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「王者として世界5兆円市場を取りにいく」大手ソーシャルゲームメーカーが語るグローバル展開

「王者として世界5兆円市場を取りにいく」大手ソーシャルゲームメーカーが語るグローバル展開

2012年8月8日(水) 08時00分
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先週末に開催された「GREE Platform Summer Conference 2012」にて、いま本格的に進みつつあるソーシャルゲーム各社のグローバル展開についてのパネルディスカッションが実施されました。登壇したのはオルトプラスの石井武社長、gumiの國光宏尚氏、エイチームの中内之公取締役、ドリコムの長谷川敬起取締役。モデレーターはグリーの屋島新平氏が務めました。

まず冒頭、グリーの屋島氏から世界の状況について説明がありました。iOSとAndroidの市場を比べると、まだiOSが圧倒的に大きいという状況にあります。地域別では米国が最も大きく、日本は2位です。また言語別では英語圏が圧倒的で、海外展開の可能性を感じさせます。ビジネスモデルは有料から基本無料へと完全に移行。米国でも『DragonVale』『Kingdoms of Camelot』といった運営タイプが上位に来るようになりました。日米の人気ジャンルは日本がカードに一極集中しているのに対して、米国では幅広いジャンルが受け入れられているようです。

このような中、各社はグローバル展開に踏み出しています。オルトプラスは当初の7月予定よりも遅れながらも『バハムートブレイブ』から海外版の展開をスタート。現在開発中のタイトルは全て海外でもリリースを計画しているとのこと。gumiは開発拠点を韓国・中国・シンガポールにも置き、約100名を雇用。今年中に6~8本を米国でリリースする計画だとか。エイチームでは『ダークサマナー』が既に米国を中心に人気。ドリコムは『陰陽師~平安妖奇譚~』を米国でそのままリリースしたところ集客は苦戦したものの、継続率など各種KPIは日本と遜色なかったそうです。今後は『ドラゴン×ドライツェン』を海外でも展開する予定。

■ローカライズは必要? 不要?

海外を目指す際に常に課題となるのはローカライズやカルチャライズという問題です。パネルでも議論となりました。エイチームの中内氏は『ダークサマナー』は当初から海外も視野に入れ、海外でも受け入れられる可能性があり、かつ日本のクリエイターが描けるという観点からダーク・ファンタジーの世界を選択したと述べました。海外が大きいとは言え、日本市場も捨てがたい規模であり、しかも日本人が良し悪しを判断できるという観点でのチョイスのようです。

オルトプラスの石井氏は『バハムートブレイブ』では最低限のローカライズしか行ってないと言います。「日本向けに最適化して、快適に遊べるバランスにしたものを、一旦英語化して出すつもりです。特にカルチャライズなどはしていません。出してみないと分からない点も多いので」とコメント。日本の強みであり日々のフィードバックに基づいた改善によってチューニングをしていきたいとしました。

一方ドリコムの長谷川氏は「広い意味でのカルチャライズはしていかないといけない」と述べます。『ドラゴン×ドライツェン』はファンタジー世界をテーマとしたカードバトルゲームですが、ゲームで人気を集める箇所は日本と海外で異なると言います。「米国では日本と逆で、バトルは人気が高く、ミッションは人気が低い傾向があります。こういうポイントは抑えて行かないと」。また、操作性や難易度などは更に磨きをかけてリリースする意向のようです。

■世界5兆円の市場を目指す、しかし景色は変わってきた

各社が意気込むグローバル展開。しかし景色は1年前とは変わってきたとgumiの國光氏は語ります。「ずっと"打倒ジンガ"と言ってきたのですが、弱いもの虐めみたいになってきたので辞めようと思ってます。彼らが落ちてきたのは明確で、フェイスブックの利用時間が圧倒的にモバイルになりつつあるからです。米国の大手SAPは迷走していて、気づけば収益性だけでなく規模でも僕らは逆転してました。海外市場は日本勢が作るつもりで、王者としてシリコンバレーに上陸するんです」

行われる競争は日本と同じだというのは4人とも一致したようです。オルトプラスの石井氏は「日本が世界で最もARPUが高いというのは、日本人が世界で最も忙しいからです。そこをいかに短時間で楽しいと思ってもらい、お金を払ってでも短時間で楽しさを満喫してもらうか、この勝負をやってきた日本勢は強いと思います」とコメント。國光氏も「米国でもライフタイムバリューを高める勝負になります。タイトルを増やしてクロスプロモーションをしていく。この体制を考えれば大きくても100人程度の米国の会社には負けない」と述べました(gumiは総勢400名を超える)。ただし、と國光氏は冗談めかして「挽回できるとすれば資金力があり買収できる会社。ジンガかネクソンかどこか分からないけど、グループスを買収した会社が最大のライバル」と会場を笑わせていました。

■モバイルオンラインゲームの総力戦

多くのベンチャー企業の参入があったソーシャルゲーム市場。しかし急速に賭け金は上がり、総力戦の様相を呈しつつあります。ディスカッションでも議論となったのはネイティブアプリかウェブアプリかというテーマ。両方有り得るというのが現在の主流の考え方ですが、エイチームの中内氏は「どんどんアプリはリッチ化していき、ゲームプレイも演出も多様化します。そのためにはネイティブが必要になってくるでしょう」と話しました。

また、資金面も課題になってきます。現在海外展開を行なっている日本勢のアプリではかなりの広告費を投入したケースが目につきます。ある程度の体力勝負も覚悟が必要かもしれません。「グローバルでやろうとするとユーザー獲得のための広告費がかなり必要になってきます。グリーさんの送客力にも期待をしています」(エイチーム中内氏)。

最後に國光氏は「ソーシャルゲームという言葉はある意味不幸だったかもしれません。いま僕らが作っているのはモバイルのオンラインゲームです。外見はカードばかりですが、中身や運用は大きく進化し、オペレーションは格段に進歩しています。日本市場は4000-5000億。家庭用の例を引けば海外は10倍程度、5兆円の市場になるでしょう。日本で鍛えられた武器を手に、本気で世界5兆円の市場を獲りに行きましょう。海外のライバルは結構しょぼいので(笑)」と話し、約1時間のディスカッションは終了しました。

(Article written by 土本学)

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