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【TGS 2012】ロンドンスタジオも拡大中、グリー欧州中東南米事業本部長の島氏に訊く

ゲームビジネス 市場

グリー欧州中東南米事業本部長の島竜太郎氏
  • グリー欧州中東南米事業本部長の島竜太郎氏
  • 現在はロンドンを拠点にする
  • グリーブースの様子
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一気に海外市場の開拓に乗り出すソーシャルゲーム各社。プラットフォームを運営するグリーも海外拠点の整備に全力を挙げます。東京ゲームショウ2012にて、グリーで欧州中東南米事業本部長にこの7月に就任した島竜太郎氏にお話を伺うことができました。

―――まず自己紹介をお願いできますでしょうか?

グリーには昨年の4月に入社しました。大学院でスタンフォードにいたことがあって、もともとインターネットの業界に興味を持っていました。最初は投資や経営企画に携わり、今年の1月からはコーポレート本部を見ていました。ちょうどその頃からグリーとしても世界での拠点作りを更に強化することになり、自分もいずれは海外の最前線で仕事をしたいと思っていました。いま、青柳(直樹)が北米、天野(雄介)がアジアを見ているのですが、私も第3の地域に是非行きたいと。自分の希望もあり、会社として必要ということで今年の7月から行くことになりました。

―――青柳さんもコーポレート本部長だったと思いますが、そうした人が海外拠点を担うというのは面白いですね

確かに続きましたね。海外で一から組織を作っていくという点では、コーポレートの仕事をやってグリーの組織の作り方というのを学んでいるいうのはメリットだと思いますね。現地の人を採用していって良い文化を取り入れながらゲームを作るためにはビジネスと組織の両面を知っておかなくてはなりませんから。

―――グリーさんの欧州の全体の状況を教えてもらえますか?

既にロンドンとアムステルダムにオフィスを置いていて、スタジオとしてはロンドンが拠点となります。既に現地で20人くらいの採用をしていて、日本からのメンバーも含めてどんどん規模を拡大しています。早い段階で100人規模を目指しています。まだ開発タイトルは世に出ていませんが、欧州に合ったゲームを作っていきたいと思っています。まだまだこれからです。

―――先月はgamescomに初出展されましたが手応えはいかがでしょうか?

今年は任天堂さんやマイクロソフトさんが出なかったり、来場者が減るのではないかという当初の予想もありましたが、蓋を開けてみると盛況でした。欧州でも業界の方の間では「グリー」という名前は知られているものの、具体的な理解はあまりされていませんでした。今回は会社の実態から目指す方向性まで丁寧な説明をさせていただいて、色々なデベロッパーさんと関係作りができたのではないかと思います。また、報道でも多く取り上げられて知名度もアップするのに貢献してくれたと思います。業界内でのプレゼンスを上げるのも重要ですし、エンジニアの世界での認知度を上げることによって人材獲得の面でも有効でしたね。働いてみたいという人が増えていて手応えはありました。

―――ロンドンの内訳は開発者が多いのでしょうか?

開発者は多いですね。もちろん最初の組織づくりという面もありますので、人事や法務といったメンバーも多いのですが、ゆくゆくは大半がプログラマ、アーティスト、という人たちになっていくと思います。開発者は経験者が大半で、ゲーム会社に務めていた方が多いのですが、自分で会社をやっていたというようなアントレプレナーの方も多いです。そうした方がグリーに共感して加わっていただけるというのは心強いことです。gamescomのような大規模なイベントだけでなく小規模なものにも積極的に顔を出していて、知名度が上がることによって面接に来ていただく方のレベルも上がってきています。

―――マーケティングというよりは開発スタジオなのでしょうか?

そうですね。もちろんマーケティングやデベロッパーリレーションという機能も持ちますが、主力はやはりゲーム開発ということになると思います。

―――実際にゲームが出るのはまだこれからですか?

まだロンドンでのオリジナルタイトルは先になります。もちろん開発は進めています。今のところ発表しているものだと、「Moshi Monster」というイギリスで著名なIPを持つMind Candy社と協力してゲーム作りを行なっていて、この開発はロンドンスタジオが行なっています。日本では既に知名度も確立したプラットフォームもありますが、まだこちらでは新参者ですので、大きな存在感を持った会社さんと協力することも大事になってくると思います。例えばサードパーティではありますが、フランスのユービーアイソフトさんやゲームロフトさんとも協力しています。一緒に有名なタイトルを作っていくことで、それをきっけにグリーを知ってもらい、ゲームを遊んでファンになってもらうという良い循環を作りたいと思っています。このことでしかプラットフォームを作れないと思います。

―――グリーでは、現地に進出するに当たってはまずゲームを作るところから始めるというスタイルなのですか?

