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ハイレベルAIを提供する「GRIP」を日本発公開~Autodesk GAMEWARE Seminar 2012

DCCツールで業界標準の地位にあるオートデスクですが、ゲーム分野ではScaleformやBeastの買収や自社開発を通じてミドルウェアも強化。「Autodesk GAMEWARE」として展開を進めています。

ゲームビジネス 開発
DCCツールで業界標準の地位にあるオートデスクですが、ゲーム分野ではScaleformやBeastの買収や自社開発を通じてミドルウェアも強化。「Autodesk GAMEWARE」として展開を進めています。20日に開催された「Autodesk GAMEWARE Seminar 2012」では各種ミドルウェアやその採用実例が紹介されました。

ハイレベルAIを提供する「GRIP」は先日買収したばかりのミドルウェアです。同ミドルウェアを開発したGrip Entertainmentは2007年設立で、元々はAI Implantというシステムを開発したスタッフが独立した企業でした。同社が軍事シミュレーターに特化する方針を取ったことからスピンアウトしたチームだということです。

オートデスクではローレベルAIを提供する自社開発のミドルウェアを「Kynapse」という名前で既に提供しています。こちらは多数のキャラクターが存在する環境下でのパスファインディングを中心に空間認識やキャラクター同士のコーディネーションなどローレベルな機能を提供し、多数の採用実績がありますが、個々のキャラクターに知能付をするようなハイレベルなAIの実現はサポートしていませんでした。

「GRIP」ではそうした高度で生き生きしたキャラクターの知能をノードベース(ビヘイビアーツリー)のスクリプトで実現することができます。アイドスが開発した『DeusEX 3』ではボスキャラクターの行動をGRIPで制御、Tripwire Interactiveの『レッドオーケストラ2』では16台のタンクが相互作用で戦う様子が実現されました。EAモントリオールの『Army of Two 40day』もGRIPを採用しています。

ビヘイビアーツリーでキャラクターの動きを定義する、その様子を実行中にリアルタイムで確認することも


多数のキャラクターによる群衆の表現も「Kynapse」のパスファインディングに対して、「GRIP」では事前に環境(レベル)に対して設定したフローで実現することができます。リアルタイムに計算されるわけではないのでパスファインディングに比べて低コストで実現が可能です。

会場ではUDK(Unreal Engine)を使ってデモが行われました。フローは環境に○や□で定義付けられていて、キャラクターはそれに沿って動くようになります。道路や空間に対してフローを設定しキャラクターの動く場所を定義し、特定の場所でキャラクターに特定の動作をされるためのアクションステージを設定することもできます。デモでは、ATMの前にアクションステージを設定し、そこを通ったキャラクターがお金を下ろす動作を行う様子が確認できました。これらは個々のキャラクターにAIを当てるのではなく、環境に動きを定義することから軽い動作で実現できます。

このような環境が用意されたとするとフローをこのように配置する
キャラクターはそれに沿って行動するアクションステージを設定すれば、お金を下ろすような動作を実現することも
《土本学》
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