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PlayStation Vita版ならではの機能も盛り沢山!『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』

マーヴルコミックスとカプコンのヒーローたちが夢の共演果たす格闘アクションゲーム『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』が、PS3/Xbox360に続いて、いよいよPlayStation Vitaでも発売開始となりました。

ゲームビジネス 開発


インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。普段は【そそれぽ】でお伝えしているゲームプレイレポートですが、今回は出張版ということで、いつもよりも更に真面目に!お伝えしていきたいと思います。

というわけで、今回プレイするのはカプコンのPlayStation Vitaソフト『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』です。



もう10年以上前でしょうか。高校生だった筆者は、部活の帰りに友達とゲームセンターに通っていました。その目的は『MERVEL VS. CAPCOM』をプレイするため。根っからゲーム好きではあったのですが、ゲームセンターに通って友達と延々プレイしたのは後にも先にもこのタイトルだけです。

『MERVEL VS. CAPCOM』のおかげで「ストライダー飛竜」や「キャプテンコマンドー」などカプコンの往年の名作を知ることが出来ましたし、何より「スパイダーマン」との出会いは本当に自分の人生観を変えるぐらい大きなものでした。近年DVDなどでも見るハリウッド映画は影も形もない頃、輸入雑貨や玩具を取り扱うお店で「スパイダーマン」グッズを買い漁り、ほとんど買わないフィギュアをそれとなく買ってみたり。そんな「スパイダーマン」好きは今現在も続いていて、根底にあるストーリーは自分の人生観にも影響を与えています。

そんな思い出深い『MERVEL VS. CAPCOM』ですが、2000年に『2』がリリースされて以降、シリーズは終わりを告げてしまった・・・かのように見えていましたが、なんと11年の時を経て、今年『3』が発売。その『3』に新キャラクター追加とバランス調整を施し究極進化を遂げたタイトルこそ、この『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』です。家庭でこのシリーズを遊ぶのがやっとだった筆者の学生時代を振り返ると、携帯ゲーム機で出来ること自体が非常に感慨深いことです。

決して対戦格闘ゲームが得意なワケではありませんが、PSVitaでの操作感や、PSVita版ならではの「タッチ操作」を中心にレポートをお届けしていきたい思います。


■据え置き機と遜色ない画面の美しさ
PSVita版はスペック的な解像度だけで言ってしまうとPS3/Xbox版よりも画面が荒くなってハズなのですが、携帯ゲーム機であるという手元でちょうど良い画面サイズ、有機ELが採用された美しいディスプレイ表示が相まって、環境によっては据え置き機よりも描画が美しく感じるかもしれません。小さな画面で対戦格闘ゲームはどうなの?と疑問に思っている方も安心してプレイできると思います。

画面、むちゃくちゃキレイです


3Dで描かれたキャラクターたちですが、基本はサイドビューで完全に2D対戦格闘アクションの操作。「あの頃」と変わらない手応えで、すんなりとゲームに入ることができました。


■まずは普通にシングルプレイ
早速、基本中の基本であろう「OFFLINE MODE」の「SINGLE」をプレイしてみます。選ぶキャラクターはもちろん「スパイダーマン」から。合計3人のキャラクターを選択し、3対3のバトルを繰り広げます。

スパイダーセンスちゃん、いつも助かってるよ


基本的な技コマンドはシリーズでも共通部分が多いので、指が覚えている範囲ではきっちり技が出てくれました。が、方向キーでのプレイがどうもしっくり来ないので、左スティックに持ち替えてみたところ、コマンド入力はよりスムーズに。PSVitaのスティックの手応えは対戦格闘ゲームにも十分耐えうるもので、むしろ従来の据え置き機用コントローラーのスティックや方向キー以上にプレイし易くさえ感じました。

しかしブランクもあってか、なかなか勝ち進めず。自分ルールとして「コンティニュー禁止」を決めたせいで、4~5戦目あたりがどうしても勝てない不甲斐なさ。ダウンロードコンテンツなしでも48キャラクターいるので、『ULTIMATE』から初登場となる『逆転裁判』シリーズの「成歩堂龍一」をはじめ、色々なキャラクターを試してみたものの、どうしても上手く勝ち進めません。

悔しいけれど、携帯ゲーム機ということに甘んずることなく「格ゲー」としての歯応えはバッチリと言えるようです。筆者はデフォルトの設定で挑みましたが、難易度などは対戦スタート前に設定可能なので、背伸びせず、ぜひ自分の実力に合った難易度で挑戦してみて下さい。


