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【女子もゲーム三昧】47回 原画を見たらプレイしたくなったので、名作『ベイグラントストーリー』をゲームアーカイブス版でプレイ!

「女子もゲーム三昧」担当のみかめです。先日、アルトニアで開催された『ベイグラントストーリー』原画展をレポートしましたが、実は未プレイの筆者、これを機にプレイしてみようと思いゲームアーカイブス版をダウンロードしました。

ソニー PS
名作はじめます!
  • 名作はじめます!
  • 絶妙なカメラアングル
  • ポリゴンで作られたダンジョン
  • パズル要素もあり
  • リムを狙って攻撃!
  • リスクブレイカーランク上位を目指せ!
  • 宝箱には複数のアイテムが入っています
  • 個性的すぎるキャラクター
「女子もゲーム三昧」担当のみかめです。先日、アルトニアで開催された『ベイグラントストーリー』原画展をレポートしましたが、実は未プレイの筆者、これを機にプレイしてみようと思いゲームアーカイブス版をダウンロードしました。発売当時はお金と時間の余力がなく断念してしまいましたが、こうして手軽に購入できるのは嬉しいところ。それでは早速いってみましょう!

■難解だけど奥深い
初見の感想は「難解」。これに尽きます。開始早々「玄人向け」という言葉が頭に浮かびました。ファンタジックな世界ではありますが、剣と魔法、正義と悪だけでは語れない、大人向けなストーリーとなっています。武器のカスタムや称号などのやり込み要素も多く、ハマったらとことん突き詰めてやりたくなるゲームです。

■実機ムービーで映画のような演出
本作は当時のゲームには珍しくフルポリゴンで描かれており、移動と戦闘とムービーの切り替えがなく進行していきます。当時のRPGにはプリレンダリングムービーが差し込まれるのがお決まりでしたが、本作はほぼ実機のムービーにて進行していきます。なのでムービー切り替え時の煩わしさがなく、展開は非常にスムーズ。しかも、カメラアングル、演出、キャラクターの動きが実にドラマティックで、プリレンダリングムービーよりも映画的。キャラクターは吉田明彦氏の手描きイラストの味を残しており、背景は写実的というよりは絵画的に描かれているので、中途半端なリアリティに興ざめすることなくその世界にはまり込めます。特に驚いたのが表情の変化。キャラクターの心情を丁寧に映し出しています。ここまで凝っていると音声がなくても感動できるものです。

■ダンジョンは続くよどこまでも
開始早々、城塞都市レアモンデ内をひたすら探索していくことになります。L、Rボタンで360度回転させながら、ジャンプ、物を担ぐ、物を壊すといったアクションを駆使して先へと進んでいきます。かつて高度な文明を築いていたであろう都市の残滓がところどころに残されているので、ゆっくり時間をかけてフロアを観察していきたいところ。各フロアに名前がつけられており、メニュー画面のマップから確認することができます。ゲーム序盤はひたすらダンジョンを進んでいくことになるので、閉塞感が半端じゃありません。あれ、街は?お城は?お買い物は?うーん、さすが玄人向けゲーム。そういえば、リアルタイムでプレイしていたゲーマーさん数名に感想を聞いたところ、全員が「ひたすらダンジョン籠っていた気がする」と語ってくれました。

■カッコいい戦闘システム
本作はアクションRPGですが、ボタンを押したら攻撃をするのではなくコマンド制のバトルになっています。敵に攻撃するにはまずリラックスモードからボタンを押してバトルモードにします。もう一度ボタンを押すとターゲットドームが出現するので、この射程に敵を捉え、部位(リム)を選択して攻撃します。リムは「HEAD」「BODY」「R.ARM」「L.ARM」「LEGS」などに分けられ、敵によって変化します。リムごとにHPがあるわけではなく、同じ箇所を攻撃し続けることでその部位にステータス異常を起こさせるのが狙いです。

人によってはボタンを押せば攻撃するくらいの直感的な動作を好むかもしれませんが、射程ギリギリまで接近するかけひきや、一定のリムに絞って敵の動きを封じる攻撃など、戦略的な戦いを組み立てることができるし、なにより緑色のラインで描かれるターゲットドームの演出がとにかくカッコいいので個人的にはかなりお気に入り。

