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「Unity Game Jam」でゲーム作りの楽しさと苦しさを体験した

ゲームビジネス その他

1月14日~15日に東京秋葉原のデジタルハリウッド大学秋葉原メインキャンパスにて「Unity Game Jam」が開催されました。このイベントは現在利用者が急増しているゲーム統合開発環境「Unity」を使ったゲームジャムとなっています。

今回は実際にイベントに参加してきましたので、一人の参加者からという視点でレポートをお届けします。

■ ゲームジャムとは

初対面の参加者同士が即興でグループを作り、決められた時間内にゲームを作り上げるというイベントです。イベントの始まりはデンマークのコペンハーゲンで開催された「Nordic Game Jam」が発端といわれ、世界規模で行われる「Global Game Jam」というイベントを始め、世界各地で様々なジャムセッションが開催されています。

■ イベントレポート

1日目の11時から事前に行ったアンケートを元にチーム分けし作業を開始します。チーム分けの後、今回のゲームジャムのレギュレーションが発表されました。テーマは「広がり」で、これをテーマにゲームを制作するとのこと。

早速「広がり」というテーマから企画会議を開始します。「広がり」という単語からは「拡散」や「繁殖」など様々な解釈ができるため、アイデアも多岐に渡りました。筆者が参加したチームではたまたまfacebookやTwitterなどソーシャル面の技術に長けたエンジニアが参加していたため、ソーシャル面での広がりを表現したいというコンセプトとなりました。

メンバーからは様々なアイデアが出ましたが、36時間という限られた時間でゲームを完成させなければいけないということもあり、まずは動作する最小限のプロトタイプを作成し、その後余裕があれば拡張していこうという方針に固まりました。

「広がり」というテーマから、地図を広げていくという発想になり、筆者のチームでは最終的にGoogleMapで読み込んだ地図上を紙飛行機が飛んでいくという企画に固まりました。得意分野であるソーシャル部分との連携も盛り込み、facebookの位置情報を利用し、プレイヤーの現在地から紙飛行機を飛ばしていき、紙飛行機が落下したら、落下地点付近に居るフレンドがリレーのような形でそこから更に紙飛行機を飛ばし飛距離を伸ばしていくという企画になりました。

企画が固まったところで大体13時前後。腹が減っては戦はできぬということで、まずはメンバー全員で昼食に向かいます。初対面の参加者同士、お互いの経験やスキルを確認するため、雑談をしながら今後の計画を練っていきます。

昼食から戻ったら作業開始。最初のマイルストーンであるα版の発表が1日目の20時。作業時間でいうと5,6時間程度しかありません。早速タイトル画面、Googleマップからのデータ読み込み、紙飛行機のモデリング、など作業を分担して進めていきます。しかしながらメンバー5人中5人がエンジニアという編成で、サウンドやデザイン面などでは苦労を強いられました。

20時からは全てのチームが一旦作業を止め、各チームの発表を聞く。「広がり」というテーマからは様々な解釈ができるため、他のチームがどの様に解釈して、どの様に作品に落とし込んだかは気になります。

各チームの発表に感嘆しつつ、ソーシャル方面での広がりを意識したチームが居なかったことにまずは胸をなで下ろしました。

その後ほとんどのメンバーは泊まり込みで作業をするため、コンビニで夜食などの買い込みを行います。

2日目にさしかかると参加者全体的に疲労の表情が現れ始め、雑談などもなくなり黙々と作業が進んでいきます。

そして2日目の16時、全ての作業を止め完成版の発表になります。

各チームテーマの解釈は様々で、単体で動作するゲームや、スコアをTwitterに投稿する機能を備えたモノ、音楽作品やメディアアートなど幅広い成果物を見ることが出来ました。

筆者のチームはコンパクトな企画にまとめていたつもりでしたが、Googleマップの地図データの取得制限など予想外のトラブルがあり、一応形にはなったものの、実現できていないコンセプトがあるなど、ゲームジャムでゲームを作るということの難易度の高さを痛感させられる結果になりました。

しかし学べたことはかなり多く、初対面のメンバーと一つのゲームを作り上げるという他では経験することのできない、なんともいえない充実感を得ることも出来ました。

■ イベントを振り返って

ゲームジャムは勉強会の様な受け身のイベントではなく、自分のスキルや経験を限られた時間の中でどう生かせるかという攻めのイベントです。そのため自分の技術不足や体力不足など弱点ばかりに目が行きがちで、「自分なんかが参加しても足手まといになるのでは…」と遠慮してしまう人が多い様です。

もちろん技術や経験があるにこしたことはありませんが、ゲームを作るために自分には何が出来るかと考える力と熱意があれば参加できます。この記事を読んだ一人でも多くのユーザがゲームジャムに参加してくれることを期待しています。
《八橋 亜機》

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