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カプコンの本気度がひしひしと伝わる大作『鬼武者Soul』

誰でも手軽にサクッと遊べて、気がつくと激ハマリしている・・・。言うのは簡単ですが、実際に作るとなると、これほど難しい命題はありません。カプコンの『鬼武者Soul』はそんな困難に立ち向かった作品と言えます。

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カプコンの本気度がひしひしと伝わる大作『鬼武者Soul』
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誰でも手軽にサクッと遊べて、気がつくと激ハマリしている・・・。言うのは簡単ですが、実際に作るとなると、これほど難しい命題はありません。特に大人数でプレイするオンラインゲームでは、なおさらです。プレイヤーを飽きさせないために、あの手この手で楽しませる必要がありますが、開発や運営のハードルは高いものになります。

そうした中で、カプコンからリリースされた新作ゲーム『鬼武者Soul』は、このハードルに正面から挑んだ意欲作となっています。正直なところ、テストプレイをして最初に抱いた感想が、「いや、よく作ったな、これ・・・」という感嘆とも、ため息ともつかぬものでした。同社の本気度がひしひしと伝わってくる内容でしょう。

ゲームは同社の人気アクションゲーム『鬼武者』シリーズの世界観を縦軸、いわゆる箱庭系シミュレーションを横軸として、そこに様々な要素をてんこもりにした、サービス満点の内容になっています。また、ユーザーが気軽に遊べるよう、インストール&ダウンロード一切不要のブラウザで遊べるゲームとなっていて、ビジネスモデルはアイテム課金のため、誰でも無料でプレイ可能。10年前にこんな時代が来るとは、まったく予想できませんでした。

■内政・クエスト・合戦の三本柱で展開

桶狭間で急死するものの、幻魔ギルデンスタンとの契約で復活した織田信長。一方で秘術「時のねじれ」の余波を受け、過去と未来の戦国武将たちが現世に復活。「幻魔」「鬼」「人」の三勢力に分かれて活動中・・・というのが主な設定です。プレイヤーもまた戦国大名となり、全国47都道府県から一つを選んでスタートとなります。

まず自分の所属する国を選択してゲームを始める


ゲームを始めて最初に気づくのが、いわゆるリッチな演出の数々。いきなり主題歌が流れたのには驚きました。ゲーム内も常にBGMやSEが流れ、ガイド役の小姓キャラクターが喋り、合戦シーンでは派手なエフェクトが次々に表示されて、ゲームを盛り上げます。ゲーム体験が、一気にコンソールゲームのレベルにまで高められました。

内容は大きく「内政」「クエスト」「合戦」という3パートに分かれており、その過程でさまざまな武将が登場します。さまざまな人気イラストレーターによって描き下ろされた約700名以上の武将は、みなケレン味たっぷり。とはいえ伊達政宗が子どもだったり、上杉謙信が女性だったりと、同社の『戦国BASARA』シリーズとはまた違ったコンセプトとなっています。

余談ですが、公式サイトのジャンル名は「空前絶後の戦国シミュレーションRPG」です。ただし、将棋やチェスのようにユニットを動かして戦術を楽しむ、いわゆるボードシミュレーション的な要素は(今のところ)皆無です。バトルも状況ごとに5人ずつの武将を、事前にセットして戦うオートバトル形式。誤解しないように注意してください。

■自分好みの城下町をちくちくと育てられる

ベースとなる「内政」は、前述の通り城下町を育てる箱庭シミュレーションです。「食料」「木材」「鉄鋼」の資源をベースに、畑や植林地、たたら場、農家、飯屋、物見櫓、そして城など、さまざまな施設を建てていきます。それぞれの施設は進化させることで外見が変化。プレイヤーごとに、多彩な城下町が作り上げられていきます。

様々な施設を建設して城下町を発展させていく


実際、これが良く出来ているんですよ。特にワンクリックで、画面上の全収穫物がシュイシュイシュイーンと一気に集められる「収穫」ボタンは秀逸で、ストレス解消にもってこい。施設やアイテムもかなりの数が用意されており、アップデートで追加されていく模様です。配置換えにおけるペナルティもないので、好きなだけ作りこめるのもグッド。ゲームを通してフレンドになったプレイヤーの城下町を見学に行くと、自分の城下町との違いに、あらためて驚かされるでしょう。

「クエスト」モードの特徴は、アドベンチャーゲームのように物語が楽しめること。『鬼武者Soul』のオリジナルストーリーが楽しめる「鬼物語」、バトル中心の「幻夢空間」、期間限定の特別ストーリーが楽しめる「イベントクエスト」に分かれています。

ザコ敵との戦い


基本的には一本道のストーリー展開で、間にザコ敵やボスとのバトルが挟まる形式です。最初のうちは領内巡回といった身近な内容ですが、次第に上洛・そして全国への旅とスケールアップ。クリックで進めるのが面倒なユーザーのために、ストーリーをオートで進めたり、任意にマニュアルに戻したりすることもできます。こんなふうに、ストレス要因をできるだけ排除する心配りが嬉しいですね。

