先般リリースされた『ほしくる』と『ミララミ』は京都精華大学のデジタルクリエイションコースの学生たちが授業で制作したiPhoneゲーム。同コースではWeb、CG、ゲームなどコンテンツ制作を学びます。しかし美大ですから、デザインの素養はあっても、プログラミングを少しでも経験した事のある学生は僅かだったそうです。そして今年度の学生は全員が女性でした。
授業では猿楽庁の橋本徹氏(長官)と、Route24の西健一氏(『ちびロボ!』など)が講師としてゲームデザインやプログラミングを指導。最後は5~6人のチームに別れて、1年間かけてiPhoneでのゲーム制作にチャレンジ。制作したゲームは実際にAppStoreで世界中に公開されるという流れ。そうしたリリースされたのが『ほしくる』や『ミララミ』です。
『ほしくる』は空から落ちてくる星をキャッチしていくアクションゲーム。アクションといっても、操作は左右の2つのボタンのみ。ボタンを押してキャラクター(UFO?)を動かしてキャッチ。ゲームメカニックとしては左右のボタンが少々押しづらいのがポイントでしょうか。ボタンを離しても慣性で暫く動き続けるというのもアクションを奥深くしています。星を集めると世界に光が戻ってくるという演出もゲームデザインとマッチしていて好感度高し、です。
『ミララミ』は落ち物パズルの一種で、複数のパネルを組み合わせ、閉じた図形を作ることでパネルが消えて得点が得られるというもの。ここまでだと有りがちなゲームですが、このゲームの特徴は中央が鏡のようになっていて、上と下の両方から同じパネルが落ちてきて、中央に落ちていくこと。中央で上下から落ちてきたパネルが、がっちゃんことなるので、そこで図形を組み立てます。百聞は一見に如かずという諺もありますので、ぜひ一度プレイを。このクリエイティブには思わずうねってしまいました。
どちらのゲームもデザイン的に美しいだけでなく、その美しさがゲームデザインと直結していて、思わず手を叩いてしまうようなゲームに仕上がっています。これを授業で作ってしまうとは末恐ろしい。実際に卒業後にはゲーム関係に進む学生もいるようです。どんなクリエイターが生まれるのか、楽しみですね。
ちなみに、今年も4月から同様の授業があるとのこと。またレポートしたいと思ってますので、ご期待を。
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