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JRPGへのご提案 ・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第19回

JRPGへのご提案 ・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第19回

2011年12月2日(金) 17時24分
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告白します。私はRPGが大好きです!欧米作品でも、日本作品でも、このジャンルは現実と違う世界観を楽しむには最高なものだと思います。欧米でも日本でも人気の高いジャンルだと思いますが、それぞれの地域で作られている作品は内容やシステムが全然違います。日本では、「ファイナルファンタジー(FF)」「ドラゴンクエスト(DQ)」シリーズが今なお大きな人気を誇っており、日本のゲーマーであれば、まず知らない人はいないでしょう。

それに対し、欧米では昔から「ウルティマ(Ultima)」や「ウィザードリィ(Wizardry)」といった作品が人気で、近年では「マスエフェクト(Mass Effect)」や「オブリビオン(Oblivion)」などが特に高人気を誇ってきた作品として挙げられます。

最初にはっきりしたいですが、この記事の目標は決して「JRPGはもっとWRPGみたいになるべきだ!」と訴えることではありません。日本のユーザーはWRPGのシステムやデザインをあまり好まないのも事実ですので、無理矢理に全てを欧米に合わせる必要はないと思いますが、それでも改善の余地は充分あるように思われます。

WRPGの見所は、まさにその「自由度」にあります。主人公を自分好みにカスタマイズしたり、広い世界で好きに行動したり、問題を自分流に解決したり、そういう内容のものが多いです。『オブリビオン』や『フォールアウト3』などが人気を得たのは正にその舞台が広く、いつでもどこにも行けるようになっているからです。メインストーリーの言いなりにならずに、とにかくマイペースに探検して、色んな場所を訪れ、色んな人に会い、色んなクエストを受けるという、いわゆるサンドボックス(砂場)形式になっています。善人として人を助けるか、悪人となって強盗となるか、それもまた自由。

自由度が高いというのは嬉しいですが、その欠点を挙げるとすれば、メインストーリーはだいたいつまらなく、取るに足らないものがほとんどです。エンディングに辿り着いても何の達成感も充実感もありません。探検したり何百時間も遊べるけれど、メインストーリーだけにこだわったら数時間で終わってしまうという、「ストーリー性に欠ける」と言える形になっています(何せ、自分で自分のストーリーを作るのがポイントですから)。

それに対して『マスエフェクト』はJRPGのようにストーリーが中心でキャラクターが一番重要であるような内容になっていますが、それでもプレイヤーに選択肢を与えたりすることによってゲームに多様性を設けようとするものです。プレイヤーの選択によってストーリーの流れが(微妙に)違ってきて、仲良くしなかったら仲間が死ぬことさえあります。マスエフェクトで一番高い評判を得ているのはそのキャラクターの背景や性格などが細かいところまで作成され、台詞が面白く、賢く、声優などもレベルが高いという点があります。自由度はどうであれ、キャラクターの豊かさや演技の面ではJRPGが完全に負けていると言わざるを得ません。

『マスエフェクト』の問題点と言えば、戦闘がシューティングゲームとあまり代わりがなく、RPGとしての要素(キャラクターの能力的成長)が薄いという点などを指摘できますが、キャストや台本という面では上位に立っていると言えるでしょう。それに対しJRPGのデザインはアニメ風で全然いい(全てのゲームがリアルになってもつまらないのですが)、大人が満足するような演技やキャラクターは中々見掛けません。

一昔前まで欧米でも人気を誇っていたJRPGは近年では多く批判されてきています。増々「自由度」を強調し続けているWRPGに対してJRPGは中々進化しないという声がたくさん挙がっています。一応充分の売り上げに達成したあの『FFXIII』についても「一本道すぎる」、「ストーリーやキャラクターがダサい」という批判は実際、欧米でも日本でもよく耳にします。個人的な意見を述べさせていただくと、キャラがウザい、ストーリーがつまらない、子供っぽすぎるというような声が聞かれる作品がほとんどです(去年の「ニーア」は個人的に非常に満足できましたが)。

昨年の話になりますが、Bethesda社がパブリッシュした『Fallout: New Vegas」のマーケティングでは以下の広告が使用されていました。

Fallout 3の宣伝広告


それぞれの看板にご注目ください。それぞれのものがJRPGでよく見られる問題点を強く批判した内容になっており、この作品の「自由度」を主張した、かなり大胆な広告になっています(このタイトルの日本における売上はそこそこだったので、果たしてこういう広告が効果的であるかどうかは判断しづらいですが)。欧米ではAAAタイトル以外のJRPGの人気が減りつつあるというのは事実ですが、WRPGも日本では必ず売れるというわけでもありません。1つだけ確実に言えるのは欧米のゲーマーと日本のゲーマーはそれぞれRPGから求めるものは違うだろうということです。これらの作品を遊んだ経験のある方にとっては欧米のRPG(以下「WRPG」)と和製RPG(以下「JRPG」)の内容が大きく違うというのは言うまでもない事実でしょう。