12月13日からは新たに「奥羽大乱編」がスタートし、東北地方を舞台とするストーリーが楽しめるようになりました。このほかイベントシナリオには新潟県の名産・笹だんごなど、ご当地アイテムを巡るシナリオや、原作の『鬼武者』シリーズのストーリーが楽しめるシナリオなども用意されています。

■合戦を通してケンミンの血を再確認しよう

そして「バトル」では、プレイヤーの隣接国にいるプレイヤーとのみ戦う「合戦」と、全国のプレイヤーが東西両陣営に分かれて戦うイベント「天下分け目戦」、そして毎月一回開催される「攻城戦」を柱に、クエスト中に発生するバトルや、突発的に発生する「悪鬼羅刹」など、さまざまな種類が用意されています。

隣接国にいるプレイヤーと戦う「合戦」


もっとも、基本となる戦い方は同じで、あらかじめ武将を5名選んで部隊にセットしておくだけです。部隊にはクエストモード向けの「鬼物語部隊」、合戦時の「攻撃部隊」「防御部隊」、内政に影響を及ぼす「内政部隊」の4種類があります。また「攻城戦」では攻撃・防御で武将を1名ずつ配置できます。一方で武将にはさまざまな技が用意されており、武将の組み合わせを工夫する要素もあります。

さまざまなランキングが用意されている点も、本作の特徴です。中でも合戦の結果を総合して、国別に順位づけされる「国別ランキング」はおもしろい試みです。自分の登録国が上位に位置していると嬉しいし、下位に沈んでいると武将編成に力が入ります。高校野球ではないですが、日本人って「ケンミン」が好きなんですよね。ちなみに筆者は山口県出身なんですが、あらためてケンミンの血を自覚してしまいました。

■自分の好きなペースで、まったりと楽しめる

ただ、ここで再び誤解しやすいのが、本作のゴールはいわゆる「天下統一」ではないということです。他のプレイヤーと同盟を組んで第三国に攻め入ったり、領地を占領したりといった要素はありません。一度作った城下町が一定周期でリセットされることもありません。PCに張り付いて長時間プレイしているユーザーが有利になるわけでもありません。

つまり、本作は外交や戦略の駆け引きを楽しむゲームではないんですね。自分好みの城下町を作ったり、好きな武将を育て上げたり、アイテムをコンプリートしたり、ストーリーを進めたり、ランキングにこだわったりと、自分のペースで、好きなようにプレイできるゲームです。ここが本作の最大のポイントでしょう。

そのため、プレイヤーごとに好きな要素だけを集中して遊んでも、進行に支障が出にくい設計になっています。極端な話、内政だけしていても、滅亡することはありません。ストーリーだけを追いかけていても十分に楽しめます。ゲーム全体を理解して進めなければ、にっちもさっちもいかなくなる、なんてことはないのです。

また、本作はいわゆる「ソーシャルゲーム」ではありません。ソーシャルネットワークサービスと紐付いておらず、知らないうちにフレンドリスト全員に招待メールを飛ばしていた、なんて仕様は皆無です。多くのPCオンラインゲームと同じく、匿名性の高い設計となっており、現実世界のしがらみと切り離されて遊べる設計になっています。

■約700名以上の武将キャラクターに加えて、コラボタイトルも登場

登場する武将は約700名以上で、それぞれに4段階のグレードがあり、グラフィックも細かく変わっていきます。武将を生贄にしたり、アイテムを用いるなどして、能力の低い武将でも最高レベルに育て上げることも可能。武将には人気声優によるボイスが当てはめられていますが、このボイスデータも自由に変更することが可能です。約30名の声優が参加しており、これだけでも驚かされます。

自分の好みの武将を育て上げていくことができる


他に課金アイテムの中にはカプコンの人気キャラクターが武将として登場するブースターパックをはじめ、趣味性の高いさまざまなパックも用意されています。筆者も「戦国BASARA」パックを早速購入し、真田幸村などの人気武将をゲットしました。一方でこうした課金アイテムを購入せずに、無料でプレイしても、十分に楽しめるとのこと。こうした配慮もまた、嬉しいところでしょう。

また、これだけ内容がてんこもりだと、操作が複雑になりがちなんですよ。一方で基本プレイ無料のゲームということは、ちょっと遊んで難しいと思われたら、すぐにユーザーも離れていってしまいます。そのため本作ではチュートリアルやミッションが、非常に丁寧に作られています。次々に表示されるミッションをクリアしていくだけで、お腹いっぱいになれるでしょう。

本作のプロデューサーを務める杉浦一徳氏は、同社の看板オンラインゲーム『モンスターハンター フロンティア オンライン』のプロデュースも担当しています。ユーザー視点の丁寧な運営には定評があり、同作を国内最大級のPCオンラインゲームに育て上げました。本作もまた、公式サイトでさまざまな施策を発表するなど、プレイヤーとの積極的な交流が行われています。カジュアルユーザー向けの大作ゲームという試みが、今後どのような展開を見せるか、今から楽しみです。

【詳しく知りたい方はこちら】
■『鬼武者Soul』公式ビギナーサイトURL
http://www.oni-soul.jp/

【既に鬼武者Soulをプレイしている方はこちら】
■『鬼武者Soul』公式メンバーサイトURL
http://cog-members.oni-soul.jp/
《小野憲史》
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