■タッチ操作で再挑戦
難易度「NORMAL」の通常のボタン操作で苦戦を強いられたので、物は試しと「OFFLINE MODE」の「TOUCH」をプレイしてみます。「タッチ操作」と言っても、スマートフォン向けのゲームのように画面上にスティックやボタンが表示されるわけではありません。

画面上部、体力ゲージ横にあるキャラクターの顔のアイコンを長タップすればキャラクターチェンジ。画面下部「ハイパーコンボゲージ」をタップすれば「ハイパーコンボ」発動。画面上部、中心にある「X-アイコン」をタップすればキャラ性能がアップする「X-ファクター」発動。と、コマンド入力不要な超直感的な操作が可能となります。

ハイパーコンボもX-ファクターも直感的に発動!


何より衝撃的なのは、画面のどこをタップしても「通常攻撃」となり、連続でタップすれば「チェーンコンボ」へと発展。キャラクターによって繋がり方は違うものの、しっかり「エリアルレイヴ」(空中への追撃連続技)も発動されます。更にトドメとして「ハイパーコンボ」を叩きこんでくれることも。「上級者」の気分をたっぷり味わうことができます。ただし、タッチ操作だと基本が攻め中心になってしまいがちなので、その辺りは十分注意が必要です。

チェーンコンボがつながるつながる!


何度か挑戦して、コンティニューなしで1周クリアすることができました。それでも、ただひたすらタップしていれば勝ち抜けるかと言うと、そういうワケではありません。このシリーズの醍醐味でもある「交代のタイミング」「ハイパーコンボの使い所」などをしっかり考えなければ勝てない場面もちゃんと出てきます。

ちなみに「TOUCH」を選んでも、通常通りに方向キー(左スティック)とボタン入力による操作が可能なので、通常操作で頑張れるだけ頑張って危なくなったら「タッチ操作」に助けてもらう、逆に「タッチ操作」で削ってトドメを通常操作で美しく決めたい、そんなプレイスタイルも可能です。


■実力差を埋め、成長を促すタッチ操作への期待
「コマンド入力」や「コンボ」といった格闘ゲームならではの要素は、ゲームジャンルにおける入口の「壁」になってしまっていると言っても過言ではありません。しかし、そこを超えた場所には他のどんなゲームにもない「爽快感」が存在します。本作の「タッチ操作」は、とにかくまず「格闘ゲームの爽快感はこんな感じだよ!」という部分を体験できるシステムであると感じました。

筆者自身、対戦格闘ゲームが得意とは決して言えませんが、ちゃんと狙って「昇龍拳」を出せて、キャンセルから「波動拳」といった基本的なコンボも出せます。それでもまだ、どこまでも続く美しい「チェーンコンボ」は遠い夢。そんな夢を少しだけ叶えさせてくれるのがこの「タッチ操作」です。

「タッチ操作」が見せてくれる「コンボ」は本当に教科書のように美しいものです。その「コンボ」がどのように繋がっているか、どのタイミングで「ハイパーコンボ」を繰り出すか・・・「タッチ操作」を手本として学んで、少しずつ通常の操作に慣れていくといったことも可能です。

美しくコンボを決める「爽快感」を味わうべし


自分で創り出して決める「コンボ」、対戦格闘ゲームというジャンルならではの「爽快感」。それらを味わう第一歩に、PlayStation Vita版『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』は、相応しいタイトルと言えそうです。もちろん上級者の人も満足行く出来、まさに「アルティメット」に仕上がっています。

PS3/Xbox360版で楽しめる要素は完全に網羅され、更に今回取り上げた「タッチ操作」以外にも、手軽に対戦などを実現してくれるWifi対応、本体機能を活かした「ヘラルドカラー」交換、PS3版との連携など、PSVitaならではの機能も盛り沢山です。

初心者も上級者もそれぞれの角度から全力でプレイできるPlayStation Vita版『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』。格闘ゲームの究極の爽快感をいつでもどこでも、手軽に味わってみて下さい。

PlayStation Vita版『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』は、好評発売中。価格はカード版が4,800円(税込)、ダウンロード版が4,300円(税込)です。

TM & (C) 2011 Marvel & Subs.
(C) モト企画 (C) CAPCOM CO., LTD. 2011, (C) CAPCOM U.S.A., INC. 2011 ALL RIGHTS RESERVED.


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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