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【GDC China 2011】用意周到な成功、iPhoneの人気作『フルーツニンジャ』開発秘話

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これまでの累計ダウンロード数が8000万を超えたというiPhoneの大ヒットアクション『フルーツニンジャ』(Fruits Ninja)。そのサクセスストーリーをオーストラリアのデベロッパー、Half BrickのPhil Larsenチーフマーケティングオフィサーが語りました。

Half Brickは2001年にオーストラリアのブリスベンに設立されたデベロッパー。当初は主に携帯ゲーム機を手がけ、ゲームボーイアドバンスなどで作品を制作。その後は徐々にデジタルシフトを行い、PSNやXboxLive向けに進出。自社パブリッシングを更に強化するという目的でiPhone市場への参入を決意します。

1回のプレイを短くシンプルに、ゲームに慣れてない人でも誰でも遊べる、そして心地よいビジュアル、そうしたテーマで僅か3人のチームが開発したのが『フルーツニンジャ』(Fruits Ninja)です。プレイヤーはSensei(先生)と呼ばれるニンジャとなり、画面に飛び出してくるフルーツを逃さず切る。基本的なゲームはこれだけです。iPhoneならではの画面をスライドする操作が心地よいものになっています。

ゲームとして出来が良いものは星の数ほどAppStoreには存在します。本作は用意周到なマーケティングでヒットを狙った作品です。まずは基本的なゲームにトレンドの要素をスパイスとして加えます。マルチプレイヤーやGameCenter/OpenFeintに対応したリーダーボードで友達と競う機能を入れました。また、ワンボタンでソーシャルネットワークと連携し、口コミで評判を伝える流れを作りました。

しかしLarsen氏は「ソーシャルネットワークと連携していても、起爆剤が無ければ爆発させることはできない」として、バイラルの起爆剤となるようなトレイラーを制作することにしたと言います。地元の映像制作チームに頼み、出演も自社の開発者が行い、低予算で作られたニンジャの映像です。これは素人感のある映像でしたが、ツイッターやフェイスブックで話題作りになったそうです。

また、スマートフォンアプリのマーケティングではメディアの評価も大きなポイントなります。日本ではAppBankというサイトがありますが、米国ではSlide to Play、Touch Arcadeといったメディアが重要になります。Larsen氏は事前にテストコードを送り、リリースタイミングに合わせてレビューの掲載を依頼。ゲーム自体の出来もあってか、リリースから2時間以内に上記のサイトに掲載。さらに24時間以内に20以上のメディアに取り上げられたそうです。

AppStoreに掲載されるアイコンやスクリーンショットも上位のアプリを研究してこだわったとのこと。アイコンなどはフルーツを切る爽快感が上手く表現されたものになっていますね。

こうした事前の準備が功を奏し、スタートダッシュに成功。幾つかの国では数日でAppStoreのナンバーワンにもなったそうです。ゲーム自体の開発は6週間でしたが、プロジェクト全体では約6ヶ月の期間を費やしたと言いますから、周到な調査やマーケティングがヒットの要因であったと言えそうです。

現在ではぬいぐるみなどのグッズ展開や映画とのコラボレーションなどブランド展開も行なっているとのこと。

8000万ダウンロードのヒット作ですが、地域別では北米が約半数で、アジア(日本や中国が中心だとのこと)も26%を占めています。これについては「アジアの市場は余り理解しておらず、マーケティングも欧米の市場を狙ったものでした。しかし人気ぶりが伝わりアジアでもダウンロードが伸びました」と述べていました。

また、これだけのヒット作ということで類似作品も登場してきます。これについては「『ベジサムライ(Vegi Samurai)』というゲームがありました。でも面白くなかったですね。『フルーツニンジャ』の切った心地よさは一番時間を割いたポイントなのでなかなか越えられないと思いますよ」と笑っていました。
《土本学》

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