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【E3 2011】Kinect、Kinect、Kinect!・・・Xbox360プレスカンファレンス

E3 2011はマイクロソフトのプレスカンファレンスで6月6日(現時時間)、開幕しました。本誌でも既報通り、さまざまな新作ゲームタイトルが発表されましたが、終わってみれば同社のKinectに対する注力ぶりが前面に押し出された内容となっていました。

マイクロソフト Xbox360
Kinectが大いにアピールされた今年のMSカンファレンス
  • Kinectが大いにアピールされた今年のMSカンファレンス
  • MSを代表してドン・マトリック氏が登壇
  • 古巣の壇上に上がるピーター・ムーア氏
  • 「GoW3」のデモプレイをするクリフ・ブレジンスキー氏
  • kinect対応「Fable」について語るピーター・モリニュー氏
  • 「Kinectスポーツ:シーズン2」のアメフトは二人でプレイ
  • 「Dance Cntral」で早くも「2」が発表
  • 「MASS EFFECT3」は音声認識で会話できる
E3 2011はマイクロソフトのプレスカンファレンスで6月6日(現時時間)、開幕しました。本誌でも既報通り、さまざまな新作ゲームタイトルが発表されましたが、終わってみれば同社のKinectに対する注力ぶりが前面に押し出された内容となっていました。

今回発表されたタイトルやサービスを、Kinect対応の有無と共に順に並べると、下記の通りとなります(○は対応、◎は専用タイトル。筆者確認なので誤りや、修正される可能性もあります。発売日は日本でのもので、特に記載がないものは日本発売未定です)。

・Call of Duty: Modern Warfare 3(Activision)
・Tomb Raider(Crystal Dynamics/Square Enix Europe)
・タイガー・ウッズ PGA TOUR(EA)○
・FIFA12(EA)○
・Madden NFL 12(EA)○
・Mass Effect 3(EA)○
・Tom Clancy's Ghost Recon Future Soldier(UBI) ○
・Xbox Live(MS)○
・UFC(THQ)○
・Gears of War 3(MS)2011年9月22日発売
・Ryse(Crytek)○ 
・Halo: Combat Evolved Anniversary(MS)2011年
・Forza Motorsport 4(MS) ○ 2011年10月13日発売
・Fable: The Journey(MS) ◎ 日本発売予定・発売日未定
・Minecraft(MS) ○
・Kinect: Disneyland Adventures(MS) ◎ 2011年
・Kinect Star Wars(MS) ◎ 2011年
・SESAME STREET: Once Upon a Monster(Warner Bros.) ◎
・Kinect Fun Labs(MS) ◎
・Kinect スポーツ: シーズン2(MS) ◎ 2011年
・Dance Central 2(MS) ◎ 2011年
・Halo4(MS) 2012年

このように、全22タイトル・サービスのうち、実に17件で何らかの対応を発表。そのうち8作が専用タイトル。これはもう「Kinect一色に染まった!」といっても過言ではないでしょう。

リリースによればKinectは全世界で1000万台を突破していますが、中でも北米で強いのは周知の通り。マイクロソフトは強い決意で、Kinectを新しいゲーム体験の礎にしようとしていることがわかります。過去、後付けの周辺機器がここまで存在感を示したことはなかったと言えるでしょう。

■ハードコア向けゲームでも進むKinect対応

対応内容についても、昨年は「Kinect Sports」に代表されるように、カジュアルゲームやパーティゲーム、スポーツゲームが中心でしたが、今年はハードコアゲーマー向けのタイトルも対応となっています。以下、主なタイトルでどのような対応がなされるか、タイトル概要と絡めて簡単に紹介します。

・Mass Effect 3 
「スタートレック」風のSFアドベンチャーから一転して、全銀河を巡る戦争が勃発。地球も古代異星人リーパーによって占領されました。プレイヤーは主人公シェパード司令官を操って、戦いの渦に身を投じていきます。

Kinect対応で目を引くのは音声認識。プレイヤーは会話中、選択肢の内容を実際に喋ることで選択できるようになり、キャラクターとより自然なコミュニケーションが可能になります(ローカライズチームが悲鳴を上げそうな仕様です)。戦闘中、スナイパーライフルのスコープから目を離すことなく、チームに口頭で命令を出すなども可能になるとしています。

