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【インディペンデントゲームジャパン】広がるゲームの医療・介護福祉分野への活用

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【インディペンデントゲームジャパン】広がるゲームの医療・介護福祉分野への活用
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12月20日の13時10分より福岡市のアクロス福岡にてカンファレンス「ゲームの医療・介護福祉分野での応用と今後の可能性」が実施されました。このカンファレンスは、18日から開催された「スマートモビリティアジア」の最終日に行われた同時開催イベント「イン
ディペンデントゲームジャパン」の1つとして設けられています。

このカンファレンスは、九州大学大学院芸術工学研究院デザインストラテジー部門講師でシリアスゲームプロジェクト代表の松隈浩之氏がプレゼンテーションを行いました。

福岡では福岡市と地元のゲーム会社による任意団体であるGFF、これに加えて九州大学が加わった福岡ゲーム産業振興機構が組織されていることが知られてますが、この松隈氏が代表を務めるシリアスゲームプロジェクトも、福岡市、GFF、九州大学で組織されている団体です。

シリアスゲームでは、ゲームが従来のエンターテイメントや教育以外に、その利用方法の開発も含め、社会の諸領域の問題解決のために有用であることを目指しています。その理念に基き、このシリアスゲームプロジェクトで開発されたのが『樹立の森リハビリウム』です。

CEDECでも3年連続で採択されているなど業界内でも理解や定着が進みつつありますが、プレゼンテーションは、これまでの『樹立の森リハビリウム』の経過についての報告
ともなりました。

「企画・開発編」では「なぜリハビリ?」といったところからスタート。同じく九大では現在、大学病院のリハビリテーション部で助教の高杉紳一郎氏がナムコと共同で転倒予防を目的として開発し、2006年に発売した『ドキドキへび退治RT』の事例があります(今年は『ドキドキへび退治II』を発売)。これをやってみたら達人の域になった人もいるが、リハビリのつもりではなくて楽しみながらやっている点を重要視しています。

当時からリハビリ専用ゲームを作れないか?という要請がありました。Wiiを使ったものでも健常者用のゲームが多いため、リハビリ用にも遊べるゲームが作れないかといったものでした。その視点から医療およびヘルスケアとゲーム開発の組み合わせとなっています。

リハビリといっても部位によっても症状によっても異なるため、リハビリ訓練の基礎となる「起立訓練」に目が向けられました。全ての身の回り動作の基本で、推奨グレードAとされている「起立訓練」の短調で辛い動作を楽しくするミッションですが、それと同時に、立ったり座ったりといった動作を阻害する要素は入れないというシンプルさも求められました。

具体的には、使用環境は病院などの施設、システムはKinectとパソコン、ターゲットはリハビリが必要な高齢者となりました。ゲームデザインの条件については失敗などのストレスや難しい動作はNGとしました。通常のゲームはストレスと快感の繰り返しで達成感を得ますが、リハビリが目的なのにゲームで躓いてはいけないという配慮のためです。ビジュアル、リワード、コレクション、サウンドなどの楽しませる要素としては、立ち座りにより木を伸ばす、カード、メダル、花を収集に絞られました。

臨床検証では、リハビリ医療の現場における有用性と安全性の検証として、自主訓練での最大起立回数 リハビリウムを使用した主観評価、セラピストの介入によるバイタルサインの3点が用いられました。その結果、リハビリウムにはセラピストの介入と同様の有効性が得られ、整理反応や転倒事故に対する安全性も確認されました。

セラピストも回数のカウントをする必要がなく、利用者の観察が可能になった一方で、システムの操作が面倒、情報が複雑、バランスボードの段差が危険、音が聞こえづらいといった課題も残されました。

次に「改良・導入編」です。設置場所が病院から老健(老人保健施設)へ変わるのに伴い、空間および設置環境、保健制度、スタッフ、利用者の人数などから1人あたりのリハ時間も3時間から20分へと変わりました。

ターゲットは老健の高齢者とセラピスト、ゆくゆくは個人用として普及を狙います。まずは集団用からの導入ですが、利用者だけではなくてセラピストも盛り上げないといけないため、どうしたらいいか分からないという難点もありました。システムは一発起動、ユーザ管理はバーコードと簡素化しました。Kinectの導入は同じです。

画面構成では、文字を大きくする、賑やかしの要素を入れる、コレクション画面を整理するとなりました。そしてランキングの導入では、Kinectのカメラを利用してメダルの絵柄をスタッフへ変更したところ、専用ブース、補助バー、外部装飾、フィットネスマシンの配置に配慮など、利用者とセラピストとの交流や意見交換の効果まで得られました。

また実際に利用者の脳波を計測したところ、無効果ではないという結果も出ました。1人でゲームをするよりも効果が増えるが、セラピストと一緒だと甘えが出るといった結果にもなっています。

そうした経緯を踏まえてメディカ出版から近々『リハビリウム起立くん』として市販されることも決定しました。

最後に「社会状況の変化と今後の可能性」について語られました。2025年には20兆円の市場規模、2040年には3人に1人という超高齢化社会の到来でリハビリのニーズが今後急速に高まるのが見えています。

同時に医療保険から介護保険にシフトしていきますが、ゲームセンターの高齢者対応が既に始まっているのが分かるように、世代が徐々にゲームネイティブに推移していくた、
エンタメの導入は必須で、各施設でも差別化を図る必要に迫られることになります。リハビリからヘルスケア、そしてレクリエーションへの応用にゲームが役立っていく未来の一端が垣間見えました。
《真狩 祐志》

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