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米スタンフォード大学ゲーム保存研究の権威ヘンリー博士が語る「ビデオゲームの文化と保存」

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ヘンリー・ローウッド博士
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嵐山時雨殿で開催されたゲーム保存国際カンファレンスにて、米国スタンフォード大学のヘンリー・ローウッド博士によるプレゼンテーションが行われました。その模様をレポートします。

このカンファレンス「ゲーム保存国際カンファレンス:ビデオゲーム~保存?忘却?世界はどう考えているか~」では、産学官の協調関係を前提に、ビデオゲームやその文化の保存についてこれまで積極的に取り組んできた米英のキーマンを招いて、国内において文化庁の「平成24年度メディア芸術デジタルアーカイブ事業」に採択された、立命館大学ゲーム研究センター、RCGSにおけるゲームアーカイブの取り組みをあわせて紹介しながら、「ビデオゲームやそれらを取り巻く文化」の保存に関し、改めてその社会文化的意義について国際的な視野を織り込みつつ考えるとともに、それらが地域活性化にもたらす可能性についてを題材にプレゼンテーションやシンポジウムが行われました。

最初のプレゼンテーションを行ったのはこの日のために米国から来日したヘンリー・ローウッド博士。博士は、世界におけるゲーム保存研究の第一人者として知られ、米国カリフォルニア大学から、科学技術史で博士課程を取得後、スタンフォード大学にて、物理学図書館の担当長、ドイツ語コレクションキュレーターならびに人文資料グループ長に。同時に1983年から現在まで科学技術史コレクションのキュレーターとして務められています。2000年より、スタンフォード大学人文研究所において、コンピュータゲーム並びにシミュレーション技術史に焦点をあてた「How They Got Game Project」のディレクターを務め2004年から2008年までは人文研究所の副所長を務められました。

プレゼンテーションは同時通訳によって進行。ヘンリー博士はまず1998年から開始されたアーカイブ活動について解説。この時は、1993年までに発行、発売されたゲームタイトルを収集。70以上のプラットフォーム、15000本ものゲームタイトルがアーカイブされたとのことです。この時収集されたものはゲームのソフトウェアのみならず、パッケージに含まれる箱やハガキ、取扱説明書といったマニュアルなども含まれ、これらは積み重ねると300m以上もの資料が存在したといいます。これについて博士は「ゲームコレクターが集めるコレクションは実際に遊ぶためのものではなく、取説などをながめるためのものでもある」とコメント。

アーカイブされているものの大半はゲームソフトそのものではなく関連する資料が大部分を占めていることにも触れられ、例えば戦争ゲームにおいては実際に行われた湾岸戦争で収集された情報、記録などが資料として扱われており、どのように戦闘が行われたのかという実戦の記録や、どういう通信が実際に行われたのかといった記録など様々な資料が存在したと言います。ゲームを開発するためにどのような手段が取られたのかといった記録は、ZIPディスクなど様々な今では旧世代化した媒体からデータを読み取らねばならないので大変とのこと。

さらに、日本や英国と進められているゲーム保存の新プロジェクトについても解説され、これはゲームソフトのみならず、写真やマニュアルやパッケージといったゲームに関する全てのデータをデジタルにしてしまうものであるのとこと。フロッピーディスクなど劣化するメディアからの情報のサルベージが目下の課題とされ、頭を悩ませられている様子でした。そしてなによりも、このプロジェクトには方々の協力が肝要であるとされていました。

最後にヘンリー博士は、ゲームのアーカイブを構築することは決してシステマティックに出来る事ではなく、人間の手による途方も無い作業が必要である事、「ゲーム保存ができれば他のものはなんでも保存できる」とゲームの保存が一番難しいと言う事を語られていました。
《ひびき》

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