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【CEDEC 2012】ソーシャルゲームを牽引するgloopsが取り組むデータマイニングによる改善とは

【CEDEC 2012】ソーシャルゲームを牽引するgloopsが取り組むデータマイニングによる改善とは

2012年8月21日(火) 10時00分
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    井澤正志氏
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    ソーシャルゲームの基本KPI
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    おもしろいに置き換えて考える
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    BUとFUという考え方
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    継続率グラフとBU/FUの関係
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    継続率グラフの収束値
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    BU/FU分解による成長・成熟判断
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    プロダクトライフサイクル
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    成長期の施策
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    大熱狂!!プロ野球カード 概要
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    ユーザーの心理・行動フロー
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    決定木を活用した分析
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    決定木分析で継続と離脱の比較
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    SPSSによるツリー図
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    分析の結果
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    分析からの施策(1)
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    分析からの施策(2)
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    分析からの施策(3)
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    爆速でPDCAを
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    決定木分析の注意点
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    問題解決にはステップがある
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    手段と目的は明確に
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    【CEDEC 2012】ソーシャルゲームを牽引するgloopsが取り組むデータマイニングによる改善とは

ソーシャルゲーム大手のgloopsの井澤正志氏は、累計登録者が360万人を突破したという同社の人気野球カードゲーム『大熱狂!!プロ野球カード』をテーマに、データマイニングとKPIについての講演を行いました。

まず井澤氏はソーシャルゲームにおけるデータマイニングを行う意味について、「データはお客様の声が形になったもので、様々な問題はデータの中にある」と述べました。gloopsでは「できる限り大量のデータを保持することが金脈を見つける資産となる」という考え方で、データ分析基盤としてhadoopを導入し取り組みを始めています。

最初にソーシャルゲームの基本的なKPIについて紹介されました。「継続率」「課金率」「課金単価」の3つで、売上はインストール数×継続率×課金率×課金単価という風に要素分解して考えることが出来ます。ただ、単に売上指標として見るだけでなく、gloopsではそれぞれのKPIを「おもしろい」という言葉に置き換えて考えるようにしているそうです。

継続率を深く突き詰めると、ユーザーの継続確率は時間の経過と共に低下するもので、平均継続日数は継続率の時間積分で算出可能と井澤氏は指摘します。gloopsではBU(Base User: プレイ期間が30日以上のユーザー)、FU(Follow User: 30日未満のユーザー)と区別して考えていて、これを継続率グラフに当てはめて実質的な基盤となるユーザー数を把握しているそうです(DAUはPRなどで変動するため)。また、インストール数×30日継続率によって期待BUを定めているとのこと。「」

しかし30日後継続率は日によって大きく変動するそうです。それはPRや広告を行うことでインストール経路が変化し、それによってチュートリアル突破率や1日後の継続率が変化することに依るものと考えられます。これは、全インストールユーザーを分母とするのではなく、1日後の継続者数を分母にすれば継続率グラフはほぼ一定の傾向を示すようになったとのこと。

さらに突き詰めるとBUと期待BUの増加と減少から、そのゲームが成長期にあるのか、成熟期にあるのかの判断も行なっているようです。gloopsでは増加が減少を上回る時期を成長期、増加と減少が同等になることを成熟期と呼び、このサイクルに応じた施策を打っているとのこと。具体的には、成長期にはインストールを高め、チュートリアル突破率を高め、1日後継続率を高め、最終的には30日後継続率を高める施策を取ります。

継続率について『大熱狂!!プロ野球カード』を題材にして掘り下げていくと、継続率にはプレイヤーのゲーム内での行動が大きく関与していることが分かったそうです。手法としては、1日後継続者について翌日も継続していたユーザーと翌日に離脱したユーザーで、各種パラメータや行動履歴を比較しました。その結果、差が最も顕著に表れるのはカードの強化合成の行動回数ということが判明したそうです。ここから、「強化合成を重ねれば強くなったと実感でき、継続するようになる」という仮説を立て、強化合成をどのプレイヤーも初期段階から行うような流れに変えて行ったとのこと。

この分析では決定木と呼ばれる「決定」に対して関連性の高いパラメーターを抽出する手法を用い、SPSSでツリー図を作成。傾向を見ていったそうです。

最後に井澤氏はデータマイニング業務を行う上で重要なポイントについて説明してくれました。まずは問題解決にはステップがあるということです。すなわち、

1.What:下記結すべき問題は何か
2.Where:問題はどこで起こっているのか
3.Why:問題はなぜ、おこっているのか
4.How:問題の解決に向けて何をすべきか

という流れです。これを無視してHowに向かっても結果は得られません。加えて、「データによって特定できるのはWhereまで」と井澤氏は言います。「深い分析を行うにはターゲットユーザーと一緒にプレイしている気持ちになって、体験を共有しなければいけません。無料プレイのライトユーザーの動向を調べたければ、自分もそういうプレイをしてみるべきだし、高額課金のコアユーザーを知りたければ、自分もそうしてみるべきなのです」

(Article written by 秋葉友樹)

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