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【TGS 2011】HDエディション、3DS新作、そして2012年に向けて・・・メタルギア小島監督が語る

東京ゲームショウで15日、KONAMIは「KOJIMA PRODUCTIONS SPECIAL STAGE」を開催し、『メタルギア』シリーズの生みの親として世界的に有名な小島秀夫監督によるトークイベントを行いました。

任天堂 3DS
東京ゲームショウで15日、KONAMIは「KOJIMA PRODUCTIONS SPECIAL STAGE」を開催し、『メタルギア』シリーズの生みの親として世界的に有名な小島秀夫監督によるトークイベントを行いました。

トークイベントは森一丁さんがMCをつとめ、ボードのフリップを次々にはがしていくテレビの情報番組テイストで進行。「小島秀夫のヒデラジ。」で、監督と共にパーソナリティも勤める女優の菊地由美さんも登壇し、3名による軽快なテンポで進みました。

1987年に第1作がMSX2で登場し、来年25周年を迎える『メタルギア』シリーズ。トークイベントのテーマも、同シリーズの歴史を振り返るというテーマで、次々に裏話が飛び出したり、懐かしいテレビCMや秘蔵ビデオが上映されたりと、ファンにはたまらない内容でした。

しかし、それ以上に充実していたのが、今冬に発売となる新製品の情報。発売日や価格、プレミアムパッケージの内容が次々に明らかになりました。まずは、その内容を整理しましょう。

●METAL GEAR SOLID HD Edition

・PS3・Xbox360版 11月23日 5480円
 MGS2+MGS3+MG+MG21/MGS無料DL(PS3版のみ、Xbox360版は未定)
・プレミアムパッケージ(+MGS1-3 アートブック+音楽CD付き)9980円
・コナミスタイル限定版(+オリジナルヘッドフォン+MGS2/3マグカップ付き)14980円
・PS Vita版 2012年発売

●METAL GEAR SOLID 3D SNAKE EATER

・ニンテンドー3DS 今冬発売

●METAL GEAR SOLID PEACE WALKER HD EDITION

・PS3・Xbox360 11月10日 4980円 PSP版のプロダクトコード付き(PS3版のみ、Xbox360版は未定)
・プレミアムパッケージ(+音楽CD+スネークアクションフィギュア) 9980円
・コナミスタイル限定版(+カズヒラ・ミラーアクションフィギュア+MGS PW マグカップ) 14980円

●ZONE OF THE ENDRESS HD EDITION

・PS3・Xbox360版 2012年発売
・PS Vita版 2012年発売
・Z.O.E TVアニメシリーズ ブルーレイボックス 今夏発売


■『メタルギア』の歴史は新しい挑戦の歴史

続いてトークイベントの内容についてレポートしましょう。小島監督が振り返った『メタルギア』の歴史。それはゲーム業界で過去に例のない、新しいチャレンジを積み重ねてきた歴史でもありました。

アーケードかファミコン開発を志望していた若き日の小島監督。しかし現実は厳しく、MSX部門に配属となります。しかし当時のMSXはトップチャートの半分がKONAMI製ゲームで、数多くの優れた先輩がいました。こうした環境で誕生したのが初代『メタルギア』(MSX2)です。

しかしMSX2の市場ではヒットも限られると考えた経営陣は、別部署でファミコンに移植。これがワールドワイドでミリオンヒットを記録したのでした。これにより続編『2』の開発がスタートします。

『2』では以後定番となる「メタルギア」の模型を制作。実際の戦闘シーンを疑似体験するため、当時流行していた赤外線によるトイガンによるシューティング遊びも開発チームで行われました。小島監督は「ここから『物音』というフィーチャーがゲームに加わった」と回想。このように『2』から、現在にまで続くさまざまなチャレンジがスタートしていきます。

3Dゲームとなった『メタルギアソリッド(MGS)』では、前作に続いて模型作りも行われ、造形が大幅に進化。ステージの3D化にあわせて、方眼紙に書く従来のスタイルから、新たにレゴブロックでステージがデザインされ、CCDカメラでプレイヤーの視界を確認するという手法が行われました。劇中での実写ムービーやカットシーン(ポリデモ)の採用、トレーラーの制作も、ここから始まります。

PS1の処理能力の限界から、一部で酷評されたポリデモですが、『2』では大反響を呼びました。プリレンダームービーではなく、実機上で動くゲームシーンによって編集されたトレーラーが、E3に訪れた業界人の心を深くつかんだのです。この大成功により、以後業界ではポリデモによるトレーラー作成が定番となります。

『3』ではゲーム中のアイテムとしてカロリーメイトを登場させる「ゲーム内広告」を実施。小島監督がファンだという『サルゲッチュ』がゲーム内に登場する、キャラクターコラボレーションも実現させました。『4』では一週間連続してのモニターテストも実施。こうした努力が実を結び、今では親子二代で『MGS』をプレイしてくれる人もいるほどです。

このほか、同じ小島プロダクションによる『Z.O.E(ZONE OF THE ENDERS)』制作秘話についても語られました。『Z.O.E』は『ときめきメモリアル ドラマシリーズ』を手がけていたスタッフが中核となって生まれたもので、当初は『九曜大戦』という「お坊さんと少女が旅をするRPG」という企画概要でした。

これが「ゲームメカニクスが決まらない」という理由で、『アトランティス』というロボットアニメ風のゲームに方針転換。そこから『MGS』シリーズで原画を勤める新川洋司さんが加わり、『メガドライバー』に変更。これが『Z.O.E』シリーズの実質的な母体となったといいます。

最後に『MGS』シリーズ最新作『METAL GEAR SOLID RISING』についても触れられましたが、残念ながら「工事中」とのこと。完成予定は2012年ということになりました。小島監督曰く「今年は仕込みの年」とのことで、完全新作はシリーズ25周年を迎える来年に持ち越しとなりそうです。25周年を記念して、どのような施策が行われるのか、期待して待ちましょう。
《小野憲史》
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