・Tom Clancy's Ghost Recon Future Soldier
リアルな戦闘体験が楽しめる人気FPSシリーズの最新作では、銃器を分解してパーツ単位でアップグレードしたり、オプションパーツを追加できるようになります。銃器の分解、組み立てはKinectでゼスチャーをするだけ。近接戦闘など用途を告げるだけで、オススメの銃器に仕上げてもらうこともできます。

戦闘もKinectの前で実際に射撃体勢をとり、腕を動かしながら照準をあわせて引き金を引いたり、マガジンの交換ができるようになります。同社では本作を含む、今後すべての「トム・クランシー」ゲームがKinect対応になると発表しています。

・Ryse
ローマの戦士となって戦うアクションゲームで、キャッチコピーは「You are the controller. You are the Warrior」。文字通りテレビの前で腕を振り回しながら敵と戦っていきます。

・Forza Motorsport 4
リアルレーシングシミュレーターとしても、カジュアルなドライブゲームとしても人気の本作では、Kinectを使ってカジュアルにプレイするモードがあり、ハンドルを握る感覚で手軽に運転できます。通常のコントローラーでプレイする際も、フェイストラッキングシステムとして利用可能。顔を左右に向けると視線が移動するという仕組みです。コーナーリングでコーナーの先を確認しながら、ハンドリングが出来るようになります。

・Fable: The Journey
「Fable」シリーズのKinect対応の噂は「III」の時点からありましたが、ようやく真相が明らかになりました。デモプレイでは、再び中世風の技術レベルにもどったアルビオンで、馬車を操る主人公の英雄が、予言者テレサを助けてモンスターから逃走するシーンで始まります。プレイヤーは実際に両手で手綱をにぎるように動かしながら、馬車を走らせていきます。

続いてモンスターとの戦闘シーンでは、魔法を使った攻撃が披露されました。プレイヤーは両手をすりあわせながら魔法を選び、左右の腕を前後に動かしながら火炎などを繰り出していきます。

・Kinect Star Wars
ある意味、誰もが予想する通りの内容です。プレイヤーはジェダイの騎士となって、全身でアクションしながらライトセーバーを振り回り、フォースを使いながら、敵と戦っていきます。ポッドレーサーやさまざまな宇宙船、スピーダーバイクを操縦したり、フォースの訓練を積むこともできます。

■カジュアルゲームでは世界観が多彩に

続いてカジュアルゲームやパーティ向けゲームについて紹介しましょう。

・Kinect: Disneyland Adventures
「もう長い行列に待たされることはありません」というキャッチコピーが、もっとも似合いそうなタイトルです。リビングにいながらにして、ディズニーランドを探索し、Kinectでアトラクションを楽しめるというもの。デモではピーターパンと共にネバーランドを冒険したり、不思議の国のアリスの世界で文字通り不思議な体験をする、などの内容が紹介されました。ディズニー版権ではなく、「ディズニーランドのパーク体験」がゲーム化された、初のタイトルではないでしょうか。

・SESAME STREET: Once Upon a Monster
おなじみ「セサミストリート」の世界観で遊べるファミリー向けアドベンチャーゲームです。「Once Upon a Monster」という絵本のキャラクターとなって、エルモやクッキーモンスターといったキャラクターたちと一緒に、さまざまなミニゲームをクリアしながら、見た目は恐ろしくても心優しいモンスターたちと友達になっていきます。「Kinect: Disneyland Adventures」と同じく、Kinectのゲーム体験を人気の世界観でパッケージングした、興味深いキャラクターゲームだと言えます。

・Kinect スポーツ: シーズン2
大ヒットした「Kinect スポーツ」に早くも続編が登場。本作ではテニス・野球・ゴルフ・アメリカンフットボール・スキー・ダーツの6種目が楽しめます。中でもユニークなのはアメリカンフットボールで、1人がクォーターバック、もう1人がレシーバーとなって、協力してゲームを進めていきます。実際にかけ声を出しながらゼスチャーでパスを出し、キャッチする様は見ているだけで楽しめそうです。

