもなく『忍者龍剣伝』ライフを楽しんでいました。

しかし、ある日レンタルビデオ店で「ゲームセンターCX 3.0」を借りて「有野の挑戦」の『忍者龍剣伝』の回を見たんです。それがとにかく衝撃的な内容で(気になる人はレンタルで借りたりして見ましょう・笑)、そして超難易度を乗り越えてクリアに向けて挑戦する有野課長に心をうたれ、「自分も本気でやりこめばエンディングが見れるんじゃないか」と、ゲーマー魂に火がつけられました。課長曰く「魔界村より難しい」(笑)。

ちなみに、このレンタル版「ゲームセンターCX 3.0」の「有野の挑戦」には『忍者龍剣伝』のほか『ロックマン2』『魂斗羅』とかなり豪華なタイトルが収録されているので、アクションゲーマーの方には超オススメですよ~。


■で、出た~wジャンプしてコウモリに当たって穴に落ち奴~www
こうして、人生初クリアを目指して「超本気」のプレイを実機に最も近い環境が再現されるWiiバーチャルコンソールで開始。『忍者龍剣伝』の難易度において、唯一の救いはコンテニューが何回でもできること(それ故に難易度が高く設定されているという説もありますが・笑)。後に『NINJA GAIDEN』や『無双OROCHI2』にまで登場する「リュウ・ハヤブサ」は、何度死んでも、何度あの「死亡テーマ」を聴いても、プレイヤーである自分さえ諦めなければ、ラスボス「邪鬼王」「邪神」を目指して走り続けることができるのです。

本作の高難易度の最もたる部分、「リュウ・ハヤブサ」の主な死亡原因は私の主観では「落下死」。体力制のアクションなので敵からのダメージによる即死はないものの、ダメージを受けた際の「1秒ほどの固まり」「微妙な後退(空中だと吹っ飛び)」が最も恐ろしいのです。「リュウ・ハヤブサ」は、ダメージを受けた際、敵に当たられた方向ではなく、自分の背中の方向に吹っ飛びます。

【リュウ・ハヤブサ氏の主な死亡原因】
・ジャンプして飛んだ先にコウモリが配置されていて、ダメージを喰らって為す術なく落下死
・狭い足場で鳥に襲われて落下死
・上段に飛び移ろうしたタイミングで何か投げられて落下死
・突然後ろから来たヒョウに対処しようとして、振り向いて斬ろうとしたら、背中側の穴に落ちて落下死
・ジャンプ先の敵を倒して安心したあと、少し画面を戻したせいで敵が復活していてそいつに当たって落下死
※2013年7月現在、筆者調べ


落下死以外にも、もちろん敵の配置が厳しいところで死亡することはあるものの(主に鳥、特に白い鳥)、上記を中心とした落下死を回避できれば本作の体感難易度はかなり変わります。「落下死ポイント」を抑えておくことで、それまでと違い、ステージをかなり進められるようになりました。


■絶望のラスボス戦と「第6章」ループ
どうにかラスボスにまでたどり着いたわけですが、噂のアレにハマりました。それまでは、死亡したらゲームオーバー以外「その場面の最初」からのリスタートなのですが、ラスボス戦においては死亡すると、何と「第6章のステージの最初」から。もちろん「第6章」のステージも他のステージ同様に簡単ではありません。

唯一の救いは、段階変身する「ラスボス」の段階が、再戦時にも残っていること。第2段階で死亡したら、再戦時も第2段階からというわけです。死亡しながら攻略法を探すにも、毎回「第6章」を最初からプレイすることになります。「根気」さえあれば・・・何度も何度も何度もゲームオーバーになりながら・・・そしてついに・・・!


