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アメリカゲーム業界就職事情・・・日本とは違うサバイバル術

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アメリカゲーム業界就職事情・・・日本とは違うサバイバル術
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リクルートスーツに会社説明会、チェックシート、履歴書と面接。日本の「就活」における定番ですが、アメリカのゲーム業界に飛び込みたいなら、こうした常識は捨てなければいけません。北米(カナダを含む)ゲーム業界の就職事情について語るには、ゲーム業界のヘッドハンターと人材紹介会社Mary Margaret NetworkのCEO、マリー・マーガレット・ウォーカーさんの右に出る人は、いないでしょう。

丁寧にアドバイスを与えるマリー・マーガレットさん。講演終了後は個人的な質問などで、何十人もの行列ができました。


IGDAシリコンバレー支部が3月16日に開催したゲーム業界キャリアナイト(就活フェアみたいな物)で、マリー・マーガレットさんは、ゲーム業界就職活動の常識と必須技能を丁寧に説明してくれました。日本の就活風景からは掛け離れたアメリカの「常識」。こうしたスタイルもあるんだ、と驚かれるかもしれません。

プレゼンでは就活に加えて、北米ゲーム業界サバイバル術も盛り込まれました。開発者の国際交流が進む中、日本のディベロッパーにとってもこうした情報は、異文化交流の一端として、覚えておいて損になる事は無いでしょう!

「シリコンバレーは変わり者にも懐が深いけど、ゲームデベロッパーはそれに輪をかけて個性的な人たちの集まりで、みな『個性』の自己主張をしている」と切り出したマリーさん。プロとして業界を渡っていくには、印象に残る事も大事だけど、目立つ事と印象に残る事は同義でないと続け、「ダサい服はクサイ服より好ましい事を覚えておきましょう」と参加者を笑わせました。

奇抜なファッションで悪目立ちするよりも、アメリカの典型的なプログラマが苦手とする好印象を与える努力。スーツを苦手とする観客をよく理解していて、優しく諭すマリー・マーガレットさんは、そのためのヒントをいくつか説明しました。

効果的な自己アピールのためには、自分の特徴をよく理解し、自分をよく定義する事が大事。日頃からこうした準備を怠らない事で、何処でも自己アピールができるようになります。苦手なスーツに身を包んで、できない事を隠すより、まず自分にできることに集中をする。ポジティブなスタンスが大事なのです。

「飛び出せ、飛び出して走れ」リズ・ライト作詞「ヒット・ザ・グラウンド」より抜粋。


第一印象での高評価は、人脈形成の努力を継続することで、初めて価値が出てきます。せっかくLinkedIn, Facebook,Twitterやメール等のツールがあっても、これを継続して使わなければ意味が無いのです。こうした「業界人とのコネクション作り」は、日本では必ずしも就職に繋がりませんが、アメリカでは必須条件となっています。

もちろん、将来の上司に知られたくない情報は、Facebookに絶対乗せないように、注意も必要です。そう警告を発しつつも、マリー・マーガレットさんは「(こうしたツールを)活用しないのは怠慢」と言い切りました。

自己アピールを怠らず、他人の情報も収集する。社交的な人もいれば、内向的な人もいるでしょう。しかし、一番悪いのは最初から諦めてしまうこと。ツールは沢山用意されています。どのような手段があるかを調べて、継続的に活用する事は、地味な行為ですが、効果的です。

続いてトピックは長期的なサバイバルのコツに移りました。ゲーム開発者として生き残るためには、経験を積み、スキル向上を怠らずに、自己開発を続けることが大事。そうした努力を怠れば、すぐに業界から置いていかれる現実を受け止める強さも必要です。

社外活動も長期的にゲーム業界に携わる上で、大きな要因となります。水やりを怠けると植物が枯れるように、人脈も放置すると腐ります。人脈の維持はそう難しくありません。GDC等のイベントに参加する以外にも、オンラインゲームを遊んだり、IGDA主催のイベント、共通の趣味をもった人と息抜きをするだけでも効果はあります。仕事にひきこもり、孤立する事は自己主張ではなく、人を遠ざける行動です。普通の友達付き合いをするだけで良いとマリーさんは指摘します。

企業の求人も日米では大きく異なります。アメリカでは日本よりも、会社が必要なスキルを持った人材を求める傾向が、より大きい点が特徴です。そして、優秀な人材の知り合いは、同じく優秀なことが多いため、内部推薦が非常に効果的なのです。本サイトでも「新卒一括採用のない米国でゲームの職を得る方法(米国就職事情Vol.1)」で具体的な方法が示されていますが、マリー・マーガレットさんは、ゲーム会社の人事側の事情を、さらに突っ込んで話してくれました。

就職希望者も業界人も、人脈を絶えず育てたいと考えています。ゲーム会社の人材は流動的で、ヒット作を継続して創りだすには、新鮮な才能が幾らあっても足りません。大手なら学生時代から有望な人材を発掘し、先行投資するのは当然とされています。

人事もまた、一般公募よりも素早く的確な人材を確保できる内部推薦を重視する傾向にあります。ここでネットワークの力が生きてきます。IGDAなどが主催するセミナーに参加して、志望企業や同じ職種の業界人と知り合いになり、アピールすることは重要な機会をもたらします。またIGDAでは学生向けにGDC奨学制度(スカラーシップ)を用意しており、審査をパスすると個々の学生に対してGDC期間中、専任のメンター(師匠)がつけられます。これは学生・メンターの双方にとって利益をもたらす仕組みなので、活用しないのは損だと言います。

こうしたレジュメには現れない人間性は、特にゲームづくりで重要な要素となります。スキルの有無のみならず、職場との相性も重視されるからです。ただし、こうした内部推薦を受けても、実際は一歩を踏み出したのみ。実際にゲーム会社に就職するまでは、難関がいくつもあります。

中でも重要なのがレジュメ。日本でいう「履歴書」です。講演ではレジュメの読みやすい形式や必要項目が説明されましたが、印象に残ったのが「経歴に隙間を開けない」事でした。たとえゲーム業界で仕事が見つけられなくても、漫然と時間を過ごしてはいけません。プログラミングサークルの参加、IGDAでのボランティア、自分でゲーム開発をする等。目的に向かってなんらかのアクションを絶やさないように、と念が押されていました。そして、なによりも誤字脱字などのケアレスミスは厳禁。作成したレジュメは何度も読みなおして、すべて修正しておきましょう。

レジュメの概要。定番の内容をどれだけキッチリこなせるかで印象が変わる。


マリー・マーガレットさんはIGDAの活動を通して、知り合いの輪がどんどん広がっていくことが、とても楽しいと話しました。新しい友達が、さらに別の新しい友達とつながり、新たな同僚、新たな仲間になるなど、交流の輪はどんどん広がっていきます。この輪を広げて、さらにゲーム業界を育てていくのが、彼女のめざすところです。そのためにも、是非FacebookやLinkedInで自分(Mary-Margaret Walker)と繋がって欲しい。貴方の事をもっと良く知る事で、貴方の事を紹介しやすくなると、自身の仕事についても楽しげに話し、講演を締めくくりました。

マリー・マーガレットさんのコンテクト方法は多彩。彼女の人脈は素晴らしく広い。
《米田健》

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