■Kinectで楽しめるさまざまな新体験

ゲーム以外にもKinectを用いて、さまざまな操作や体験ができるようになり、楽しみ方が広がります。あわせてタイルベースの新ダッシュボード「New Xbox Experience」も発表されました。

・音声検索
MSの検索サービス「Bing」を用いて、Kinectで音声検索が可能になります。キーワードを告げるだけで、関連するゲーム屋映画、テレビ番組、スポーツ、音楽などを、まとめて検索できるようになります。他にYoutubeとも連動し、大量の動画コンテンツを声だけで操作できるようになります。映画「スタートレック」のコンピュータの操作シーンのアナロジーだと言えるでしょう。

・Kinect Fun Labs
Kinectを使って自分だけのコンテンツを作り出し、ネット上で共有できる、先進的なサービスです。壇上では「Kinect Me」「Kinect Googly Eyes」 「Kinect Sparkler」の3ガジェットが実演されました。

「Kinect Me」はカメラで人間をスキャンするだけで、そっくりなアバターを短時間で作り出せる機能。「Build a Buddy」はぬいぐるみなどをスキャンして、キャラクターにしてしまう機能。自分の動きにあわせてキャラクターも動かせます。「Kinect Sparkler」は、指の動きをトラッキングして、画像にエフェクトがかけられるもの。指を一本ずつ認識しており、つまむ操作でエフェクトを発生させて、空間内での動きをトラッキングすることができます。

このほか「Bobble Head」「Kinect Googly Eyes」「Avatar Kinect」が予定されています。またお気に入りの写真やビデオをKinectShare.comにアップロードすることも可能です。KinectShare.comはFacebook、twitter、youtubeとも連携しており、自分で作ったコンテンツをソーシャルで楽しむことができます。

■Halo4をはじめ、大作ソフトも存在感を示す

一方、Kinect対応以外のタイトルでも、大作の発表が目白押しでした。人気FPSシリーズ最新作「Call of Duty: Modern Warfare 3」、おなじみララ・クロフトの最初の冒険を描く「Tomb Raider」、日本でも今秋に発売される「Gears of War 3」、そしてマスター・チーフとコルタナの新しい戦いを描く「Halo4」です。中でも「Halo4」は早くも三部作化が表明されており、マイクロソフトの並々ならぬ力の入れようが感じられます。

「Call of Duty: Modern Warfare 3」では原子力潜水艦をシージャックし、核ミサイルを発射して脱出する潜入ミッションの模様がデモプレイされました。眼下ではマンハッタンが火の海となっており、米艦隊が壊滅状態。さらに過激なミッションが繰り広げられそうです。また全追加ミッションが、最初にXbox360向けに配信されることが明らかにされました。

「Tomb Raider」は世界一危険な女性冒険家ララ・クロフトの最初の冒険譚で、有名IPの復活宣言といったところ。デモでは捕虜となり、洞窟の天井からぶら下げられているシーンから始まります。海賊らしき男が追いすがる中、崩れ落ちる洞窟の中を必死で逃げるララ。「Help me!」なんて悲鳴も上がり、ララの新たな一面が見られそうです。

プラットフォームホルダーとしてのマイクロソフトのユニークな点は、携帯ゲーム機を展開していないところ。国内ではPSPが高い人気を誇っていますが、ワールドワイドで見ればスマートフォンの猛追を受けて、携帯ゲーム機の存在感が揺らいでいます(同社もWindows Phoneを展開中ですが・・・)。そうした中、据え置き機に焦点を絞って、Kinectで新しいゲーム体験を提供しようとする同社の戦略は興味深いモノがあります。

また大作ゲームでPC・PS3・Xbox360のマルチタイトル案件が増える中、Kinect対応はXbox360版の大きな差別化要因ともなります。国内企業としても、海外向けタイトル開発を進める上で、Kinect対応は避けて通れない道となるでしょう。オンライン対応、3D立体視対応、そしてKinect対応と、ゲームにますます「新しい体験」が加わっていきそうです。
《小野憲史》
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