■ATBの代わりの「RISK」
コマンド制のアクションRPGといえば『パラサイト・イヴ』を思い出しますが、本作はアクティブタイムバトル(ATB)ではないので、己のタイミングでひたすら攻撃を加えることが可能です。これなら間髪入れずにボタンを押していれば勝てそうですが、そう簡単にいかないのが本作。プレイヤーが武器で攻撃するたび、RISKという数値があがっていき。これが高くなると受けるダメージが大きくなったり、攻撃が当たりにくくなったりします。

ゲームを進めていくとタイミング良くボタンを押してコンボを繋げられるようになりますが、やりすぎるとRISKがどんどん溜まっていくので気がついたらゲームオーバーなんてことも。筆者はザコ相手にコンボの練習をしていたらリスクが溜まりまくってゲームオーバーになってしまいました(苦笑) ちなみにコンボから発生する「バトルアビリティ」はかなり使えますが、武器によってタイミングが違うので、感覚を掴むまでかなり苦労しました。

■武器・防具を知り尽くす
本作にハマった人に聞いたところ「武器・防具のカスタムに数時間費やした」とのこと。武器・防具は合成して強化することが可能。熟練値のようなものもあるので、使い込んだものの方が強くなります。武器はパーツごとに分かれており、何通りも組み合わることができます。敵には得意な武器と苦手な武器があるので使い分けも大切。プレイヤーにはレベルが存在しないため、武器・防具を極め、我が身を守って敵を砕かねばならないわけです。本作にハマった人は武器防具合成にハマったと言っても過言ではないのでは?と思う程奥深い要素です。

■個性的なキャラに惚れた
本作の主人公アシュレイは完成された戦士。優秀なリスクブレイカー(危険請負人)として、冷静に任務をこなしていきます。本作が大人向けっぽい雰囲気を醸し出しているのはひとえにアシュレイの印象によるものなのかも。しかし本作、アシュレイといい、敵のシドニーといい、露出度の高い方が多いです。全体的に裸族です。シドニーはギリギリアウトな気配さえ感じますが、カルト教団の教祖様はこうでなくちゃいけないのかもしれません。個性的な出で立ちと強烈なキャラクターに筆者は興味津々です。シドニー様、今なら更なる信者を獲得できそうですよ(笑)

<総評>
・ストーリーやシステムがやや難解なので玄人向けという印象ですが、やり込み要素が多いのでハマったらとことん突き詰めてやりたくなります。
・キャラクター、背景はポリゴンで作られていますが、吉田明彦氏の手描きイラストの味を残しています。キャラクターは表情豊か。カメラアングルなども凝っており、実機ムービーはまるで映画みたい。
・コマンド制アクションRPG。「ターゲットドーム」に敵を捉え、部位(リム)を選択して攻撃します。ATBの代わりにRISK値があります。ただボタンを連打して攻撃するのではなく、戦略的な攻撃を組み立てることが可能。
・タイミング良くボタンを押してコンボを繋げる「バトルアビリティ」で戦闘に有利に。やりすぎるとRISK値が跳ね上がるので注意。
・武器・防具のカスタムの幅はかなり広く、はまった人はこれだけで何時間も費やしてしまうほど。プレイヤーにはレベルが存在しないため、武器・防具を極め、我が身を守って敵を倒していきます。
・アシュレイやシドニーなど、個性的なキャラがかなり魅力的。

数年の時を経て、当時やれなかった本作をプレイしたわけですが、想像以上にどっぷりとハマりこんでしまいました。同時に、忍耐力のなかった若かりし自分ではここまでハマらなかったかも、という印象も受けました。大人になった今だからこそ魅力に気がつけたのかもしれません。PSPやPS Vitaなどの携帯機でも遊べるのも嬉しいですね。600円でこれだけハマれるならお買い得です。

ゲームアーカイブス版『ベイグラントストーリー』は、好評配信中で価格は600円(税込)です。

(C)2000 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
キャラクターデザイン:吉田 明彦


■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/
《みかめ》

ゲームと歴史 みかめ

ライター・イラストレーター・漫画家。 2011年よりゲームライターとして活動中。 2017年 ゼルダの伝説 30周年記念書籍 第2集ゼルダの伝説 ハイラル百科 ゼルダの伝説 30周年記念書籍 第3集 ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド:マスターワークス 2020年 あつまれ どうぶつの森 完全攻略本+超カタログ 2021年 ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD 完全攻略本

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