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『Halo』シリーズのクリエイティブ・ディレクターがインディーズゲームに挑戦!

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ゲームエンジン「Unity」の開発者向け国際カンファレンス「Unite Japan」で4月15日、米カモフラージュ・スタジオ(http://www.camouflaj.com/)のライアン・ペイトン氏が基調講演を行い、iOS向け新作アクション・アドベンチャー『リパブリック』を発表しました。

自ら「壮大な世界観やストーリーが楽しめるゲームを作りたい」というペイトン氏は、『メタルギアソリッド4』『Halo3』の開発に携わっても得られたかった喜びが『リパブリック』の制作では体感できていると語り、開発プラットフォームとなったUnityに対する賛辞を語りました。

映画『トップガン』を見て「『アフターバーナー』のパクリだと思った」というほど、ゲームを愛してやまないペイトン氏。『ファイナルファンタジーVI』『メタルギアソリッド』などをリアルタイムでプレーした世代で、その壮大な世界観とメッセージ性の高いストーリーから、国産ゲームに夢中になりました。その後ゲームライターを振り出しに、あこがれだった『メタルギアソリッド3』や『Halo』シリーズの開発に参加。しかし、次第にかつてのような情熱を持てなくなったと言います。

ペイトン氏が考える「大作ゲーム開発の条件」とは、「(1)自由な創造性」「(2)優秀な開発チーム」「(3)資金」「(4)成功しているプラットフォーム」「(5)エンジン(技術)」の5項目です。『メタルギアソリッド3』のリリース後、母親の病気で東京からシアトルに戻らざるを得なくなったペイトン氏。マイクロソフトからのオファーで『Halo4』の開発にクリエイティブ・ディレクターとして参加する幸運に恵まれたものの、残念ながらこの5要素を満たすものではなかったといいます。

「『Halo』は国際的なフランチャイズだから、ストーリーも国際的であることが求められました。でも、Xbox360は大ヒットしたといっても北米と英国が約8割で、『国際的』であるとは思えませんでした。これはゲーム機というプラットフォームの限界です。私は世界の1億人にプレーしてもらって、メッセージを届けられるような、本当の意味で壮大で国際的なゲームが作りたいのです」(ペイトン氏)。

しかし、ようやく個人開発者やインディーズでも、こうしたチャレンジが可能になってきたとペイトン氏は語ります。業界でリストラが進む一方で、インディゲームに注目が集まり、優秀な人材が雇用できるようになりました。スマホやタブレットはゲーム機以上に全世界で普及していますし、PCゲーム向けではSteamもあります。当初はプアだったUnityもここ数年で急速に拡充され、リッチなゲームが開発できるようになってきました。資金面でもクラウドファウンディングが登場し、ベンチャーでも資金調達が可能に。あとは創造性があればOKというわけです。

こうした流れを感じたライアン氏が、有り金をはたいてシアトルに設立したディベロッパーがカモフラージュです。「1000万人ではなく1億人にプレイしてもらって、ハリウッドと勝負したい」という思いから、iOSデバイス向けにアクションアドベンチャー『リパブリック』の開発を立ち上げました。内容は「コンソール並のリッチな体験ができるモバイルゲーム」「ワンボタンアクションによるシンプルな操作性」「インターネットの自由という哲学的なテーマ」の三題噺で、ゲームエンジンはもちろんUnity。17人のメンバーと共に、開発が終盤にさしかかってきました。

もっとも、開発途中で資金がショートし、プロジェクトが空中分解の危機に陥ったのだとか。苦渋の決断をしようとしたその時に飛び込んできたのが、米ダブルファイン社がクラウドファウンディングのキックスターターに登場し、24時間で100万ドルを調達したというニュースでした(最終的に333万ドルを調達)。これに勇気づけられたペイトン氏もキックスターターで資金調達に挑戦し、50万ドルの目標額に対して、最終的に55万ドルとギリギリで調達に成功。なんとか開発を継続させられたと言います。

そんなペイトン氏はUnityを「フレキシビリティが高いゲームエンジン」と評価しました。開発に先立ち、さまざまなゲームエンジンを評価しましたが、モーションキャプチャーやフェイシャルアニメーションと連携させるうえで、自由にカスタマイズできる点が良かったとのこと。キャラクターAIの機能も優れており、深いレベルまで使いこなしていると語りました。ゲームの詳細は明らかにされませんでしたが、屋内を舞台にしたステルスアクションになる模様。主人公の女性ホープと敵キャラクターのインタラクションがゲームのキモになるようです。

ちなみにペイトン氏は今年のGDCで「リパブリック」のパブリッシングにあたり、さまざまなミーティングを行ったとのことですが、会場が「クリエイティブ組」と「ビジネス組」に分断されていたことに対して、懸念を示していました。前者がインディゲームで世界を震撼させるようなゲームを作ろうとしているのに対して、後者が求めているのはソーシャルゲームやカジュアルゲーム。後者の方がずっと市場が大きいことは、言うまでもありません。「インディゲームで壮大なゲームが成立するという道を示したい」と心意気を新たにしたと言います。

気になるリリース日は未定とのことですが、それほど遠い話でもない様子。ますはiOS向けにリリースし、次いでPC/Mac版を投入予定。日本語版のリリースも検討中とのことでした(章立て構成で、第一章は無料配信といった販売形態も視野に入れているとのことです)。いずれにせよAAAゲームに携わったクリエイターがインディゲームに挑戦中という点が2013年のゲーム業界を象徴していると言えそうです。また、こうしたタイトルの事例を基調講演にもってくるあたり、Unityの「インディーズゲームを応援していく」という姿勢の表れだったと言えるでしょう。
《小野憲史》

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