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大の日本好き外人が作るストラテジーの新挑戦~『Skulls of the Shogun』

昨年から大手パブリッシャーによる大規模なリストラが相次いでいます。歴史ある開発スタジオが閉鎖されるのも珍しい事ではなく悲しい話ですが、その一方で、そうしたスタジオのあった地域には、幾つもの独立系の小規模なデベロッパーが誕生しているといいます。

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Skulls of the Shogun
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昨年から大手パブリッシャーによる大規模なリストラが相次いでいます。歴史ある開発スタジオが閉鎖されるのも珍しい事ではなく悲しい話ですが、その一方で、そうしたスタジオのあった地域には、幾つもの独立系の小規模なデベロッパーが誕生しているといいます。

Haunted Temple Studioもその一つ。水口哲也氏のユナイテット・ゲーム・アーティスツ(UGA)で『スペースチャンネル5』などに携わり、その後アメリカに戻りエレクトロニック・アーツで『Command & Conquer 4』などの制作に参加したJake Kazdal氏が元同僚と立ち上げたスタジオです。

Jakeさん


現在Xbox Live Arcade向けに『Skulls of the Shogun』というストラテジーゲームを開発中で、見せていただく機会がありました。「『ファミコンウォーズ』や『ファイアーエムブレム』は大好きだけど、昔から変わらないよね」というJake氏が新しいストラテジーを作りたいという思いを込めた作品です。



司令官であるShogun(いわゆる将軍、ショーグン)がおり、ユニットは歩兵、弓兵、騎馬兵の3種類、拠点として田んぼ、寺社、お稲荷さんが存在します。ShogunやユニットにはHPがあり、ユニットを動かして攻撃し、相手のShogunを倒せば勝ちというターン制のストラテジーです。田んぼを占拠すると定期的にRice(お米)が手に入り、寺社でそれを消費する事で新しいユニットを獲得できます。お稲荷さんでは体力回復などの効果のあるキツネを呼び出す事が出来ます。

ストラテジーとアクションを上手く融合させたゲームデザインになっていて、ストラテジーの一種の特徴でもあるマス目状の移動範囲というのがありません。移動可能範囲は円形で示され、その中で自由にプレイヤーが動かせます。攻撃をすれば相手はよろめきます。後ろがない橋や崖などで攻撃をすることで敵を落として一撃で倒す、というような作戦も考えられます。

マスという概念を排除Shogunを倒せ桜が散る美しい春ステージ


ストラテジー特有の情報量の多い画面とは無縁で、かなり直感的に楽しめる作りになっています。テンポも早く、アクションゲームのようにリズムよく遊べます。

この種のゲームの場合、実力が拮抗してしまうと、こう着状態に陥る事が多々あります。しかし本作では、収穫量が限られる田んぼが資金源になるため、自然と決着が着いていきます。

シングルプレイヤーで春夏秋冬とステージをクリアしていくモードだけでなく、マルチプレイヤーも当然用意されます。マルチプレイヤーでは4人対戦もサポートしていて、入り乱れての合戦やこっそり同盟を結びというような遊びも出来そうです。

今回は見られませんでしたが、ゲームを途中でセーブしていつでも再開したり、面白い所でセーブして美味しいところを何度も遊べる機能や、ネット対戦中に抜けなくてはいけなくなった際にCPUに代わる、というような機能も実装予定だとのこと。

ステージは春夏秋冬をイメージして、色彩豊かな多数のステージが用意されるとのこと。グラフィックテイストはJake氏が大好きな「60年代の東映アニメ」をイメージしたということで、日本人にも親しみのあるものになっています。既に紹介しているように、ShogunやRiceなどゲームの中身もどこか和風です。

昨年6月頃から空き時間を使い開発をスタートし、今年の4月からフルタイムで制作に取り組んでいるという本作。あと半年~1年ほどで完成させるつもりだとのこと。開発チームは3人で、オフィスはなく、シアトルとロサンゼルスに住んでいるチームがテレビ電話などでやりとりしながら開発を進めているそうです。現在はXbox Live Arcadeですが、日本での展開を考えるとPlayStation Networkなども計画しているとのこと。「パブリッシャーももうすぐ見つかりそう」ということでした。

日本に5年住み、夫人も日本人。いずれは東京で開発スタジオをやりたいという夢も語っていました。「日本のご飯とビールが大好き」という氏の開発する『Skulls of the Shogun』(日本タイトルは未定です)は期待してても良さそうなゲームでした。ちなみに先日イギリスで開催されたEurogamer ExpoではINDIE games arcadeのファイナリストに選ばれたということで面白さは保証済み。ご期待あれ。
《土本学》
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