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【GTMF2011】新型ゲーム機でも活躍するCRIのオーディオミドルウェア

映像・音声を専門とするミドルウェア開発会社のCRI・ミドルウェア。その主力製品の一つが、オール・イン・ワン型オーディオソリューションの『CRI ADX2』です。昨年7月にリリースされ、すでに多くのタイトルで採用されています。

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新型ゲーム機でも活躍するCRIのオーディオミドルウェア
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映像・音声を専門とするミドルウェア開発会社のCRI・ミドルウェア。その主力製品の一つが、オール・イン・ワン型オーディオソリューションの『CRI ADX2』です。昨年7月にリリースされ、すでに多くのタイトルで採用されています。

一方、発売から1年が経過する中で、『CRI ADX2』にさまざまな機能が追加されてきました。その代表的な機能が、開発実機上でゲームを実行しながら、その場でサウンドを調整できる「インゲームプレビュー機能」です。

TGMF東京2011の「新型携帯ゲーム機で高品質なサウンドデザインを実現」という講演では、このインゲームプレビュー機能を筆頭に、『CRI ADX2』の新機能を紹介。あわせてニンテンドー3DSやPS VITAといった、新型携帯ゲーム機向けのTIPSも語られました。

「『CRI ADX2』は単なるパッケージではなく、より素晴らしいゲームをサポートするサービス」・・・。同社の櫻井敦史氏は、こう語ります。機能面にとどまらず、オーサリングツールの『CRI Atom Craft』が強力で、サウンドデザイナーが直感的に音作りを進められる点が特徴です。

『CRI Atom Craft』はタイムラインベースのUIを持ち、ファイルフォルダから複数のサウンドデータをタイムラインにドラッグ&ドロップし、タイミングを見ながら鳴らすことができます。サウンドデータごとにエフェクトや3Dポジショニングデータを設定したり、プログラム情報(ヘリの回転数など)に応じてエンジン音や風切り音をリアルタイムに変化させる・・・などの設定も可能です。

■インゲーム・プレビュー機能とは何か?

こうした機能の中でも白眉なのが、新しく搭載されたインゲーム・プレビューです。これはターゲット機で実行中のプログラムに対して、開発PCから直接サウンド調整ができる機能です。音声の差し替えから、再生パラメータの設定、再生タイミングの調整、距離減衰カーブの設定など、さまざまな調整が行えます。

講演では、プレミアムエージェンシーの「千鳥エンジン」上で作られたFPS風のゲームを実機上で走らせながら、射撃時のSEを萌え風の「はにゃっ」という声に差し替える、などのデモが披露されました。オーサリングツールのメニュー上でSEを選択するだけで、数秒後にはゲーム内に反映される様には、驚かされます。

櫻井氏はインゲーム・プレビューのメリットとして、ゲームを実行しながら直接調整できるため、試行錯誤のターンアラウンドが非常に短くなる点を上げました。音の重なりなどもゲームでそのまま確認できます。特に実機のスピーカー上でサウンドが調整できる点が大きく、プログラマーの手間を格段に削減できます。

インゲーム・プレビュー機能を用いる際の典型的なワークフローはこうです。まずサウンドデザイナーがオーサリングツールの『CRI Atom Craft』上で仮組み用のサウンドデータを作成し、プログラマーに渡します。プログラマーはそのデータをもとにゲームプログラムに実装し、サウンドデザイナーに返します。

あとはサウンドデザイナーがプログラムを実行させながら、インゲーム・プレビュー機能を用いて、『CRI Atom Craft』上で細かい調整を行っていくだけです。音の出方も実機のスピーカーで上で確認できるので、間違いがありません。こうして完成したサウンドデータをプログラマーに渡して、最終版のゲームプログラムに実装すれば終了です。

■「ROMだからストリーミングが早い」は幻想

他に『CRI ADX2』の新機能として、動画再生によるシーケンス作成支援機能や、多言語対応などが紹介されました。前者は動画ビューアで動画を再生しながら、『CRI Atom Craft』のタイムライン上で効果音をつけられる機能です。後者は言語別にサウンドのサブフォルダを設定できる機能です。プレビューやビルド時に使うファイルを、自動的に切り替えることができ、間違いがありません。

気になるPS VITA版の『CRI ADX2』ですが、「具体的な情報はお話しできません」としながらも、インゲーム・プレビュー機能をはじめ、他機種と共通の機能を装備。そのうえでPS VITA固有の機能も追加されるとのことです。また動画ミドルウェアの『sofdec2』も近日発表予定とされました。

講演の最後には機種固有の『CRI ADX2』に関するTIPSも紹介されました。ほとんどはニンテンドー3DS向けでしたが、考え方の多くはPS VITAでも共通なので、相互の開発チームでのノウハウ共有が重要になりそうです。

まずPS VITAでは光学メディアが廃され、ニンテンドー3DSと同じくROMメディアでゲームが供給されることになりますが、これによって音声のマルチストリーミングが簡単になるのは幻想だと強調されました。シーク時間のペナルティはないものの、ROMメディアでもデータの流量制御が必要になるとのことです。

続いて最近のゲームではオートセーブ機能を備えたものも増えていますが、セーブ時にBGMが途切れるなどの状況が発生しないように、ストリーミングの流量制御は読み込み・書き込みを含めて考える必要があるとされました。BGMをさりげなく消したり、メモリ再生にするなどの対策が一般的ですが、今後ツール側でサポートすることも検討中だといいます。

このほか3DSで用いられている『NitendoWare』のサウンド処理と、『CRI ADX2』の処理は併存できます。『NitendoWare』側にリバーブやDSPバスの処理を任せればCPU効率もアップ。『CRI ADX2』に内蔵されている、独自のADXやHCA、HCA-MXコーデックは3DS標準コーデックよりも圧縮率が高いので、ぜひ使ってみて欲しいと呼びかけていました。
《小野憲史》
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