そんな中、米アップルのiPod担当者2名がそろって来日。「携帯ゲーム機としてのiPod touch」を熱っぽく語った。話を聞いたのは、スタン・イング氏(ワールドワイドプロダクト マーケティング iPod担当シニア・ディレクター)、ショーン・エリス氏(ワールドワイドプロダクト マーケティング iPod担当)の両名だ。
むろん、iPod touchは純粋なゲーム端末ではなく、音楽・動画・webも楽しめる総合メディアプレーヤーと考えるべきだろう。一方、App Store上のアプリは35万点以上あり、数多くのゲームが存在する。そうした事情を鑑みると、iOSデバイス(iPod touch、iPhone、iPad)にとって「ゲーム」が欠かせない一大要素となっているのも事実だ。
iPod touchの携帯ゲーム機としての優位性について、まずはイング氏が口火を切った。氏によれば、高速処理を可能にするA4チップ、快適な操作を可能にするiOSといったベーシックな部分はもとより、他ゲーム機に比べて非常にコンパクトで、携帯性に優れている点を強調。傍らに置いたニンテンドーDSiと実際に大きさを比較しながら「こんなに小さい。3DSもDSiと同じぐらいの大きさだ」と示した。
そのほか、ハード面のストロングポイントとして挙げたのが、960×640ピクセルの解像度を誇るRetinaディスプレイだ。ここでもニンテンドー3DSを引き合いに出し、「ざっとニンテンドー3DSより3倍も大きい解像度になる」と説明。3DSの場合、立体視ゲームではさらに解像度が低くなるとし、高精細なディスプレイでゲームを堪能できる点をアピールした。
アプリ面では、App Storeにおける豊富なゲームタイトルの数、無料もしくは低価格での提供、カートリッジに縛られず、好きな場所でダウンロードできる自由度を挙げた。これまでアップルのイベントでも押し出してきたポイントではあるが、改めて「多くのアプリは無料。それに管理もしやすい」と強調。また、iOSデバイス向けに統合的な開発を行なえるのも利点とし、この点はAndroidデバイスとも差別化を図ることができていると述べた。
続くエリス氏は、カプコンが2月にリリースする「Resident Evil vs. Mercenaries」(バイオハザード)、「Devil May Cry 4」(デビルメイクライ)などを実際にデモ。ほかに、AR(拡張現実)を利用した「Star Wars Falcon Gunner」、ジャイロ&加速度センサーをフルに活用できるモーションゲームの「Bop It!」、グラフィックがきれいな「Infinity Blade」、BluetoothやWi-Fiで通信して対戦レースが可能な「Asphalt 6」などを次々に紹介した。ちなみに、これから発売するゲームを除き、紹介したゲームの価格は高くても700円だ。
最後に「任天堂とソニーの牙城である日本のゲーム市場はハードルが高いのでは?」との質問をイング氏にぶつけてみたところ、「現在、世界に出回っているiOSデバイスは1億6千万台。それら圧倒的な台数に加え、革新的テクノロジーで十分に対抗できる。今では、App Storeに日本の大手ゲームメーカーも参入してきているのだから」との自信をのぞかせた。
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