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テイクツー森田卓宏マネージャーが語る日本市場展開

東京ゲームショウのマイクロソフトブースでお会いしたのがテイクツー・インタラクティブ・ジャパンのマーケティングマネージャである森田氏。さっそく2010年の展望について伺ってきました。

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東京ゲームショウのマイクロソフトブースでお会いしたのがテイクツー・インタラクティブ・ジャパンのマーケティングマネージャである森田氏。さっそく2010年の展望について伺ってきました。

森田氏


■現地法人を立ち上げ日本市場のマーケットシェア獲得に意欲

―――テイクツーが日本法人を立ち上げたわけですが、自社自らで作品をリリースするという決断に至った背景はどこにあるのでしょう?

森田卓宏マネージャ:これまでは、国内企業のパブリッシング業務を委託してきたのですが、これからリリースする作品はテイクツージャパンでパブリッシングしていく予定です。これまでは『GTA3』であればカプコンさん、『BIOSHOCK』ならスパイクさん、という風に国内メーカーのご協力をいただいて販売していたのですが、他の外資メーカーも日本市場に参入しているところでもありますし、お陰さまでテイクツーブランドも知名度が上がってきたという判断です。もちろん、いままでのパートナーさんとの関係はしっかりと維持しつつ、テイクツーとして日本でのステータスをあげていこうと思っています。

―――テイクツーの強みはどこにあるんでしょうか?

やはり、評価の高いIPが数多くあるということですね。他社と比較してリリース数は少ないと思います。しかしリリースする作品の評価が全般的高いのが多い。ここ何年もかけて海外ゲームといえば、「洋ゲー」といわれる売れるマーケットがないという状況が続きましたが、『GTA』シリーズの成功を皮切りに海外向けゲームそのものステータスも上がっています。そのような意味では日本のユーザーさんに受け入れられるIPという意味で打率の高い作品を出せると思っています。

■質の高いローカライズと短いタイムラグで国内リリースを果たしたい

―――自社で作品リリースをはじめたとのことですが、手ごたえはいかがでしょう?

当社としてはます6月10日に『グランド・セフト・オート:エピソード・フロム・リバティーシティ』をリリースし、8月には『MLB2K10』を発売しています。こちらはマニュアルなどを日本語化した日本語版になりますが。ローカライズの難しさは日本に参入する海外メーカーにとっては一番のハードルなのでこれをクリアしていけるものを出していきたいと思います。

次のステップとしては、ローカライズされたIPをある程度日本の流通様に海外の発売とのタイミングに合わせて出せるようにするということです。海外メーカーの問題は、海外でゲームがリリースされてから日本でリリースされるまでのタイムラグが長く、日本の人たちの中には、海外版をそのままプレイしてくださる方々も多く、相対的にローカライズタイトルのセールスが伸びにくくなってしまうという状況です。そういった海外ゲームが受け入れられる故のネガティブを払しょくするには、クオリティの高いローカライズ商品をタイムラグなく出す必要があるのです。

ただ日本ほどローカライズを意識しないとマーケットとして受け入れ難いといわれる地域は他にないんです。他のマーケットは英語版でそのまま出してもそれなりにセールスを維持出来るんですが、日本の場合は売れるんですが、売れないものはまったく売れないという状況になっています。従って、本社のほうでローカライズそのものをしないという判断をしてしまう場合もある。これを回避するために、質の高いローカライズでタイムラグなくリリースするのが重要なんです。



弊社も、『NBA2K11』のリリースの準備を進めていますが、これまではしっかりとしたローカライズが出来ていなかったのですが、本作ではマニュアルとインターフェイス部分を日本語化しています。また、海外リリースの翌週である10月14日にリリースを予定しています。メインビジュアルがマイケル・ジョーダンなので様々な素材を手厚く出していくための承認などもしているのですがタイムラグを短くするべく奮闘している最中です。

■1940-1950年代アメリカの雰囲気にこだわってローカライズした『Mafia(マフィア)II』

―――どのようなローカライジングが日本にもっとも合っていると思いますか?

海外などではローカリゼーション=トランスレーションと捉えられがちなのですが、日本のいわゆるローカリゼーションというのは作品のバックグランドで文化的なものも捉えなければならないということです。実際に翻訳をしてから翻訳チェックを終えるまで膨大な時間がかかるんです。もしかしたら、いつか、翻訳文をプロの作家に見直してもらうといったことも必要になる作品が出てくるかもしれません。



―――『Mafia(マフィア)II』も注目しています。

『Mafia(マフィア)II』をローカライズするにあたり、1940年代、50年代のアメリカの雰囲気を損なわずに、しかも『マフィア』の世界観を理解しつつ、大作、名作といわれる「マフィア」関連の映画を理解している翻訳者に翻訳を委託し、我々がチェックを入れながら、実際に違和感のないところまで落とし込んでいきました。実際に上がってきた翻訳を見て、本社と協議することが何回もあります。ゲーム画面上でその訳文を見たときにお客様が納得してくれるかどうかというところが重要だからです。

『Mafia(マフィア)II』の日本国内リリースは11月11日ということで海外リリースから3カ月ぐらいのタイムラグがありますが、これはローカライズの部分も含めそれぐらいのスパンを使って、じっくりと認知度を高めていきたいからです。国内リリース時は海外で先行で出されているダウンロードコンテンツも含めてリリースできるように2Kサイドに毎日のように交渉しつつガンバている最中です。日本になるべくクオリティ高いローカライズタイトルを出せるように頑張っているところです(笑)。

―――では最後にインサイド読者に一言

いろいろ待ち望まれているタイトルがあるかと思いますが、なるべく早くクオリティの高い形で日本のファンにお届けしたいと思っておりますので是非、皆さまの応援をお願いします!

―――ありがとうございました!
《中村彰憲》
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