とはいえ、今でもJRPGの個性やストーリー性が好きな欧米人もたくさんいます(私もその内の一人です)ので、決して「欧米化」が欲しいわけではないのですが、そろそろ「卒業してほしい」というところはいくつかあります。具体例を出しましょう。

1. 意味な選択肢
プレイヤーに選択をさせて自分流にゲームを楽しませるのはいいことですが、「実は一つの答えしかない」ような無意味な選択はやめましょう。以下のような流れが非常によくあります。

仲間:「おい、女の子がいじめられてるぜ!早く助けに行こう!」
選択肢1:助ける
選択肢2:助けない
選択肢2「助けない」を選んだ場合
仲間:「おいおい、それはないだろう!困ってる女の子はちゃんと助けなきゃ!」
選択肢1:助ける
選択肢2:助けない
選択肢2「助けない」を選んだ場合
仲間:「おいおい、それはないだろう!困ってる女の子はちゃんと助けなきゃ!」
選択肢1:助ける
選択肢2:助けない

「助ける」を選ぶまでこれが永遠に続きます。全く無意味です。「正しい選択を選ぶまで繰り返す」というのはゲームデザインとして考えられないはずです。選択を繰り返さない場合でも、どっちを選んでも全く同じ結果になるというのも同じくらい無意味です。実際は日本独特のビジュアルノベルなどのジャンルでは選択肢を選ぶことによってストーリーの流れやエンディングが違うというのが当たり前ですので、こういうシステムをRPGにも活用すべきだと思います。上記の事例みたいな「一つの答えしかない選択肢」、言い換えてみれば「偽造の自由」はプレイヤーを馬鹿にしているように感じられますので、やめた方がいいです。逆に、本当に「女の子を助けない」という展開を用意するのは優れたゲームデザインへの道だと私は思います。

2.ベタな展開
仲間の一人は実は王子・王女だった!悪役は実は主人公の父親(または兄)だった!主人公が故郷から追い払われた!主人公は記憶喪失である!こういう展開や設定は「今でも」非常によく使われています。もう少しオリジナルに考えましょう。

3.遊ぶ隙がない
先ほども述べましたが、『FFXIII』は一本道すぎるという批判に遭遇しました。でも実は一本道でも楽しいゲームはたくさんあります。『FFXIII』はどこがダメだったのかと言いますと、「敵と戦いながら前に進む」しか何もできないというところです。後半に辿り着くまで何のサブクエストもミニゲームも街も無く、探検する余裕も何一つもありません。ただイベント→戦闘→イベント→戦闘→イベント→ボス戦という流れで、非常に短調的なデザインになっています。マップのデザインもほとんど文字通りの一本道です。『オブリビオン」みたいなバカ広い世界にしなくてもいいですが、少しだけ動く余裕がないと閉所恐怖症になります。

ここではちょっと脱線しますが、JRPGとして一番うまく「探検の余裕」と「ストーリー性」のバランスを取っているのは去年の「ゼノブレイド」だと思います。かつてないほどの大傑作です。なぜかアメリカでは発売されていませんが、今年ヨーロッパでは高得点を取得することになり、「現世代の最高のJRPG」と評価付ける声も多いのです。これから是非このジャンルの一つの基準として見習ってほしいものです。

4.主人公が子供っぽい
日本の作品は大人に視点を向けたものがほとんどありません。主人公は10代の少年以外の人でもいいのでは?去年の『ニーアゲシュタルト』は主人公が子持ちのおっさんでしたが、そのあまりの斬新さに驚きました。実際のユーザーの中でも20代、30代の人がいっぱいいますので、全てのRPGを少年向けにしなくても結構だと思います。欧米でも大人向けの作品(「エッチ」とか「暴力的」とかいう意味ではなく!)が多いですので、そこをしっかりと見習っていただきたい。野性ばかりでなく、たまにはプレイヤーの知性もくすぐりましょう。

もちろん日本の作品はみんなダメだと言っているわけではありません。実際には素晴らしくて賢くい作品もたくさんあります。ただ、それを増やすためにもっと努力してほしいです。もっと笑える、もっと感動できる、もっと賢く、もっと気の聞いた大人のデザインにしましょう!

最後に個人的にストーリーやキャラクターが非常によくできている日本作品をいくつか挙げたいと思います。みんなRPGとは限らないのですが、どれも欧米でも高評価を得たものですので、是非ご参考にしていただければ幸です。

・『ペルソナ3』『ペルソナ4』:すごい日本的な設定に関わらず欧米でもかなりの評判になっています。主人公たちはみんな高校生なのに言動が大人らしく感情移入しやすいです。

・『キャサリン』:同じペルソナチームが送る大人向けのラブストーリーです。もはやアトラスがJRPGのトップを独占していると言っても過言ではないでしょう。

・『レッドシーズプロファイル』:アクセスゲームズのSWERY監督の鬼才から生まれたカルトヒットです。爆笑と感動の最高のミックスです。

・『サイレントヒル2』:最高のサイコスリラーです。人生で一番感動した作品の一つです。愛の辛さを痛感させてくれます。

(Article written by 編集部)

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