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【CEDEC 2011】心に響くSEはこうして生まれる・・・SEマンのこだわりとは

ゲームビジネス その他

機動戦士ガンダムより、ガンダムのビームライフル「ズキューン」、ザクの「ぐぽぉん」。装甲騎兵ボトムズよりローラーの「ヒューン」。ドラゴンボールの気を放出してまとった時の「ギュワギュワ」音。作品において象徴的となる音を創りだしたのがSEサウンドマンです。今日はアニメで数々の作品の要となった音を作り出してきた方々が音作りに関する心意気、姿勢、そしてちょっと驚きの秘密について話してくれました。

松田明彦・・・機動戦士ガンダム、装甲騎兵ボトムズ等を代表作とするSEプロデューサー。
新井英憲・・・ドラゴンボール、ドラゴンボールZ、ワンピース等を代表作とするSEプロデューサー。
庄司・・・勇者王ガオガイガー、プラネテス、コードギアス、そしてプラックジャックを代表作に持つ。

SEはただ音の録音をして成り立たない。自動車を録音して、使うのはいいけれど、それをしたら誰が作っても非常に似た自動車の音になる。また、作品内の自動車の種類にかかわらず、似た音になる。そこで個性を出す、出す為に色々とやるだけの気概を持たないとSE屋をやっている理由が無い。

松田さんはリアルと、説得力のある音の違いについての考えも実演した。発泡スチロールとお皿、そして水を少量。水に濡らした発泡スチロールをお皿にこすりつけたキュキュっとした音で多彩な情景を作り出した。本来なら音の演技ができない小猿の鳴き声を作り出し、アニメのキャラクターとの演技。イルカの鳴き声も作り出した。最後に風に揺れ、樹木の枝が軋む音を、発泡スチロールで実演。

デジタル時代ではサンプリングを行い、実物の音を加工することも自由自在だ。その自由さに疑問を持つのは職人気質の新井さん。

新井さんはアナログの音声加工について話してくれた。テープのモーター速度を調節したりと、手持ちの道具を様々な方法で使う事について話してくれました。特に新井さんは音楽と合わせて、音程が合った物を作る事を心がけている。「絶対音感を持っている人が不快に思わないように」と効果音を全体の音楽に合わせるこだわりを話してくれた。

庄司さんは音源について話しをしてくれた。ロボットのメカニカルな動作音はやはり、機械から生まれる。その機械音の音源が意外だった。例えば、掃除機のモーター音を遅回しにして、低音の大型エンジン音が生まれたりする。音源は身の回りにある。それを経験と想像力で作り変えるその力は観客側にも驚嘆をするばかりだった。

特に面白かったのは人の吐息を加工して作った音。「コードギアス」のメカの動作音にまさか庄司さんの呼吸音であるとは思いもしなかった。呼吸の応用は全員やっている物で、早回し、逆再生、重ねたりと様々な加工によって異質でありながらも受け入れられる音を創りだす。このバランス感覚が彼らを「特別」としているのだろうか。

新井さんと松田さんはゲームもあまりプレイをしておらず、自分達の事を「ちょっと場違い」とまで言っていた。新井さんは特にゲーム歴はファミコンのスーパーマリオで終ってしまったが、マリオの効果音は音楽ともよく合った素晴らしい作品とも言う。

ゲームの音作りは「楽しいのか?」と疑問を持つベテランSEサウンドマン。リアルに忠実すぎて、特徴的な音作りがされている感じがしないと不安もあるように見える。作品や世界観を象徴するような特徴的な音は現在のゲームにはあるのだろうか?そのようなこだわりと思いを持って音作りをする若手は育っているのか?音を作り始めて経験を合わせたら人の一生をも超えるこの三人。疑問に思っても不思議ではないのかもしれない。

24分というシナリオを盛り上げる為の音楽とSE。人の入力に応じて変わるゲーム内のインタラクティブな音作り。これはある種違う分野からの挑戦状だろう。ゲームの音でこの男たちを納得させるしかない。
《米田健》

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