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日本のソーシャルゲームの海外展開を支援したい! 米Kabamが5千万ドルの基金を設立

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ケビン・チョウCEO
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スマートフォン&ブラウザ向けにF2Pゲームをリリースする米Kabam(カバム)は、4月8日に都内で記者発表を行い、国内ディベロッパーの海外進出を支援する基金「カバム・ウェスタン・ワールドワイド・ディベロッパーズ・ファンド」(Kabam WWDevFund)の設立を表明しました。

基金の総額は5千万ドルで、国内で運営中のソーシャルゲームが北米・欧州で展開する際のマーケティング費用に費やされます。

同社で共同創業者・最高経営責任者をつとめるケビン・チョウ氏は「カードゲーム型のゲームなど、日本のソーシャルゲームは世界的に大変ユニークで、だからこそエキサイティング。カバムのパブリッシング・ノウハウと組み合わせれば、海外で大きな成功が期待できる」とコメント。5社から15社をめどに契約を結びたいと見通しを語りました。また、個人的に感銘を受けたタイトルとして『パズル&ドラゴンズ』をあげました。

国内では知名度のひくい同社ですが、海外では代表作『Kingdoms of Camelot』をはじめ、数々のヒットタイトルを持つ新進パブリッシャーです。2012年度の年間推定収益は2億7千万ドルで、前年対比70%の増収を達成。その間にインテル、ワーナーブラザーズ、MGM、SKテレコムなどの大手企業から投資を呼び込みました。ワーナー社CEOは同社の取締役にも名を連ねており、『ホビット 思いがけない冒険』『ゴッドファーザー』などの映画版権ゲームもリリースしています。

また自社開発タイトルの運営だけでなく、本年3月には他社タイトルのパブリッシング事業にも進出し、15タイトルの配信を行いました。5月には映画「ワイルド ユーロ・ミッション」の全米公開にあわせて、映画原作のレースゲームを配信予定。同社で初めての日本上陸タイトルとなります。

チョウ氏は国産ソーシャルゲームの海外展開が不調な理由として、「70万以上のアプリが存在し、国ごとにマーケティングを行う必要があること」「各国ごとの文化に適したローカライズが必要なこと」「海外展開にあたり適切なパートナーが存在しないこと」の3点を上げました。そして同社とのアライアンスで、これらが解消できるとしました。同社では13カ国語のローカライズを行い、世界100カ国・地域に向けて配信中。国産タイトルの海外向けローカライズも社内のチームで対応可能です。

同社では現在、主力のゲームタイトルで毎月100万ドルの広告宣伝費を費やしており、アップル、Google、Facebookで販売促進を行っています。またドイツの大手メディア起業、ProSieben社と代理店契約を行い、欧州での販売促進を進めています。同社の売上比率は北米が55%、欧州が45%で、同社のヒットタイトルとのクロスプロモーションが期待できる点も強みとなります。収益率も高く、米国最大の無料ゲーム会社と比較して、8倍のARPUを誇るといいます。

チョウ氏は事例として、中国R2 GAMESが運営中のブラウザシミュレーション『Wartune』を紹介しました。中国でトップ10を記録した本作をカバムで欧米向けにパブリッシングしたところ、リリース後3ヶ月で月間100万ドル以上の利益を上げるヒット作となったそうです。またタイトルは明かされませんでしたが、コネチカット州のあるディベロッパーが開発したソーシャルゲームは、それまで1日に500ドルしか売上がなかったものが、カバムでパブリッシングしたところ、2万ドルもの売上を記録するタイトルに成長したそうです。

ちなみに同社ではパブリッシングにあたり、多彩なレベニューシェアのモデルを用意しており、それぞれの条件にあわせて明確な契約を行いたいとしています。日本企業側がIPを保持したり、独占・非独占の契約も選べるというわけです。「すでに何社かと交渉は始めているが、我々の知名度は決して高くない。全世界で一番組みたいのは日本企業なので、ぜひ良い出会いがあることを期待している」(チョウ氏)と呼びかけていました。
《小野憲史》

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