そうですね。日本のスタジオが一番大きいのですが、現在までに米国、韓国、中国、カナダ、そしてロンドンにスタジオを設けています。これは市場として期待できるという点と、いい人材が獲得できるという点の両面があります。スマートフォンのソーシャルゲームを作れる人が世界中どこにでもいるわけではありませんので。また、ゲーム作りと同時に現地のデベロッパーさんとの関係づくりは重要です。サードパーティとしてゲームを作ってもらうことも大事ですし、協業という形で一緒にゲーム作りをしていくことも場合によってはあります。

―――自社タイトルの欧州展開はどのように行うのでしょうか?

日本スタジオで作っているタイトルは基本的には日本スタジオが責任を持つという形です。しかし、グリーそのものの知名度の向上や 現地の広告会社との連携は現地が責任を持ってやるというスタイルになっています。

―――ヨーロッパといっても非常に多くの国がありますが、どの国がまずターゲットになるでしょうか?

マーケットサイズを考えるとイギリス、フランス、ドイツあとはイタリア、スペインがまずは重要な国になります。しかし、人材という面ではヨーロッパ中に良い人材がいて、北欧なんかも良いですし、イギリスの中でもロンドン以外の地域にも素晴らしいデベロッパーがいたりします。そこは私自身も飛び回って良い人達に会いに行くという活動をしています。国によって気質みたいなものがあるので、割りと北欧のデベロッパーさんとは阿吽の呼吸でいけたり、面白いですね。

―――御社も試行錯誤をしている段階と思いますが日本のメーカーで欧州市場に参入したいメーカーもあると思います。そうしたパートナーの支援なんかも行うのでしょうか?

基本的にはサードパーティのサポートは日本のメーカーさんに対しては東京のデベロッパーリレーションのチームが行わせていただいております。どんなゲームが売れているのか、受け入れられるだろうというようなコンサルティングサービスのようなものです。それから、最大のサポートはGREE Platformが世界中どんな地域でも多くのユーザーにリーチできるようにすることだと考えています。それを早期に実現することが最大のサポートではないでしょうか。まだ歩みを始めた段階ですが、挑戦者のつもりで思いっきりやっていくつもりです。

―――中東や南米はいかがでしょうか?

中東はドバイに拠点を設けていて、色々なキャリアさんとの提携、現地パートナーさんとの事業開発をやっています。いまのところスタジオ機能はありません。ドバイは交通の便が良いので、中東全体をカバーしているだけでなく ロシアやアフリカなどの地域にもアクセスできる拠点として考えています。これらの地域でも将来的にはスマートフォンの普及が進むことは間違いありませんので、市場が確立する前から事業を始めて良いポジションを築きたいと考えています。

南米はサンパウロに拠点を設けています。ブラジルではワールドカップやオリンピックもあるので市場は急速に立ち上がっていくと思います。既にPCのオンラインゲームはかなり普及しているのでスマートフォンでも期待できます。現地のパートナーさんとの関係作りをやっているところです。

―――ここ一、二年が勝負の年のような気がします

いかにユーザーさんに遊んで貰えるタイトルを複数持てるかが勝負でしょうか。プラットフォームとしての競争もありますし、ロンドンのスタジオとしては他のスタジオに負けたくないというのもあります。

―――やはり大ヒット作が必要ですね

本当にそうですね。日本もそうでしたがヒットが無ければ市場は活性化しないし、大きなヒット作があれば全てが根本的に変わっていきます。ロンドンスタジオとしても流れを変える作品を作ろうとしていますし、それができる人材を日本から投入していますし、素晴らしい人材が入ってきています。チャンスは大きくなっていきます。完全な勝ち組が決まっていない世界で挑戦権を持っているのは幸せなことだと思います。世界中の良い人材と日本で得た経験を組み合わせれば各市場でヒットを飛ばしていけるようになると確信しています。私もロンドンに家を持って、ドバイやサンパウロなど世界中を飛び回っています。一日も早くGREE Platformを全世界のユーザーに届けられるよう頑張っていきます。

―――ありがとうございました
《土本学》

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