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グリーはなぜ米国で成功しつつあるのか? GREE International青柳CEOに聞いた

今年のE3に初出展を果たしたグリー。5月からGREEとOpenFeintを統一してグローバルプラットフォームとして出発。国際展開を更に加速させつつあります。

ゲームビジネス 市場
GREE International青柳CEO
  • GREE International青柳CEO
  • Zombie Jombieの前で
  • 多数の来場者で賑わったE3ブース
  • 大成功したZombie Jombie
  • ドリランドも英語化
  • 人気を集めていた
  • 釣りスタも英語化
  • 世界デビューしたGREE
―――サンフランシスコのスタジオは既にかなり大きな規模になっているようですね

いまGREE International全体で400人以上のスタッフが在籍しています。サンフランシスコはとてもいい場所です。ジンガ、Kabamといったローカルのソーシャルゲームのデベロッパー様が沢山あります。シリコンバレーと呼ばれる地域はもう少し南側でそこにグーグルやフェイスブック、アップルなどが居るのですが、北のサンフランシスコにはアート系の学校も多く、ITとアートが融合した地域性がソーシャルゲームにとってポジティブな影響を与えていると思っています。モバイルソーシャルの分野としては東京と並んで世界で最もホットな場所です。グリーのスタジオもすぐに500人規模まで増やす計画です。

―――もともとゲーム会社にいた人間が多いのでしょうか?

出身は様々ですが、フェイスブックに配信するソーシャルゲームを作っていた人は比較的多いですね。エレクトリック・アーツ、ジンガ、Playdom、Kabamといった会社です。また、エンジニアリング系の人材では南のグーグル、アップル、ヤフー、フェイスブック、オラクルなどIT企業もいます。ゲーム系もエンジニアリング系も両方いて、広くシリコンバレー一帯の人が集まってきてくれています。

―――どうしてグリーはシリコンバレーで人材採用がこんなにも上手く行っているのでしょうか?

確かに上手く行ってます。今年に入ってから150人以上、毎月30人以上を採用してます。

1つ僕が成功したと思うのは、最初から採用チームをきちんと作ったことです。僕は日本のグリーが従業員数10人くらいだった頃に入社しましたが、採用は日本でもかなり苦労しました。従業員数は上場した後も2010年くらいまでは平坦な伸び方で、劇的に増えたのは2011年や12年になってからです。そのタイミングで管理部門を強化して、選任の採用チームを準備して、それできちんと人が採用できるようになったんです。

アメリカではその教訓を活かして、最初から大きな規模になることを前提に10人くらいの採用チームを作りました。合わせて会社の仕組みや制度、どういう人を採用すべきかという事も現地のスタッフ交えて青臭い議論をしました。採用の面接にいらっしゃる方は絶対に他社のオファーもありますので、そこで勝てるような魅力的なオファーを出せるよう、会社の仕組み作りを最初にしっかりやったのが良かった点かなと思います。

―――なるほど。元々管理部門をやられていたのも活きたのでしょうか?

そうですね。アメリカでもすべき事ははっきりしていました。シリコンバレーを走る101(高速道路)沿いに広告を出した事がありましたが、その頃から採用を加速させました。採用にいい影響を与えてくれるのは広告とPRです。PRもイベントチームをかなり大きく持っていて、積極的にやっています。シリコンバレーのスタートアップと比べると言語の壁はありますが、僕たちも上手くやってると思います。採用が上手くいけばビジネスも大抵は上手く行きます。求めるレベルは高いですが、研究所レベルというわけでもありません。分析と改善のループをひたすら徹底すれば勝ちは見えます。

―――開発のスタイルも日米で似ているものなのでしょうか?

日本と近いですね。買収したFunzioもグリーと殆ど変わりません。数字の分析に投資するというのも同じですし、それを受けて速いスピード感で開発を行なっていく点も同じです。どちらもワンフロアのオフィスでお互い意見を交わしながら作っていく雰囲気も変わりませんね。

―――グローバルプラットフォームの今後の展開を教えてください

まずはグリーで開発、運営するのタイトルが揃っていきます。ここで最初にきちんと結果を示さなくてはなりません。それが上手く行けばデベロッパー様のゲームをプロモーションすることも可能になります。『Zombie Jombie』では片鱗が見えましたが、良い循環に入れるようでしたら大々的な広告展開に踏み切るタイミングが遠からず来ると思います。8月にはドイツのgamescomにも出展します。今回のE3がグローバル展開のお披露目ですが、アメリカのみならず世界各地で拠点作りが急ピッチで進んでいます。グローバルプラットフォームが離陸する日が一日でも速く訪れるよう全力投球していくつもりです。
《土本学》
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