■クリアして始まった自分だけの『忍者龍剣伝』
何時間かかったか、何度ゲームオーバーになったか・・・ついに撃破できたラスボス「邪鬼王」「邪神」。「キャプテン翼」で培われた旧テクモの映像表現も素晴らしく、エンディングもかなりドラマティックでした。しかし、自分の中にはシコリが残ります。

――もっと上手くプレイできたはず。
――攻略法を身につけた今、「邪鬼王」「邪神」撃破はもっと簡単なはず。
――もっと早く、エンディング見れるはず。

ここから、まさかのiPhoneデフォルトの時計アプリのストップウォッチ機能で、ステージのラップタイムを計測ながら、クリアのその先を目指したプレイが始まりました。


■なぜここまで滾らせられるか
ひとつは間違いなく「音楽」と「効果音」。『忍者龍剣伝』の音楽はファミコンのポテンシャルをフルに引き出したものとなっており、そうした技術的な音の厚みはもちろん、楽曲そのものも名曲ばかり。忍者らしい疾走感溢れる曲がゲーム中は絶えず流れており、気分が高揚してきます。

「効果音」もまた素晴らしく、刀を振っただけで「シュパッ!」、ジャンプと着地で「チャッチャチャッチャ」、ザコ敵を斬ったら「ズバーンッ!」、ダメージを受ければ「ドゥーン・・・ッ!」と、ひとつひとつが大げさ。これがたまらなく気持ち良いのです。

そんな疾走感溢れるブ厚い「音楽」と大袈裟なまでに派手な「効果音」によって、『忍者龍剣伝』はプレイヤーを滾らせてくれている気がします。


■気になる筆者のクリアタイム
筆者のiPhoneの中に残っているスクショ記録によると、これまでの『忍者龍剣伝』クリアタイムは、2012年3月14日に出した【20分22秒6】というのが最高の模様。最近は全然プレイしていなかったので、今回の執筆にあたり、久々にWiiバーチャルコンソール『忍者龍剣伝』でタイムアタックに挑戦しみました。その結果・・・

過去最高記録 - 20分22秒6

今回のプレイ 1回目 - 36分00秒7
今回のプレイ 2回目 - 58分03秒2
今回のプレイ 3回目 - 26分50秒2


2回目のプレイは完全にラスボス死亡の結果。3段階目「邪神」戦の不規則攻撃に思いっきりハマってしまい、何度も第6章をループする無残な状況に。こんなに難しかったけ!?と、まだまだ精進が足りないなあという不甲斐ない結果に終わってしまいました。3回目のプレイでなんとか30分切り。まだまだ奥深く、『忍者龍剣伝』は一生遊べるゲームです(笑)。

そんなワケで、この記事ではクリアの証拠として全ステージの直撮り画像を掲載しています。また、伝説の名台詞「おのれ邪鬼王!」は一文字ずつ画像を用意してみましたのでお楽しみください(笑)。


■『忍者龍剣伝』が好きすぎて
2010年にこんなものも作っていました。公私混同も甚だしい!(笑)




そんなワケで、『忍者龍剣伝』について延々と語ってきましたが、いかがだったでしょうか。ちょっとでもプレイしたくなったりしてませんか?(笑)してませんね!(笑)ありがたいことに、現在『忍者龍剣伝』は、3DSとWiiのバーチャルコンソールで配信されているので、かなり手軽にプレイできます。なので、プレイしたくなったらいつでもダウンロードして購入しちゃってくださいね。コーエーテクモゲームスさま、Wii Uバーチャルコンソールでの配信も何卒!何卒よろしくお願い致します!

ちなみに『忍者龍剣伝』のアメリカ版のタイトルは『NINJA GAIDEN』・・・そうです。今も尚、『忍者龍剣伝』の系譜である『NINJA GAIDEN』シリーズは最新作が世界中で発売され続けており、さらに『無双OROCHI2』シリーズにゲスト出演している『NINJA GAIDEN』の「リュウ・ハヤブサ」のテーマソングは、『忍者龍剣伝』の4面BGMやエンディングテーマとしてお馴染みの名曲「鮮烈のリュウ」のアレンジバージョン。近年のゲームにも『忍者龍剣伝』の血はしっかりと流れ続けているのです。

それらの原点にあたる、超高難易度なファミコンの名作アクションゲーム『忍者龍剣伝』。興味を持った方はぜひぜひプレイしてみてくださいね。

ファミコン30周年おめでとう!!!


ニンテンドー3DSバーチャルコンソール『忍者龍剣伝』は、好評配信中で価格は500円(税込)です。
Wiiバーチャルコンソール『忍者龍剣伝』は、好評配信中で価格は500Wiiポイントです。

(C)1988 コーエーテクモゲームス All rights reserved.

■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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